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仔ねこ物語 〜その12〜

近頃はすっかり寒くなって、冬支度をそろそろ準備するような気候であるが、皆様はいかがお過ごしであろうか。
我が家のねこ達はひたすら暖を求めて彷徨い、お気に入りの空間を見つけてはお昼寝をする毎日である。(おかげで冬毛でコロコロしているのか太ったのか分からない状態だ。)
前回のその11から随分時間をおいてしまったが、この仔ねこ物語はお転婆娘のくるみちゃんの成長日記的のようなものであり、その12では、前作から時が経たない状態で書き連ねていきたいと思う。

2019年のとある日、すっかり我が家の一員としてスクスクと育っていたのだが、1ヶ月前にシラミが大量発生したため病院でお薬をもらっていた。
それで、その日は診療日のため市内のかかりつけ動物病院へ赴く。

「あらー、大分シラミは少なくなくなりましたね。それでも卵がまだあるので1ヶ月後にまたお薬塗りに来てくださいね。」
「そうそう、こんなに大きくなったのでワクチンを打ちましょうか。」

あららー、くるみちゃんにとって「にゃん生」初のお注射だ。
大丈夫かなー?(ドキドキ)

プスっ!
・・・? 大人しい。初めてのお薬の時は散々暴れたのに。
「いい子ですねー!(言われてまんざらではないくるみちゃん)
それでは、数日は安静にするようにしてください。(出来るんだろうか?)」 

帰りの車中のキャリーでは死ぬー!って勢いの悲鳴じみた鳴き方で大暴れ。
(センセイ、だから無理ですって。)

はぁ。市内の病院なのにやたら遠く感じた帰り道。
さて、家に着いたよ!くるみちゃんお疲れ様。
キャリーを開けるやいなや、すかさず自分のお家へ「自主的に」帰っていったくるみちゃんでした。

お薬がやたら気になるのか、やたらと苦手なはずの毛繕いをしていた。

「おかぁしゃーん、気持ち悪いよー泣」
よしよし、病院では良い子にしてたね。元気かもしれないけど、お外は今日は無しだよ。
ごめんね。くるみちゃん。

しかしながら、帰ってくるなりご飯が空になっていることに気がついた。
数日間も大人しくしてられるのだろうか。

散々暴れた後でお部屋を綺麗にしてもらった、はず。

仕方ないなー、ご飯くらいはお外でミルクと離乳食を食べてもらうか。
お昼はミルクを減らし、半分だけ飲んでもらう。
その後はケージに入ってもらうのだった。

・・・めっちゃ機嫌が悪い。
お目目三角にして、仁王立ちしている。
それでも心を鬼にしてケージから出すまいと写真すら撮らずに耐えるママ。
(写真を撮ろうとすると、ケージから出してもらえると期待させてしまうからだ。)

まー、ストレスが溜まるのか、食べること食べること。
ミルクや離乳食は美味しいだろうから分かるが、ドライフードもいつもより盛りが良くても完食するのであった。

おやすみ、くるみちゃん、また明日ね。
「おかぁしゃんのバカァー!」
しかし、その訴えも虚しくケージにブランケットをかけて閉店終了なのだった。

__________ 明くる朝。

くるみちゃん、おはよう!よく眠れたかな?
ん? 夜中用のドライフードが残っている。
どうやらお薬のせいなのか、疲れてぐっすり寝てしまったようだ。

さて、朝ご飯だよ!
「おかぁしゃん、そんなに食べられないよー」
はいはい。やっぱりいつもすこぶる元気なくるみちゃんでもお薬はキツかったのね。
そして朝ご飯はいつもより少なくしたからね。ドライフードの方がいいのかな?
と、とりあえずドライフードを多く用意して、お散歩やお遊び無しで朝ごはんが終わった後はケージに帰ってもらうのであった。

はなちゃん、デカい。(この時はダイエット前である。)

そこへ意外な援軍現る!
なんと、普段はお付き合いの無いというか、顔を合わせても追いかけ回していたはなちゃんが、ケージ越しにくるみちゃんと遊んでいる!
・・・・・・これは、スタートダッシュを失敗してしまった仲良しへの道を辿ることが出来るのか?

あらー、いつの間に寝んね?

散々遊んでもらった挙句、当の本ねこはぐっすり寝んねしてしまった。
よほど疲れたのか、お友達ちゃん(おとうしゃんの臭いが懐かしい靴下)を抱えていた。

お手手を触りたい。

ぐっすり過ぎて、ママがお手手をにぎにぎしても反応なし。
肉球の触り心地をいいだけ確かめるママ。
あー、幸せな昼下がり。

その後、良く寝て快調だったのか、いつもの1.5倍の量のドライフードを完食してのけたのであった。(横に育たないことを祈る。)

しばらくすると、にゃーにゃーと声が聞こえる。
「おかぁしゃーん!お願い、出してー!」
ごめんね、あと2日くらい我慢してね。

あれ?そういや、そろそろ1匹の体温で寝んね出来る頃だぞ。
くるみちゃんにすっかり無視されて、放置されていた保温用のペットボトルはただの場所取りに過ぎなくなっていた。
じゃ、いっそのこと今日までで片付けるか。(くるみちゃんに泣かれないことを祈る。)

広くなって実に快適そうだ。

おぉー、片付け成功。
当のくるみちゃんは快適そうに寝んねしている。
もう一つ試みたことがある。ケージにかけてあるブランケットを上側以外を開けたのだ。
保温用のペットボトルを片付けたこともあり、寒くないか問題もあったが、どうやらその心配は無用のものであった。

さてさて、そろそろ夕飯とケージの掃除の時間だ。

つぶらなお目目がたまらない。(親バカですみません。)

「おかぁしゃーん、お腹空いた−!」
うんうん、分かってるよ。ご飯にしようか。
くるみちゃん、今日からお水はお皿から飲むんだよ。
「はーい!」
ごくごくと音を立てて良く飲む。給水器は卒業だね。

ねこ様メゾネットの1F以外からは居間やキッチンが良く見えるようになって、おかぁしゃんコールが減った。(最初からこうするべきだったのかも知れん。迂闊だった。)

ケージの中で遊ぶのにも慣れたようで、大人しく過ごすくるみちゃん。
それはそれで、非常に切ないものもある。
まだまだ甘えん坊でいて欲しいと思うのは、ママだけなのかな?

これは猫飼いさんにとって最強の寝相だ。

おやおや、いつの間にか「ごめんね」ポーズで寝んねしてる。
いいんだよ、くるみちゃんはいつもごめんねする程の事はしてないよ。

・・・・・・ 鼻ぺちゃさんに拍車がかからない事を心から祈るママであった。



_________ 続く。To be continued.




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