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はじめてのドリップコーヒー。シングルオリジンとブレンド。

第1回はファーストウェーブからサードウェーブまでのコーヒーの流れをおさらいした。

全体像を理解することで、なんとなくになっていた情報が整理できたのではないだろうか。

第2回となる今回は、コーヒーショップで目にすることの多いシングルオリジンコーヒーとブレンドコーヒーについて解説していく。

先に申し上げておくが、サードウェーブが流行している今、シングルオリジンこそ正義と主張する人も多いだろう。しかし、シングルオリジン、ブレンドそれぞれに良さがあり、完全に好き嫌いの問題なので、先入観は1度捨てて最後まで読んでほしい。

それでは見ていこう。

01_シングルオリジン

スペシャリティコーヒーの代名詞として、シングルオリジンという言葉が日常的に使われるようになったのは、ここ数年のことである。
※スペシャリティコーヒーとシングルオリジンを同義として使用することも多い。

もちろん、数十年前からシングルオリジンを指す言葉は存在した。それは、グルメコーヒーやプレミアムコーヒーという名称で呼ばれていたが、さほど注目されておらず、読んで字のごとくプレミアムなコーヒーという認識だった。

シングルオリジンというのは、国や地域といった大きなカテゴリーではなく、農園や生産者、品種や精製方法など細かな単位をベースに販売されるコーヒーのことを指す。

コーヒーショップで豆を購入する際、生産·収穫時期·輸送·管理方法·最適な焙煎度合が記載されているモノを見かけることがあると思うが、それは基本的にシングルオリジンという認識でいいだろう。

シングルオリジンの最大の特徴は、前述の通りトレーサビリティーに優れていて、限りなく透明性の高い、生産者の顔が見えるコーヒーである。非常に厳しい管理体制のもとに作られた豆が提供されるため、鮮度や品質が確認しやすく、ブレンドと比べて豆が本来持っている性格が感じやすいコーヒーを味わう事ができる。

シングルオリジンとセットでストレートコーヒーも説明せずにはいられない。よく混同しがちだからだ。

ストレートコーヒーは産地や品質が統一されているコーヒーのことだ。 単一品種のコーヒー豆でも統一されている点はストレートコーヒーもシングルオリジンも同じであるが、単一品種同士を混ぜて出荷されていることも多い。

~家という家族単位ではなく、~区出身というエリア単位でまとめられているというと分かりやすいかも知れない。

ブレンドしているわけではないものの、同じ区画で採れた豆ではないため、シングルオリジンに比べてばらつきがあり、それぞれの豆の特徴が出るというよりお国柄が反映される豆が多い。

セカンドウェーブを牽引した、スターバックスもシングルオリジンが販売されているが、厳密にいうとストレートコーヒーをシングルオリジンとして定義している。大手になればなるほど、かなりの数を販売しなければいけないため、スペシャリティコーヒーだと、価格も高すぎるし、ロット数も少なすぎるのだ。

コーヒーショップによって定義は異なるので、気になる人はスタッフの方に訊ねてみるのもいいかもしれない。ストレートとシングルオリジン、混同しやすいが覚えておくと便利だろう。

02_ブレンドコーヒー

シングルオリジンに対して、ブレンドコーヒーは複数の品種でブレンドされているコーヒーを指す。

シングルオリジンに比べて、味の調整がしやすくマイルドな味わいが特徴だ。ファーストウェーブの主流はブレンドコーヒーだったこともあり、安価で低品質というネガティブなイメージ持っている方もいるかもしれない。

しかし、異なる品種を混ぜることでシングルオリジンには出せない味わいや香りのバランスを楽しむことが出来る。
日本では、ブレンドコーヒーにこだわるコーヒー好きも多い。

サッカーで例えれば、ストレートコーヒー(シングルオリジン)はバルセロナ。ブレンドは世界選抜といった具合か。

コンセプトがしっかりしているチームであればあるほど、最大限の特徴を活かし洗練されたサッカーができる。しかし、様々なエリアから選手が集められたチームはルールの縛りが少ない為、それぞれの特徴を持って長所を活かし短所を補う事ができる。

どちらが好みかは人それぞれではあるものの、どちらも魅力的であることには違いないだろう。

最近では、サードウェーブのカウンターからブレンドにこだわるお店も増えてきた。

これまでは、ロスが少なく安定的なクオリティーで提供出来るメリットを感じブレンドコーヒーを置くお店が多かったが、今では、サードウェーブの流れから、よりコーヒー豆にこだわるようになり"最高ランクの豆 ×最高ランクの豆"で配合したスペシャルなブレンドが提供されている。

東京の最先端コーヒーショップでは、クリスマスブレンドと題して期間限定でブレンドコーヒーを販売しているお店が多い。
シングルオリジンに飽きてしまった方は是非1度飲んでみてほしい。

そこにはシングルオリジンには表現出来ない世界が広がっているだろう。

03_最後に

"ヒグビーの7つの理論"曰く、人は新情報を旧情報に結びつけて記憶する習性があるらしい。

今回は、シンブルオリジンとブレンドをどうまとめるか考えていたところ、いつしか洋服に結びつけて考えていた。

シングルオリジンはモード。ブレンドは原宿系。

シングルオリジンはヨウジヤマモトのように、豆自体にこれでもかという主張が感じられる。好きな人は好きだろう。しかし、そうでない人は全く受け付けない。

それに対してブレンドは、一見保守的でカジュアルな側面もあれば、そのパンツにそのジャケットを合わせるのかといった斜め上の合わせ方をしてくることもある。普段なら絶対受け入れないそのスタイルが、妙にしっくりきたりするのだ。

ブレンドコーヒーは、保守的なスタイルから挑戦的なスタイルまで、そのコーヒーショップの色を反映しているように思える。

確かにシングルオリジンオリジンもいいが、お気に入りのコーヒーショップの色を感じたければ、あえてブレンドを頼んでみるのも悪くないだろう。

今回は、シングルオリジンとブレンドに関する基礎知識を解説させていただいた。

次回は、いよいよコーヒー豆について解説していく。

膨大な量になるかと思うが、コーヒー初心者には是非読んで欲しい。

それでは。


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