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自分には、追いつけない。

今まで、絶対に追いつけないと思った人が何人かはいる。
その人たちの中での、二人について。

一人は、大学院で出会った先生。

すごく生意気だけど、
  大学院の先生や先輩に同期の中で、唯一追いつけないと思った人。

各先生が教える専門学問はとうてい勝てない。
でも他の部分で負けていないので、追いつけないとは思わなかった。
先輩も同期もそうだった。

ただ、その先生だけは何をしても勝てない、追いつけないと思った。
実際、追いつけなかった。

追いつけなかった理由は、いろいろある。

まず、誰よりも頭の回転が速かった。
機転と言った方がいいかもしれない。

何よりも追いつけないと思ったのは、
  私が得意としていた部分をすべて一歩も二歩も歩いているから。

今でも思い出すのは、教育問題の解決方法について相談した時だ。

先生はビジネスの実務者で、教育問題に詳しい訳ではなかった。
にも関わらず、アドバイスはあまりにも適格だった。
ちなみにアドバイスは、「イギリスの産業革命前後を調べろ」だった。


最近、追いつけないと思った人がもう一人現れた。
いや、前から知っていて、追いつけないことを改めて悟った。

その人は、経営学者の野中郁次郎先生。

デザイン×マネジメント×アカウンティングの探究の先に、
  いろいろなものが見えてきた。
人から聞いたこともないし、本でも読んだことのないような、
  ユニークな新しい発想だと思っていた。

なのに、野中先生の本を読むと、がく然とする。

同じ、いやそれ以上の発想が、野中先生の本にはある。
最近では、つい最近出版された『直観の経営』だ。

正直、読んですぐに悔しさでいっぱいになった。
でも、悔しいのも一瞬だけだった。

考え方を変えると、先か後かの話だけで、
  発想自体は間違っていなかったことに気づいた。

先か後かの問題ではなかった。
追いつく、追いつかないのも問題でもなかった。
少し先の自分を、そもそも追いつくことはできない。


問題意識を変えると、みえ方は大きく変わる。

追いつけないから楽しい。
何よりも歩む道や方向を常に確認することができるから、自信になる。

諦めるというよりも、明らかになったと思うだけで、景色は変わる。

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