見出し画像

2013.10.13行動の報告 by 塩見孝也

●日比谷からの10月13日の統一行動と有楽町・マリオン前(近く)の定例行動とがぶっつかリ、僕は掛け持ちせざるを得ませんでした。
 統一行動の方は、久しぶりに勢いあるもので、デモンストレーションも活気に満ちたものでした。3万を越えていた、と参加者の方は言いますし、テレビでは無視されましたが、「朝日」を始め、大新聞なども取り上げていました。 有楽町の定例の街頭宣伝も「秘密保全法案」の鋭角的な批判を起爆力として、大繁盛し、いろんな人々が飛び入りしました。

●僕は「ジグザグ会」の青年達と行動をともにしましたし、賛同挨拶もしました。
 デモにおけるジグザグデモの形態は、民衆の政治表現の当然の表現形態として、当然の権利であり、70年安保大会戦らまでの既得の権利であるものを復活させんとするのは、これまた当然の、極めてささやかな要求であること。とりわけ、安倍政権の目白押し、矢継ぎ早の、反動法案提出のやりたい放題ともいえる悪政に対しての怒りの表現である点でも、極めて当然の主張といえました。

●安倍政権のなり振リ、構わぬ目白押し、矢継ぎ早のやりたい放題の悪政の数々を以下6点ぐらいに絞り書き出してみます。

1、原発再稼動・原発売り込み、汚染水問題は「ブロックされ、完全にコントロールされている」などの大嘘。
2、TPP推進、消費税値上げ、沖縄県内基地移転やオスペル配置、改憲マップ推進、麻生太郎の「いつの間にかワイマール憲法からナチス憲法に変っていたヒットラー・ナチスの改憲手法を見習え」発言の容認とその本音的実行。
3、自衛隊の海外派兵を要とする日米安保の「集団自衛」安保への改変、その新ガイドライン設定の画策。
4、金融資本、大企業本位、金融寡頭制勢力のアベノミックスの経済路線による労働者ら民衆抑圧を梃子とした際限のない搾取、収奪の強化。一部の富める者はますますます富み、大多数の貧困者はますます貧困になるアベノミックスの経済路線の強行。
5、戦争準備と恐慌、大不況に備えるグローバリズムの金融独占資本主義勢力の利益を第一とする排外主義と国家第一の<大政翼賛政治>の際限のない追求、安倍政権の悪政は数えあげればキリがありません。
 
●6、これらに輪をかけたような、「秘密保全法案」の今国会上程。この法案は、「国家機密、秘密守るためのもの。」「その機密とは何か」を問え ば「それは秘密だからいえない。しかし、この法律を犯した者は、最高刑、10年を課すことができる」といった、「破防法を越えた戦前の治安維持法に限りな く、拡大解釈され、近づいて行ける」「平成の治安維持法」とも言える様な危険極まりない、「一大治安弾圧法」の今臨時国会上程があります。

 しかし、この法案が危険極まりないことは、その内容にあります。
 どういうことか?

 国家の機密、秘密を守る、漏らしたものを罰することができる、と称して、国家を神秘主義的なほどに、限りなく、神格化し、その<秘密>、<機密>の基準設定を超非科学的な権力者の恣意、主観に委(ゆだ)ねんとすることを内示している内容を有すからである。そのことでもって、自らである執権者、 執権勢力とその利益をあらゆる人々や集団の勢力、長に押し付け、隷属させ、社会全体を一元化し、彼らの特殊な利益を全体の利益と欺瞞的に等値せんとする内容を有すからである。このようにして、(<社会)全体>を仕切り、君臨せんとすること。
 執権勢力の長は、カミとは言わないまでも、<超人>として自らを 任じるのである。すなわち、自らが<超人>であることに於いて、独裁者として振舞うのである。あからさまに言えば、安倍晋三が、国家・「国体」を体現し、 かつてのヒットラーやムッソリーニの如く、<超人>として自己認知、僭称し、国家(=社会)の全体を一元的に支配する役所(やくどころ)、地位を自己付与するのでる。

 正に、<超国家主義>、<ファシズム>、<全体主義>といわずして、これをナンというべきであろうか? まさしく、この法案は、このような国家、社会の存続の在り様をファシズム、全体主義の原理でもって統括しようとすることを内包しているのである。
 安倍晋三は現代のヒットラーとして、独裁者足らんとし、ヒットラーがなした如く、マルクス主義コミュニストや社会民主義者を「国会炎上事件」を でっち上げ、非合法化、投獄し、抹殺しようとしているのである。これは、麻生太郎副首相、財務大臣が発言した改憲手法とまったく同じではないでしょうか!
 1933年の国会炎上事件は、ナチス・その代表者、ヒットラーの自作自演劇で、彼の配下、ゲッペルスが仕組んだことは、ニュールンベルグ裁判で立証されています。

●現行憲法は、社会存続の原理を<国民>に置き、社会の大多数を構成する、ブルジョアジーではなく、プロレタリアートら民衆が<主権者>であること。この 執権者の長やその勢力の選出、すなわち権力のシステムは主権者に従属し、その勢力の利益は主権者、国民=民衆の利益に従属、寄与すべきことを宣布していま す。すなわち、<主権在民>、<民主主義>を社会存続の在り様の基本原理とし、そこからする、社会と国家の関係の基本原理を鮮明に掲げています。これを、 法規範としては憲法の基本原理とすることを鮮明に定め、宣言しています。

 こうみてくるならば、「(国家)秘密保全法(「国家機密保護法案」ら様々な法案名が飛び出してきている)」は、社会存続と社会と国家の関係の基本原理を<主権在民・民主主義>の原理から<国家至上の全体主義>の原理に置き換えてしまわんとする目的に向けて、現行憲法原理からファシズムと権力者独裁の原理に、この法案自体がファシズム=全体主義の原理を内包することで、橋渡しするものであると言わなければならない。
 この法案は、直接的には、自民党一党独裁権力が、目白押しの反動法を上程し、民衆を抑圧し、独裁し、戦争がやれる体制構築に向け民主主義を更に破壊し、更なる搾取と収奪を強め、生活と自然環境を破壊することに対して、不可避的な大反撃が起こることを想定し、それを治安・弾圧面から予防的、先制的に押しつぶそうとして捻出されたものである。が、ひとたびこのことに手をかけるや否や、それを一歩も二歩も先に踏み込んだ、ファシズム・全体主義の原理 から、安倍達が思想、政治、理論武装してゆかなければならなくなって来ている、ことを意味します。

 或いは、現行憲法原理に立脚したグローバルな金融独占資本の利潤追求の原理やブルジョア統治原理では、(日本)グローバリズム金融資本は利潤追及をやりきれなくなっていること。それ故に、この果てとして、資本主義的利潤追求を貫徹してゆくには、本質は同じブルジョア独裁ではありながら、<ブルジョア独裁をむき出しにした>ブルジョア独裁を実現しようとしていること。そのために、経済を牛耳るグローバリズム金融独占資本は、<安倍自民党政権>と いう<ブルジョア政治委員会>を作り出した、というわけであります。
 こういう訳で、安部を頭とする自民党一党独裁の「大政翼賛政治」を創出すべく、彼らは大金を供出してきたこと、これからも供出せんとしてきているのである。
 このことは、ヒットラー・ナチスが、大躍進した影(陰)の原因がドイツ最大の金融独占資本、クルップ資本から大金を定期的に受け取る協定締結に成功したことにあったように、日本グローバリズム金融独占資本が安部自民党政権支援やそれを取り囲み翼賛する諸政党、官僚、マスコミ資本の支援に大金を投入し、バラマキ始めたことを意味します。

 一体、どれほどの支援金が、財界から、政、官、マスコミ界に流されたことでしょうか!彼らの所有する内部留保金は300兆円から400兆円に達するといわれていますが、これらの金は、労働者ら民衆の生活支援金としては、びた一文使われず、彼らは民衆から搾り取ったお金を、ファシズム、全体主義勢力に投入、使用としているのである。 一体、どれだけ、選挙資金に影でまわされているのでしょうか?政治家の殆んどは、この金で、何もいえなくなっている のである。
 しかし、この内部留保金とは何か?!これらのお金は、全て、労働者ら民衆から搾取、収奪、あからさまに言えば、僕ら勤労民衆から強奪した剰余価値、利潤ではないか!僕ら民衆が創出した剰余価値が、僕ら民衆には返付されず、このような、ファシズム、全体主義勢力に回されているのである。これが、 <大政翼賛政治>や、参議院選挙、都議選での自民党<圧勝>の真相である。

●資本制生産様式は、次の二つの構造の特質から成立しています。
 先ず第一に、互いに切り離された私的生産と社会的分業の生産関係故に、生産が、自分のための欲望実現に寄与してゆくものではなく、他人のための 欲望実現に寄与する生産様式、すなわち生産物が、交換目的の商品として生産され、市場で交換される商品交換経済社会、つまり、市場経済社会であること。ここでは、無政府主義的自由競争と交換価値、すなわち、その形態である貨幣が物神化され、貨幣が万能化される社会であること。
 他方では、価値、交換価値の対極にある欲望実現の本来物、使用価値が<単なる交換価値の素材的担い手>に堕した社会であること。

 第二は、資本主義社会は、生産手段を私的に所有する資本家階級と労働力を売らずしては生きてゆけない賃労働者の二大階級によって構成される経済社会であるが、労働力を買い取った資本家は、その労働力の使用価値の消費を、生産手段の私的所有者として、自分勝手に行い、この使用価値を、自由に処分しえることに於いて、その使用価値の消費から生ずる剰余価値を、資本の専制、労働の専制的指揮を通じて、搾取、取得、強奪しえる生産体制といえます。
 剰余価値の創造者たる労働者は、労働力の再生産に必要とされる価値だけしか受け取ることが出来ない階級であること。資本家階級は、賃労働を持って、剰余価値を利潤と称して搾取する階級であります。

 綜合すれば、資本生産は、<貨幣の物神化>、<無政府主義的自由競争>、そして<搾取>から成り立つ社会であること。この構造から、僕が上述し た1〜6の事態が生まれ、資本の下に内部留保され、蓄積された貨幣、資本が、ファシズム、全体主義の政治勢力に回されてゆくのである。であれば、安倍ファシズムの独裁政権と闘うには、このような資本主義の批判、ひいては資本主義生産様式の社会革命抜きには、労働者ら民衆は闘い得ないといえるのである。

●さて、いかにこのようなファシズム政権と闘うかである。先ずもって、先述した6項目を基本項目として、日本列島に住む労働者ら民衆、マルクス主義コミュニストや革新的社会民主主義者が、過去のいわくを乗り越え、無心となり<安倍政権打倒>で大同団結して行くことである。個別の共闘を残し、活かしつつも、この枠を越えた<安倍政権打倒>の大きな連合の陣形を創出すべく、準備してゆくことである。「市民連合」「国民連合」などの名称を変えたり、否定するわけではないが、内容的には、プロレタリアートら民衆中心で、資本主義批判−グローバリズム金融資本主義批判を思想的、理論的心棒に据え、これに裏打ちされた連合であることがしっかりと貫かれたものであること、このコトが肝要である、と考えます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?