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『23年ベスト:映画編』未満の映画に関する雑記

今年も全然映画館に行くことはできませんでした。

ただ自分の中では比較的近年公開された作品を多めに観た方だった気もします。

と言うわけで、2022年から23年に日本公開された作品限定で特に良かった10作とその他観た作品(思い出した範囲で)を以下にリスト化します。

(旧作等、一部を除く各作品に軽くコメントしてますが大したことは書いてません。)

1.トッド・フィールド 『TAR/ター』

ケイト・ブランシェットのキャリアハイ更新も、グラモフォンの気合いが感じられる音楽的に真面目な部分も、急にスリラーになる部分も、ラストの展開もすべてが素晴らしい。

2.ジョーダン・ピール 『NOPE/ノープ』

不気味なチンパンジーパートの導入から好き。
『AKIRA』&『エヴァ』。

3.カンテミール・バラーゴフ 『戦争と女の顔』

美しいと形容するのは憚られる過酷な状況を描いた作品だけどすべてのシーンが絵画のような映像美。
映画そのものの強度でこれ超える作品ここ2年では記憶にない。

4.パク・チャヌク 『別れる決心』

「パク・チャヌクどうしちゃったの?老境か?」と思うほどに過激描写は抑えめ。
だがそれが良い。

5.シアン・ヘダー 『コーダ あいのうた』

エミリア・ジョーンズが主演女優賞。
The Shaggsのレコードが二回も出てくる!

6.ポール・トーマス・アンダーソン 『リコリス・ピザ』

アラナ・ハイムとクーパー・ホフマンをキャスティングした時点で勝利が確定したような映画。

7.ポール・ヴァーホーヴェン 『ベネデッタ』

聖職者の同性愛の物語かと思って観たら実は破戒修道女の闘争のお話でビビりました。

8.ジュリア・デュクルノー 『TITANE/チタン』

『クラッシュ』のボディホラーバージョン!
こんな話で感動させるの有りなのか?

9.マリア・シュラーダー 『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』

キャリー・マリガン(『プロミシング・ヤング・ウーマン』に続き絶好調)とゾーイ・カザンの抑えめながら不屈の意志を感じさせる演技が良い。

10.セリーヌ・シアマ 『秘密の森の、その向こう』

大傑作『燃ゆる女の肖像』のあとに驚きのミニマルな作品。

【その他今年観た映画】

デイミアン・チャゼル 『バビロン』

トータルではあまり好みでは無いのだけど、マーゴット・ロビーは良かったし(特に蛇のシーン)、脇役のジャズ・トランペッターとサイレント映画歌手のエピソードも良くて、忘れ難さがある。

オリヴィア・ワイルド『ドント・ウォーリー・ダーリン』

オリヴィア・ワイルドは役者としても監督としても才人。
フローレンス・ピューが別次元の『ミッドサマー』な世界からめでたく帰還する映画。

ジャック・オーディアール『パリ13区』

ノエミ・メルランとジェニー・ベス目当てで観たらルーシー・チャンがとても良かった。

スティーヴン・スピルバーグ 『フェイブルマンズ』

良い映画だと思うけど、映画をエンタメとして、アートとして観ることを難しくしてしまう程に現実は醜い。
でも現実に抗えるのもアートなんだよね。

ベス・デ・アラウージョ 『ソフト/クワイエット』

90分間あれば地獄に至ることができることを証明する映画。

コゴナダ 『アフター・ヤン』

冒頭のダンスシーンだけ何度もリピートしちゃう。

クリント・イーストウッド『クライ・マッチョ』

イーストウッドの終活エンド。
イーストウッドはまだまだ撮れそうだな。

レオス・カラックス 『アネット』

この世で最も先鋭的なミュージカル。

ジョセフ・コシンスキー『トップガン マーヴェリック』

80年代的ドラマの典型をここまで堂々と蘇らせる手法にエンタメの神髄を見た。

庵野秀明『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

自分の中でエヴァに区切りがついた。
マリ最高。

ヨアキム・トリアー『わたしは最悪。』

「共感の声が殺到」ってのはちょっと嘘だと思うけど「最悪」ではない。

ペドロ・アルモドバル『パラレル・マザーズ』

いつものアルモドバル。
話が幾分強引ながら映画の強度でねじ伏せられる。

マイク・ミルズ 『カモン カモン』

諸々これぞ”マイク・ミルズの映画”って感じ。

スコット・デリクソン『ブラック・フォン』

マデリーン・マックグロウがベスト妹ーティスト賞受賞。

ジェイソン・ライトマン 『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

2016年版とうまくリンクさせられないかずっとモヤりながら観てた。

【その他過去作等】
旧作だとやっぱりベルトルッチ『暗殺の森』。
あまりの傑作ぶりに今更ながら慄いた。

ベルナルド・ ベルトルッチ『暗殺の森』

ジャン=リュック・ゴダール 『ワン・プラス・ワン』

リリアーナ・カヴァーニ『愛の嵐』

ジャウム・コレット=セラ 『エスター』

以下は再見。(どれも好き。)

今 敏 『PERFECT BLUE パーフェクト ブルー』

マチュー•カソヴィッツ 『憎しみ』

バイロン・ハワード/リッチ・ムーア 『ズートピア』

こんなところでしょうか。

こうして眺めてみると観たかった映画の3分の1も観てないな、と感じます。(劇場で観ないといけなかった作品を除いても『グリーン・ナイト』、『RRR』、『MEMORIA メモリア』、『ニトラム/NITRAM』あたりは今年観ておきたかったですが。)

取り敢えず、来年はカウリスマキのBlu-rayボックスから少しずつ観ていって、余力あれば『枯れ葉』も観に行ければと思います。

-END-


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