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素人の目で見た米国経済の景気後退

常日頃、一向に成長しないながらもマーケットを眺めている訳であるが、この所騒がれている米国経済のリセッションについて素人目で綴りつつ、今週のマーケットはどうなるんだろうという点について日経新聞の記事を参照しつつ書いていきたい。

私は日頃日本のマーケットをマクロ経済を学習するためと、いつか充分学んだあかつきには、つみたてNISAを始めるべく眺めている。そのマーケットであるが、米国経済とは切っても切れない関係にある故に気にしている。
米国経済を見るうえで私なりに注目しているのは、米国住宅着工件数であったり、住宅価格である。

その住宅価格を示す4月の住宅価格指数が、前月比で1.6%、前年同月比で18.8%の上昇を見せているのだ。上昇率そのものは前月より低下しているものの、在庫の低迷から過去最高水準の伸びが続いているというのであるから、インフレの始まりを示しているのではなかろうか。また、FRBの利上げによって住宅ローンの上昇が続いているという。そして、住宅市場も主要20都市の住宅価格は3月に前年同月比で21%上昇したそうだ。金利上昇が上手くいけば、ダブついた在庫により住宅価格そのものの伸びが抑えられていくのではという形で強気のFRBによる利上げがあるのであろう。その都度海を超えた日本でもマーケットが敏感に反応するに違いない。
なお、中古住宅販売市場でも販売数は減少ではあるが、価格において過去最高という。そこで、サブプライムローンの一幕が頭をよぎる。本当に頭の痛い話である。

その一方で、6月の消費者信頼感指数(1985年=100)というのがあり、98.7と前月から-4.5ポイントと大幅に下がったそうだ。それと6ヶ月先を見通す「期待指数」は7.3%減の66.4と2013年以来の低水準となり、米国民も先行きについて不安視している証左であろう。
実際に自動車や住宅、家電の購買意欲は年初から冷え込み、この傾向が続くと見られていることから、いよいよ景気後退が始まりかけているのかと思った次第である。

また、米国の5月個人消費支出(PCE)物価指数に注目すると、総合指数が前年同月比で6.3%上昇しており、伸び率は横ばいであったという。
市場予想は6.5%の上昇であったが、食品・エネルギーを除くコア指数の上昇率は4.3%と3ヶ月連続で縮小した。前月比の上昇率は0.3%で前月から横ばいであるが市場予想は0.4%であった。
これらの数値はFRBが物価の指標として重視しているものであり、基調を見るうえではコア指数が重要となっている。
ただ、私が思うにはこの数値では必ずしも足元の景気の判断がつく数値とは限らないと見ている。なぜならば、米国の一部の富裕層の数値が反映されてしまっては、大多数の国民の動向を示すものとはならないからである。
ということで、FRBのタカ派の行動原理はかえって景気を後退させる要因になりはしないかと思われる。

ただ、悲観的にならずに済む点としては、米国の家計や企業、金融機関の財務状況が極めて良好な点である。なかでも家計が保有する資産は3月末で167.9兆ドル(2京2700兆円)と過去最高水準にあるが負債は18.6兆ドルであることだ。
故に、消費が落ち込んでもダメージは比較的少なく、金融危機を起こす危険性が低いため不況の振幅は小さく済むのではないかと見られている。ただし、長期にわたる可能性を帯びているようだ。

よって、景気後退はひたひたと忍び寄っており、もはや始まっているかもしれないと思うところである。だから、いつも大きな下落で小さな反発を繰り返している最近のNY市場は強いドルを生み出せども、ファンダメンタルにおいては心許なくなってきているのではなかろうか。

今週は8日に米国雇用統計が公表される。これは景気判断材料として大変大きな数字であるために、月曜から市場が敏感になることであろう。
何はともあれ、景気動向がナーバスになっていることに違いないので、私としても気をつけて見守っていきたいと思う。


参照したデータ及びそれに基づく論証は下記日経新聞記事をご一読されることをおすすめする。

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