上衣の更衣

今日は上衣について書いていきたいと思います。

上衣の更衣

毎日行っているにもかかわらず努力的に動作を行い時間を要し衣類が乱れていても
気づくことができないというのが脳卒中後の片麻痺患者さんには多い。

そのような場合には衣服の着脱を行うために必要な要素を学習できていないと言うことが考えられる。

衣服の着脱に関し、衣服からの触圧情報を受けているまさにその身体部位が抜け出て行こうとする皮膚と身体の自律的な協調運動を学習していくことが重要である。

片麻痺患者さんの衣服着脱の特性

麻痺側半身の感覚、運動障害、屈曲優位の固定的な姿勢制御を背景に非麻痺側上肢での衣服操作が先行することが多い。
非麻痺側上肢主体でおこない、せかせかと速く動きタッチ数も多く動作全体としては非効率で時間がかかる。
衣服からの触圧情報が着脱動作の手がかりとならず視覚情報優位の観念的な運動となることで適切な運動方向を作れないことが影響する。
衣服を片麻痺側上肢優位に力任せに引っ張り皮膚に食い込むほど最大抵抗で拮抗するように全体で反応するため衣服の通過が困難となる。衣服の通過困難の代表的な部分は肩である。

衣服の張りが衣服着脱の運動情報とならないため柔軟な姿勢を伴わない観念的な運動になり何とか目標達成する形となる。

上衣の着脱における活動のコア

衣服着脱で生じる「布が作り出す方向性のある触圧情報」に対して刺激を受けているまさにその部位へ生じる皮膚反応により自律的に抜けていこうとする
連続的な身体の知覚運動経験

セラバンドを用いた潜り抜け活動は麻痺側の固定が外れることで抵抗を掻い潜るための動きを引き出すことができる。

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