職場でトイレが同僚と被る確率

8時間労働と仮定すると、8✕60=480分

トイレは一回1分で、1日5回(大体1時間半に1回)行くとする。

つまり、社員一人ひとりは、480分の中から5分を選んでトイレに行っていることになる。

「トイレが被る」とは、この5分のチョイスが他人と被ることに他ならない。

 では、その確率を計算してみよう。

 一般的に考える。

 1からNまでの数があり、その中からM人がそれぞれr個の数を選ぶ。(もちろん、r個には重複がないと仮定する。)この時、1番目の人が選んだ数が他のM-1人の選んだ数と重複する確率を計算する。

 1番目の人が数を選ぶ方法は$${{}_N C_r}$$通りある。

 2番目の人が、1番目が選んだr個の数と重複しないように数を選ぶ方法は$${{}_{N-r} C_r}$$通りある。

 3番目の人が、1番目が選んだr個の数と重複しないように数を選ぶ方法も、同様に$${{}_{N-r} C_r}$$通りある。(3番目は2番目と数が被っても問題ないことに注意する。あくまで1番目と他の誰かが被る場合について考えている。)

 同様に残りの人も数を選ぶと、1番目と他が選んだ数に重複がない場合の数は、

$$
{}_N C_r \times ({}_{N-r} C_r )^{(M-1)}
$$

通りある。

 全体の場合の数は$${({}_N C_r)^{M}}$$通りあるから、「1番目が選んだ数が他が選んだ数と重複しない」確率は

$$
\frac{{}_N C_r \times ({}_{N-r} C_r )^{(M-1)}}{({}_N C_r)^{M}} =  \left( \frac{{}_{N-r} C_r}{{}_N C_r} \right)^{M-1}
$$

となる。

N=3, M=2, r=1とすると、確率は

$$
\left( \frac{{}_{2} C_1}{{}_3 C_1} \right)^{1} = \frac{2}{3}
$$

となる。1番目が数を選んで、2番目が選ぶ番だと想像すると、2番目は3個の中から1が選んでいない数を選べば良いから、確率は2/3と直感的に分かる。

 さて、では上で導いた公式を使って最初の問題に答えよう。

 職場にはM=30人の社員がいると仮定する。この時、貴方が1日のうちで1度でもトイレで他の誰かと一緒になる確率は、

$$
\begin{align*}
1 - \left( \frac{{}_{475} C_5}{{}_{480} C_5} \right)^{29} &=1 -  \left( \frac{197294396970}{207945120096} \right)^{29}\\
&=1 - (0.94878108646 \cdots)^{29}\\
&= 1 - 0.21767800096 \cdots \\
&= 78.2 \%
\end{align*}
$$

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