見出し画像

ランドセルは薄型の時代になる。

ランドセルは、今後薄型の時代になります。その理由を今回ご説明します。

キーワードは、文科省とGIGAスクールです。

そもそも今のランドセルには2つの問題点があります。
「価格」、「重量」です。
ランドセルの価格は年々高騰し、2007年では平均購入価格が3万2000円だったのに対し、現在は約5万円まで高騰しています。ここまで高騰した理由は、ランドセルの巨大化や品質と機能の向上、デザインの細分化やブランド化によるものです。

画像1

もちろん、低価格のランドセルも存在しますが、価格帯が広がったことにより、大きな問題が生じています。それは、ランドセルによって貧富の差が顕になったことです。特にランドセルは高額ですから、貧しい家庭は、おさがりのランドセルを背負い、富裕層の家庭は、ブランド物の高級ランドセルを背負う。その現実を6年間も背中に背負いながら学校に通わなくてはいけないのです。中にはそれが原因でいじめにあうケースやママ友同士のマウントの取り合いが起こっているところもあるようです。つまり価格が高騰化したことで大きな問題が生じているのです。

次に重量ですが、重たいランドセルを背負うことは、子どもの健全な成長の妨げになります。アメリカの小児科医師会では適正な重量は体重の10~20%までという見解を示しており、仮に15%だとすると、低学年なら2〜3キロ程度になります。しかし、実際のランドセルの平均重量は7キロもあるそうです。これは、脱ゆとりにより教科書が分厚くなったことが原因です。この重量問題を解決するために、ランドセルメーカーは、軽量化と耐久性を備えた材質の研究や、大容量を可能とするランドセルの開発に力を入れてきました。そしてその結果が価格の高騰にも繋がっているのです。

実は、そうした声を受け、この問題を作ってきた文科省も、2018年にようやく重たい腰を上げました。2018年の9月に文科省は、教科書や道具類などの荷物を学校に置いておく、いわゆる「置き勉」を認めるよう、全国の教育委員会などに通知を出したのです。それにより、宿題で使う物以外は教室において帰る学校が増えました。しかしながら、この通知があまり浸透せず、現在も置き勉を認めないとする学校も多く残っているのが現状です。

本来ならば、2019年からランドセルの小型化が始まるべきでしたが、なかなか変化しないのが学校です。しかしながら、その学校が変わらざるを得ない状況が今起こっています。それは、今年から始まるGIGAスクール化構造です。既にコロナの影響で一人一台のパソコンが支給されている学校もありますが、2年以内には。全ての学校でchromebookやiPadが支給される予定です。このデバイスの重量は約1キロしますので、重量をさらに増やす結果になります。おそらく今以上に重量問題の声は高まることでしょう。そうした時に学校は置き勉を認めざるを得なくなると思います。また先進的に持ち物を減らしている学校やインターナショナルスクール、海外の実践が広く知れ渡るようになり、荷物の軽減化が行われるでしょう。

そうした先進的な学校で取り入れられているGoogle Classroomや保護者との連絡ツールを使えば、提出物や宿題のデジタル化、プリントやお知らせの簡易化が可能です。教科書も電子化され、一台のパソコンの中に入れることになるでしょう。もう重たいランドセルに悩まず、iPad一台と少しの筆記用具だけで事足りる時代はすぐそこまで来ています。そうなった時、ランドセルは薄型になるか、もしくは衝撃性を備えたリュックのようなものが流行るのではないかと思っています。

価格についても薄型に伴いランドセルの値段は下がるでしょうし、リュックのような多様なタイプが認められる時代がくると思います。
伊藤博文が大正天皇の入学祝いに送ったことで流行し、100年以上続いたランドセルの歴史にも、間も無く終わりが来ているのだと私は考えます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。














https://xn--1ck1a9fk1b7329ao74b.com/market_price/



そもそもランドセルはいつの時代からあるの?
ランドセルは、幕末時代に、オランダから伝わった革製のバックパックを軍が歩兵の装備品として採用したのがきっかけだとされています。
詳しく知りたい方は以下のサイトをご覧ください。

その後、日本全国に流行ったのは、1887年に、伊藤博文(初代内閣総理大臣)が当時皇太子だった大正天皇の小学校の入学祝いに、軍の将校にならったランドセルを献上したことがきっかけだと言われています。

ランドセルには、




ランドセルは、幕末の時代に、幕府が洋式軍隊制度を導入する際に、オランダ製の皮の丈夫なバックを取り入れたことが始まりと言われています。ランドセルの名前の由来もオランダ語の「ransel(ランセル)」ネーミングの語源も

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?