響奇時宗

人生に余裕が生まれるとギャグを書いて、 行き詰るとホラーを書いています。

響奇時宗

人生に余裕が生まれるとギャグを書いて、 行き詰るとホラーを書いています。

最近の記事

「怪談の演出」

みなさんは、『怪談』に対してどのような印象をお持ちでしょうか? 令和において『怪談』の立ち位置が分からない (古いのかまだまだ現役なのか) のですが、自分にとっては今でもホラーの最前線だと思っています。 ホラーと聞くと、読み物、映像、音声、 今じゃVRなんてものまで幅広くありますが、 どれもこれも始まりとして文章に書き起こさないと、 物語を作ることが出来ません。 その文章の再現性を高めるやり方として一番なものは、 体験させてしまうことなのです。 近年は、 『第四の壁

    • 人が〇ぬ 音

      『人が〇ぬ 音 まとめ』 という動画がYouTubeのおすすめに表示された。 私は、オカルト・ホラー動画が好きなので、 こういった動画は往々にしておすすめとして表示される。 サムネは真っ黒で、再生時間は3時間ほど。 再生数は100くらいなので、「そういうニッチな創作物」かと思った。 動画を開いて、再生してみた。 『どうせ、叫び声や泣き声なんかと一緒に、グロそうな肉の断ち切る音なんかを編集して入れているだけなんだろう』 という期待を裏切ってきた。 今から内容を箇条

      • あの人、誰と話してんだろ...。

        昨日、変なの見ちゃいまして。 いや、リアルの方でね。 仕事帰りの買い物にマイバス行ったんですけど え? あー、えーとイオンのコンビニバージョンみたいなやつなんですけど。 はい、いやー結構あると思いますよ? ミニスト?セカストじゃなく? (検索中) あーこれ北海道には店舗ないみたいですね。 ほら、ベトナムにはあるのに笑 えーとなんだっけ。 あ、そう、だからミニストの北海道版で買い物してたんですけど。 レジに並んでたら、前のカップルが少しおかしくて。 彼女さんが

        • おはようおじさん

          最近、登校中にとあるおじさんがいるらしい。 そのおじさんは親や先生たちにはみえないから「お化け」なんじゃないかとうわさになっている。 おじさんにはしてはいけない3つのことがある。 1つ目は「返事をしてはいけない」 おじさんが見えると分かるとしつこく付きまとわられるから 2つ目は「名前を教えてはいけない」 おじさんは「おはよう!」と言った後に必ずデタラメな名前を言って当てようとする 当然デタラメだから当たりはしないが、名札や友達に名前を呼ばれたりすることでバレるこ

        「怪談の演出」

          〇大生連続殺人事件(押収品一部)

          左側メッセージがA大学生、右側メッセージがB大学生である。 なぁ、起きてる? てか、起きろ。 なに? さっき、コンビニでやべぇ奴に あったかもしれん。 どゆこと? なんか、会計済ませた時に後ろに 居たおっさんに肩ぶつかったんよ だから、すんませんって言ったんだけど、 そこから未だに追いかけられてんだよね。 だから来てくんね?他の友達みんな寝てんのよ。 は?nowでいるわけ? なうなう。もう30分つけられてるから 下手に家に帰れん。車で来れる? タバコとガ

          〇大生連続殺人事件(押収品一部)

          冷奴

          「ねぇ、どうしてこう寒いんかね。」 時たま、母は私の家に来ると、こう呟く。 「なんかね。すきま風でも入ってきてんだろうけど。」 「いや、窓だって閉まってるし。どっから入ってくんだろうね。」 そう言えば不思議だ。 私のウチは小さなワンルームで、夜になると季節を問わずベッドの脇からヒンヤリとした風が吹くのだ。 「なんか、嫌だねぇ。」 そう言われても、どうしようもない。 母は一頻り世間話を話し終えると、夜が更ける前に帰って行った。 私は、母のつぶやきを思い出してい

          彼が話していた。

          彼は苛立っていた。 だが、考えることに注力するにはあまりにも暑すぎる。 今日は、八月。 何日かなんて気にすることではない、ただの八月。 彼は、とても小心者であった。 泣き虫でもあったが、今では、ぶたれても涙一つも出ないであろう。 成長したんじゃない、麻痺したんだ。 彼は、もう普通の人が持つ気持ちを失っていた。 彼に、彼女が出来た。 彼女は彼の事を心から愛していた。 しかし、彼女が知っていたことは彼から告げられたことだけであった。 すなわち、彼は彼女の事を安心させたかった、

          彼が話していた。

          検索してはいけない

          検索してはいけない言葉みなさんは、「検索してはいけない言葉」をご存じですか? 「検索してはいけない言葉」とは、検索サイトを用いて検索した際に、インモラルであったり恐怖を煽り立てる内容や画像が表示されたりする言葉のこと(Weblio辞書引用)。 私が、この言葉を知ってから、もう何年も経ちますが、未だに、衰えずに定期的に新しい言葉が更新されていきます。 検索してはいけない言葉は、ほとんどが実害のないものです。(ウイルスや精神的ダメージ以外を除けば) ただ、たまに本当に検索

          検索してはいけない

          質問なんですけど…

          序文どうも、怪談やホラーを書いてる響奇時宗です。 最近は昼夜逆転して、バイトも続かず、ただただ飯や酒や創作物を体にインプットする日々を過ごしております。 元々、noteというモノが小説や怪談を書くにはあまり適さないのではと、最近思い、色々なサイトをのぞいてみてるんですが、結局見やすくて、書きやすいのがここになるんですよね。 ブログとかが多分基本なんですよね、ここ。 なので、普通にブログとして日々の想いを少しここで書きたいと思います。 気持ちやっぱり、怖いって難しいですね。

          質問なんですけど…

          老婆と「目が合った」

          精神病棟の窓にいる老婆と目が合った。 何かとても薄っぺらいポスターのように見えたが目線は僕に向け続けられていた 昔から精神疾患を抱えていた僕は上京と同時に病院を変えた。 今までは小さな心療内科に通っていたが、今度は大きな精神病院だ。 今までは、診療時間が長く1時間遅れで診療されることも多かったが、この病院は患者数が多いせいか1人当たり5分以内の診療が通常だ。 だからといって事務的なものではなく、血の通った医師や看護師が多く、私の細かい日常生活を心配してもらったり、薬

          老婆と「目が合った」

          『あなただけの怪談』:『ピロン。』

          ある方に依頼された怪談です。 これがフィクションのままか、ノンフィクションとなるのかは保証できません。 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 「はぁ、疲れた…」 今日も上司からキツイ仕打ちを受けながらなんとか仕事を終え、自宅へと帰ってこれた。 泥のように体に張り付いた疲労がどんどん蓄積し、泥と私はもう一体化してしまったようだ。 「シャワー…は明日でい

          『あなただけの怪談』:『ピロン。』

          『あなただけの怪談』を作ります。

          ツイッターでも固定ツイートしているんですが、noteでも宣伝いたします。 しばらくの間、『あなただけの怪談』というものをやろうかと思います。 内容 『あなただけの怪談』とは、私が依頼主の方からざっくりとした自己紹介と 怖いと思うモノをヒアリングして、特注の怪談を作るという企画になりま す。 必要な情報は ・自己紹介(年齢・性別・住んでいる地域)→20男関東とかでもいいです。 ・怖いと思うモノ(出来る限り具体的な体験やエピソードのあるものが好ましいです。)→例:昔見た貞

          『あなただけの怪談』を作ります。

          唯一の実話怪談

          序章 最近、思う。 私の書いている作品は「ホラー小説ではなく怪談であるな」と。 決してそれに気づいたことでネガティブな気持ちになるわけではないが、自身の中でもやもやとしていた感情が少し整理された。 個人的な印象において、ホラー小説と怪談では、後者の方がよりリアリティを求められる。 私は、リアリティのあるホラーが刺激を感じて好みである。 だからこそ、今回は私が正真正銘に体験した話をまとめてみたいと思う。 始まり 2021年8月、猛暑の深夜、私は友人と通話アプリを用いて恐怖

          唯一の実話怪談

          「一番欲しいものは何ですか?」

          「続いてのニュースです。最近頻発していた各病院に現れていた不審者の続報です。 不審者の正体は、鈴木光容疑者であり、現在身柄を拘束されているようです。 「警察に対して、容疑者は『人が本当に欲しいものを知りたかった』等という意味不明な供述をしており、責任追及が出来るか調査中のようです。同時期に起きていた無差別傷害事件にも関与している可能性もあるため、今後も続報があり次第お伝え致します。」 「無人島に一つだけ持っていくなら何を持っていく?」 「そうだねぇ。有機物でもいいの?」

          「一番欲しいものは何ですか?」

          やまがみや

          「やまがみや、やまがみや、宜しくお願い致します。  のやきにさせてもらうんで、宜しくお願い致します。」 知らん爺さんが俺の留守の間にインターホンに残していたメッセージだ。 何を言っているのかわからないし、インターホンにどうやって残したのかわからない。 本来、TVインターホンに映像が残る場合は、家にいるモノがインターホンに応対することで録画される。 もし応対しなければ、インターホンから青い点滅がでて、映像だけが残る 俺は仕事から帰ってきて、インターホンから青い点滅が出

          やまがみや

          歯は儚い 骨を大事に 

          いたっ… 深夜、パソコンでネットーサーフィンをしていたら 左奥歯に電撃が走ったような痛みが走った。 「虫歯…?」 結構丁寧に歯を磨くので、ここ5年以上歯医者には通っていないし、今日まで歯に違和感を覚えてこともなかった。 ツキンッ いたっ 近くにあった綿棒でその痛みを発している部分に押し当ててみた。 ペキッ 口の中で何かが壊れた音が聞こえた。 「え、歯でも欠けた?」 焦って口から綿棒を取り出し、その音を取り出した。 陶器。 多分、茶碗とかに使われてい

          歯は儚い 骨を大事に