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ネットワークエンジニアの必読!実務に役立つTips 〜show tech-support〜

この「ネットワークエンジニアの必読!実務に役立つTips」シリーズでは、意外と知られていなかったり、デファクトスタンダードとして扱われているが、知ってみるとかなり便利だったり、知らない方でも何故それがそんなに評価されているのか理解してもらうことを目的として、Tipsを紹介しています。


課題

Ciscoのshow tech-supportの取得には時間がかかるし負荷がかかる

  • SSHはまだしも、コンソールだと取得終了までかなり時間がかかる

  • しかしこれは、表示するのに時間がかかっているのであって、そこを何とかすればいい

  • 知らない人は、ターミナルエミュレータでログ取りを開始して、あるいは特定の行からコピーを開始して、show tech-supportを打鍵して、ログ取りを終了するか、終点を選択してクリップボードにコピーして.logで吐き出している

  • またshow tech-supportの大量の表示内容をSSHでターミナルエミュレータに表示するため、暗号化によりリソースを食う。最悪バグだったり再起動が発生することすらあり、取得禁止の環境も多い

そもそもshow tech-supportって何?

  • show tech-supportは、保守契約を結んでいるベンダーに保守調査等を依頼する時に必要になったり、ネットワークエンジニアをやっていりゃ必ず一度は打鍵することになるコマンドの一つである

  • show tech-supportコマンドで保守調査員が網羅的にその機器の情報が把握出来るよう、その中にはさらにあらゆる「show ***」コマンドの結果が内包されている

  • そのため、全て表示され取得が終わるまでかなり時間がかかる。コンソールで取得しようものなら、5分以上かかる

対象OS

  • 恐らく全てのCisco OS

使うべきコマンド(IOS)

  1. terminal length 0

  2. show tech-support | redirect [保存先][任意のファイル名]

説明

  1. まずはterminal length 0 で画面上の表示制限を無くす

  2. |(パイプ)に続けてredirectキーワードを使用することで、任意の保存先にshow tech-support結果をファイルで保存する

  • 表示をする訳ではないので、コンソールでも数秒でファイルが生成される

  • 保存方法は、flash:に保存したり、tftp:やftp:でサーバーに転送することが出来るし、セキュリティ上少ないと思うがusbにも出力出来るため、コンソールしか使えないケースでもスピーディーに取り出しやすい

諸注意

  • この方式により、「課題」に記述したリソース逼迫の問題が、表示しない=暗号化してSSHでターミナルエミュレータに保存しないので解決できるかどうかは、場合によると心得ること

  • 下記は、show tech-supportをファイル生成した後に、画面表示した際のCPU使用率の遷移である(Cisco 891FJ-K9にて実施)

Router#show proc cpu history

 

 

 

 

                          33333333332222211111          77777

      444445555544444222222222200000222220000033333444448888822222

  100

   90

   80                                                   *****

   70                                                   *****

   60                                                   *****

   50                                                   *****

   40                                                   *****

   30                     **********                    *****

   20                     ***************               *****

   10      *****          ********************          *****

     0....5....1....1....2....2....3....3....4....4....5....5....6

               0    5    0    5    0    5    0    5    0    5    0

               CPU% per second (last 60 seconds)
  • これを見ると、ファイル生成では最大で78%、画面表示では最大で32%のCPU使用率となっているのが分かる。従って、瞬間的に機器のCPUに負荷を与えたのはむしろファイル生成であるため、最悪再起動を発生させるかもしれない、というリスクが高いのは、ファイル生成の方だと言えるだろう

  • もちろんこれは、機器のリソースやIOSによっても挙動は変わると思われるため、各自の機器で一度検証し確認して頂きたい

  • 「show tech-support、コンソールだとめちゃ時間かかりますもんね(笑)」なんて言っちゃうエンジニアがいたら、心の中でウヒヒとほくそ笑んでしまおう

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