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【たかが給食準備、されど給食準備】 



 毎日必ず訪れる給食準備。

 この給食準備は、単なる「食事の準備」以上の意味をもっていると思っています。

 給食準備にかかる時間と、学級集団としての成長は通ずる部分があるのではないかと思っているからです。

 結論からいうと、「一人一人に当事者意識が芽生え、豊かな協力が生まれる集団」であれば、自ずと準備にかかる時間は短くなると。

 だから、学級集団としての成長を通ずると考えるわけです。

 給食の準備を細分化して見てみると、
 
 ○自分の机を動かす
 ○自分のランチマット、歯ブラシコップを準備する
 ○手洗いうがい
 ○給食当番は白衣を着る
 ○配膳台を出す
 ○布巾で台拭きをする
 ○食器や食缶をワゴンから配膳台へ運ぶ
 ○配膳をする
 ○配膳されたものを運ぶ
 ○片付けのために、カゴなどをセッティングする
 ○白衣を脱ぐ
 ○いただきます

 ここに書いただけでも、ものすごい工程を踏むことが分かります。
 
 これを誰かだけが一生懸命やったのでは、多分の時間を有することは想像に難しくありません。
 より短時間で作業するには、相当の協力とそれぞれの当事者意識が必要だというわけです。
 最近の様子を見ていると、一段と腕を上げたなという印象。

 何も考えていない人はいない。全員がそれぞれ何か考えて動いている。
 
 それも、固定した役割を設定してません。その時々で、柔軟に自分ができることを変化させている。これってもすごいことだなと思うのです。
 
 3年生の初めの頃は、価値規準の多くが私にあったと思います。
 「今、準備の時間なのにおしゃべりしているのはどうだろう?」
 「座っている間にできることはないかな?」など。
 その都度、振り返り「より良い行動ってどんな行動だろう?」と一緒に考えてきました。
 スタートは他律の側面が多かったということです。

 でも、自分を振り返り、集団を見つめ直し、「より良い」を考える積み重ねをすることで、今は、少しずつ自分の中に「規準」が生まれつつあるように思います。自分で規準をもち、それに即して判断することを「自律」といいます。
 
 だから、みんなで一斉に動くことができ、その時々で柔軟に行動を変化させることができるのだと。

 4時間目終了のチャイム。
 配膳台が出されると同時に、台拭きが後を追い、食缶や食器がその後に続いて並べられる。配膳のセッティングにかかる時間は、わずか40秒。
 その後に、どんどん回って給食をつくっていく。それと同時進行で、牛乳や小袋などは配られていく。
 ワゴンが到着して、いただきますまで最速3分49秒。

 3年生の頃、12分で喜んでいたのが懐かしい。

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