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【心で見えるものも変わるのかも】



 始業式にどんな心構えで臨むのか。

 「節目」に行われる儀式的行事。結婚式、お葬式、入学式、卒業式。どれも人生の中で一つの「節目」であり、新たな一歩を踏み出すタミング。
 
 「竹、節ありて強し」という言葉があるように、竹はとっても成長が早いし植物で、「節」を利用してぐんぐん伸びていく。

 この「節」である始業式。その式にどんな心構えで臨むかによって、その後の成長度も変化すると思います。面倒くさいなあという心や態度で臨めば、目線は落ち、姿勢は崩れ、本来平等にあるはずの成長チャンスに気づくことができないでしょう。逆に、「2学期も成長するぞ!」という心でいると、自然と顔が上がり、表情も明るくなり、姿勢クッとよくなってくる。心と体はつながっているのです。
 で、自然と視野が広がり、受信できる情報が増えるわけですから、成長チャンスに出くわす回数が増えるでしょう。

 目の前子どもたちは、「一学期よりもさらに成長するぞ。」「一学期が仮に100点であるとするならば、120点を目指すぞ。」そんな心構えだったと思います。
 「自分たちで、並んで体育館に移動し、再度体育館で整列する」は、すでにできていました。一学期の時点で。100点です。では、120点はどんな姿なのか。

 より素早く。より静かに。整列するだけではなくて、より良い姿勢で座る。顔を上げて話を聞く。起立や着席のスピードを上げる。きっとそんなことを考えていたと思います。
 子どもたちの姿から一目瞭然でした。
 
 やはり、こういう心構えで臨むと、自然と顔が上がり、チャンスが舞い込んでくるものです。現に2つほどチャンスを早速掴んだなと思う場面がありました。

 一つ目は、移動の際。
 1、2年生と渡り廊下で、移動のタイミングが重なりました。その時に、「まって、先行かせてあげよう!だから待とう!」と、声が掛かり、パッと4年生の列が止まりました。
 先頭にいた子がまず気づいたのです。
 もし仮に、面倒くさいなという心で歩いていたら、きっと顔が下がり、目線が下がり、他の学年とタイミングが重なることにすら気がつかなかったかもしれません。自分のことしか考えていないようでは、「ゆずる」は、なかったでしょう。
 
 ポジティブな心で始業式に向かっているから、自然と顔が上がる。そして「1、2年生とタイミングが被りそう!」の情報が入り、さらに「人としてさらに成長しようという心」をもっているから、「ゆずる」という判断になったのだと思います。
 
 その瞬間、「すごいなあ。」とは、あえて褒めずに待ってみました。「当たり前の質」を上げるためにそうしてみた。「それくらい当たり前ですよね?」という表情の子が多かったのも、理由の一つ。ここで安易に褒めることで、「褒められるためにやった行動」かのように映り、せっかくの自発的な行動の価値が下がってしまうことがあると学んだ夏。だから、いち早く気づいた先頭の子と目線だけ合わせ、小さくうなずきました。ちゃんと見ているよというメッセージ。そこの子も「ですよね☺️」という表情。

 二つ目は、始業式終了直後。5、6年生はサッと立ち上がり体育館の片付けや窓閉めに。
 その時に、「自分もできるかも!」と周りを見渡し、窓を閉めにいく子が3人。一学期の終業式のときは1人でした。やっぱり心構えで、見える景色は変わるのです。
 キャッチできるチャンスの量も変わるのかも。
 「節目」を大切にしたこの子たちは、ぐんぐん伸びていきそうです。

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