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国債の半分は空売りに近い?素人の心臓に悪い話

我が家は撮影旅行など外出しなければ朝からテレ東のモーニングサテライト、モーニング+に始まり、プラス9とWBSのテレ東で終わる。そして私は日がな一日中日経新聞などを読みつつブログを書く。そんなサラリーマン家庭である。
その家庭をびっくりさせた記事を取り上げて、別の記事も参照しつつ素人なりに感想を述べていきたい。

…本当ですか?!日銀の保有国債の半分は空手形に近いじゃないですか!

上記記事の報を受けた直後、軽い眩暈が起こる程の衝撃が走った。
一時的な手法として取られる長期債の指し値オペが4月半ばから今日まで続く異常事態に覆いかぶさる現実が突きつけられた。

海外からの金利上昇圧力を受けた長期債の利上げ抑制策の結果がこれである。
既に発行済みの債券を買い取る指し値オペの手法は、素人目からすると株式などの空売りにも見えて仕方ない。この指し値オペに更に買い注文がかかるところを見ると、差額益を投資家がが空売り・ショートカバーの手法をイメージして狙ってもおかしくはないと思われるからだ。
それは、日銀がイールドカーブ・コントロールと呼ばれる現在の金利抑制政策を近日中に維持できなくなるであろうことを市場参加者が予想して動いていることを意味していると記事中でも謳われている。

いいのか、それで。

確かに諸外国に比べると中央銀行の長期債の金利は圧倒的に低く、金利政策も利上げの動きに反したものである。
それでも6月16〜17日に行われた金融政策決定会合の中では2%の物価安定目標を達成されるまでこのまま金融緩和を続けるべきとの意見が多く出たという。
金融緩和は「企業による持続的賃上げを後押しするために有効」との見方が多かったそうだ。
そこでも言われ続けていたのは消費者物価の上昇率が前年比で2%に達したものの、インフレは一時的なものであるとする向きが多かったということである。
足元景気に効果を示す労働者への還元が見込まれることにより、経済を下支えしていくという大義名分が成り立つことを意味するのではなかろうか。

総務省が6月24日に発表した5月の生鮮品を除いた消費者物価指数(コアCPI)の上昇率は前年同月比2.1%、5月の生鮮品を含む総合指数においては2.5%の上昇となっている。
この数字を受けた消費者心理はどうかというと、年齢別消費者態度指数において30代や40代の1ポイント近く上がってはいるものの、60代は2.2ポイント、70代以上においては2.8ポイント下がり高齢者にとって物価高が消費行動に痛みを伴うものとなっているようである。

それでもなおもインフレが起こっていないと言えるのであろうか?
一時的なものと言えるのであろうか?
これから先、円安が加速することは日銀の金利抑制政策がこのまま続くのであればより加速し遂にはスタグフレーションを起こしそうであるし、輸送コストや原料コストはかさむ一方であろうから現段階で既にインフレと言えるのではなかろうか。

しかし、昨日の日経新聞記事に報じられていたところでは、夜間取引において海外勢による円の取引が多く更なる円安・ドル高を主導とある。この流れは海外の投機筋によるものとの見方である。その背景とされるのが日米の金利差のようだ。安全バルブの役目としてきた金利抑制政策の指し値オペが招いた結果が日米の金利差拡大と円安・ドル高に繋がっていくという見解である。

ああ、心臓に悪い。
単なる物価高にとどまらず、円売りは日本を売るのかという言葉を思い出す。
そんな海外からの投機筋に転がされる日銀の抱え込んだ空の紙切れが5割とは。

米国経済のリセッション場面が到来してFRBの利上げがマイルドになり、イールドカーブが緩やかになるまで心臓が痛い日々は続くのであろう。

さてと、コーヒー片手に一服の紫煙で人心地つこう。


データ等に関する詳細についての論証は、下記日経新聞記事をご一読されることをお勧めする。

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