旅

今私は電車に揺られ、奥多摩に向かっている。

中央線で快特に乗り、青梅まで。そこで乗り換え、奥多摩。

受験勉強に疲れて。いや「受験」ということ自体に疲れてしまった。

そこで私が求めたのは自然だった。

本当は三日前に一度行こうかと思ったが、雪で断念。

リベンジ戦の今日は、超晴れ。

笑っちゃうくらい晴れ。

奥多摩という自然マシマシにビビった都会育ちの私は厚着に厚着を重ね、ヒートテックを重ね着し、厚手のコートを着込んだ。

今、この文章は電車の中で目の前にオールバックのお兄さんにたまに睨まれながら書いているが、暑い。

コートを脱ぎ捨てたいくらい暑い。

しかし、停車駅に止まりドアから流れてくる冷たい風を感じると厚着は正解だったと思う。

都会のビル群から住宅地へ、今はもう田舎と言って差し支えない所に来ている。

家と家の隙間から山が見えてきた。

まだ少し雪を被っている。

今住んでいるところでは絶対見られない景色。素直に感動。

あ、睨んできたAK-69さんにちょい似ているお兄さんが降りた。

こんな田舎に何の用があるのだろう。

というかここまで電車に乗っている人は、なんの用があってここまで来ているのか。

仕事の人もいるだろうし、通学のために乗っているもいる。

私みたいに、何かに疲れた人もいるだろう。

ラジオを聴きながら電車に揺られたまに風景を眺め、文章を綴る。

あーあ素敵。