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自分と会話するイメージから:『会話についての思索』要約1

 2022年11月20日に文学フリマ東京35に出店する。前回、2021年初夏に出した時は結局あまり読まれなかったので、出し惜しみせず、チャプターごとに簡単な要約をこちらで載せていきたい。もちろん、もともとの長文の全てを載せるわけにはいかないから、簡単に印象を述べるくらいしかできない。あえて違ったレイヤーを積極的に作っていきたい。 

 最初に〈朝目覚める体験〉について書いている。目を覚ましてから意識が徐々に固まっていくなかで、何かがうまく回り始めることで一日がスタートする。一体、”何”が回ることで人の気持ちは整っていくのだろうか?
 その”何か”は、例えば顔を洗うというような身体的な感覚であることもある。しかし、特に重要なこととして〈自分自身との会話のイメージ〉ができることをここでは述べている。
 この文章で〈イメージ〉とは、ある行動の前に頭のなかで為される予行演習のようなものである。イメージ自体は行動ではないが、イメージがあることで人は行動を実際に行うことができる。たとえ一度もしたことが無いことでも、何らかのイメージができれば、「イメージができる自分」を信じて行動に飛び込む事も可能になる。そのような例として、人前でのスピーチを例に挙げている。
 さて〈自分自身との会話のイメージ〉が重要である理由として、この文章では二重の意味で〈人間が生まれる〉状態だからだ、としている。第一に、会話ができる(言語が使える)ということ、第二に、人に出会うことのできる〈私〉を確認することができる、ということである。
 最後に、この意義を強調するために、鏡の比喩を持ち出して、これを表現し直している。すなわち、朝目覚めて鏡の中の自分を確認するのと同じようにして、言語世界のちょうど良い位置に鏡を起き、自分自身を眺めることが必要だという。 

 以上が1つ目のチャプターの要約なのだけれど、なかなか堅苦しい感じになってしまった。2つ目は〈言い訳〉をテーマにしているが、もう少し印象で大掴みに書いてみたい。

front image: a photo by Jean Baptiste ROUX
link   trimmed for upload (CC BY-NC-SA 2.0)

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