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ドライブスルー八百屋

本日はここ数日話題を集めている『ドライブスルー八百屋』についてです。

ドライブスルー八百屋はその名の通り、ドライブスルーで商品を購買できる八百屋のサービスです。

提供しているのはフードサプライという東京の青果卸売業者で、新型コロナウイルスの感染リスクとなる”人同士の接触”を減らすことを目的に4月7日よりこのサービスをスタートしました。

利用者からは「とても便利」や「買い物が快適」といったサービスそのもに対して好意的な声が多く、1日で1,000セット以上を販売するなどちょっとしたブームとなっています。

商品は20種類以上の旬の野菜や5キロの米の詰め合わせ1種類のみで価格は税込5,000円。

販売は車で来れるよう店舗ではなく都内の倉庫で行い、運転席の窓越しに注文を受けその場で支払いを済ませスタッフがトランクに商品を積み込むという流れです。

車に商品を積み込むまでの時間はわずか20秒と買い物時間も非常に短く、感染リスクと顧客満足と会社の売上を満たすまさに三方良しのビジネスです。

コロナ前のビジネス感覚は完全に崩壊したと考えた方がいいと僕は思っています。

もちろん全てが刷新されるわけではありませんが、間違いなく利益の取り分は変わります。

平常時であればそのようなことは起きません。

なぜなら、古参の強者が自分達のテリトリーを守っているので、法律や規則や慣習を盾に外者をよせつけないから。

イメージとしては鎖国と同じで、日本が鎖国を続けていれば鍛治職人はずっと刀を作って生活できていたのです。

しかし、黒船が襲来し大砲をぶっ放してきたおかげで刀の優位性はなくなりました。

もちろん、需要がゼロになったわけではありませんが、やはりそれからの戦は明らかに様変わりしました。

その象徴として、明治2年に起こった薩長戦争を描いた風刺画にはしっかり”大砲”が描かれています。

コロナも同等の考えだと思っています。

もし平常時であれば、フードサプライがドライブスルー八百屋を始めても「そんなの流行らないよ!奇を衒えばいいってもんじゃないんだから!」と嘲笑われていたと思います。

それに、フードサプライ自身もその需要に気付いていなかったと思います。

しかし既存の戦い方が通用しなくなった今は、社会にとって”本当に価値のあるもの”しか評価されなくなってしまいました

新しい働き方の象徴であるテレワークは、”努力”を剥ぎ取り”成果”を浮き彫りにするから本当に実力のある人しか生き残れない。

といった見解が世間を席巻していますが、それはリモートで仕事をする人達に限らず、社会全体が『より価値のあるものへ投資する』という価値観にパラダイムシフトしたと考えるべきで、今はまさにその転換期だと思っています。

フードサプライの『ドライブスルー八百屋』に代表されるように、これからは新しいビジネスが矢継ぎ早に生まれてきます。

そして、トレードオフ的に古い価値観は淘汰されていきます。

昨日お伝えした『新しいアクセス先をつくる』という感覚は、はまさしくこれからの社会を生き抜くために必要な価値観だと思うので、淘汰される側に分類されないよう知恵を絞り自分たちの考え方を刷新していくしかないですね。

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