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自己犠牲は本当に正解なのか -オリガミキング-

私は今、打ちのめされています。

なぜか?

『ペーパーマリオ オリガミキング』をクリアしたからです。

いや、あの、面白かったですよ。

キャラもかわいかったし、ペーパーマリオシリーズは初めてプレイする自分としては、たくさん喋ってくれるキノピオやクッパっていうのはすごく新鮮で、へ〜こんな世界観なんだ〜とわくわくしながらプレイしてました。

なんですけどね。

オチがあまりにも、あまりにも苦しすぎて、無理でした。

しんどすぎて夜泣きしたレベル(大げさに聞こえるけどガチ)だったので、心の整理のために、このやるせなさを記そうと思います。

ちなみにすでに他の方が感想を書いてらっしゃったので、拝読させていただいたところ、ほぼ言いたいこと言ってくださってました。

まあそれでもやっぱり、自分の感情は自分で書き起こさないと、にっちもさっちも行かないので、書かせていただきます。

ちなみにオリガミキングのエンディングのネタバレについてガッツリ書きますので、これからプレイする方はここでUターンお願いします。

あと、かなり批判的な書き方になると思うので「オリキン好きだからケチつけられたくねえ」「あのストーリーのどこに問題があるんだよ」という方も読まないことをオススメします。

オリビアという相棒について

まず最初に、自分が何にこんな打ちのめされてるのかについて書きます。

今作の相棒として、一緒に旅をするキャラクター、折り紙の「オリビア」がラストで消えてしまったんです。

実質”死亡”と言っていいと思ってます。

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この真ん中でウキウキ踊ってニコニコしてるのがオリビアです。

彼女はペーパーマリオワールド=紙っぺらのキャラクターだけが暮らす世界の中で、とある人物に折られて生まれた立体的な折り紙キャラです。

その、とある人物というのが、オリビアの兄、オリー王
彼は、オリガミまつりのために、折り紙職人が「いのちおり」という技を使って命を吹き込まれた折り紙のキャラで、自分を生み出した折り紙職人に対して、とある誤解から恨みを持ってしまい、自身もまた「いのちおり」の技を使って紙っぺらの住人を支配することで、この世を折り紙のための世界に変えてやろう、という野望に燃えています。

そんな兄の野望を止めたい、というオリビアと、折り紙にされてしまったピーチ姫やみんなを救いたい、というマリオが手を組んで旅をする、というのが今作のストーリーとなっています。

で、このオリビアなんですが。

序盤というか出会いの時点では「なんだこいつ!?」という印象を受けたものの、旅をすればするほどに「良い子だな」「面白い子だな」「優しい子だな」「めちゃくちゃ良い子だな!!!!!」と評価がガンガン上がる、昨今珍しいレベルに良いキャラをしてます。

ボケた反応も、世間知らずなところも、ちょっと能天気なところも、終盤に行けば行くほど好きになる、そんな子です。兄の野望を止めようとしつつも遊園地にワクワクしちゃうところとか。

そう、愛着が湧くんです。めちゃくちゃ良い子なんです。

なのに消えてしまうんです。

兄の過ちを正して、世界を元の平和な状態に戻すために。

オリビアはなぜ消えたのか?

オリー王が自分の生みの親を恨んでいた原因は、正直言ってかなり拍子抜けな理由でした。

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なんか紙に書かれたのがすごい嫌だったらしいです。

そんなことかよとは思いつつ、まあでも折り紙のプライドってのがあるのかもね・・・ということで深くは突っ込みませんが、結局ラストでわかるのは「書かれたのはメモではなく、オリー王を折る際に職人が”オリーが優しくてかっこいい王様になりますように”とこめた祈りの文章だった」ということ。

これにはオリー王も大反省。やっちまったな。

彼は「どんな願いも叶う」という千羽ヅルを作ることで、ペーパーマリオワールドを完全に折り紙で支配する予定でしたが、事実を知って改心。

妹のオリビアに、「自分という紙を使って千羽ヅルを完成させて、心優しいお前が願いを叶えなさい」と遺言を残して倒れます。

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倒れる兄に覆いかぶさって泣くオリビア。

いやもうこの時点でそれなりにしんどいのですが、オリー王はちょっと悪いことをしすぎてしまったので、逆にこうでもならないと罪滅ぼしができないかもね、と涙をこらえつつ展開を見守ります。

さて、オリビアは千羽ヅルにどんな願いをこめるのか。

オリビアは、兄が折ったことで変わり果てたピーチ城(姫ごと縫い付けられたヤバすぎる城)を見つめます。

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↑今作の問題シーン、ベスト3に食い込むと思う図。怖すぎィ!

そしてオリビアは、こう言うのです。

「兄上の折ったものを、すべて元に戻して!」

願いは聞き入れた・・・という神龍のごとく、黄金に輝く千羽ヅルたちが世界中へ羽ばたいていき、紙っぺらたちの世界は無事に元通りに。城に縫い付けられていたピーチ姫も無事にふわふわと降りてきます。

しかし、そこにオリビアの姿はありません。

「兄上の折ったもの」の中には、オリビアも含まれていたから。

そう、オリビアは、自分の命と引き換えに、ピーチ姫を、マリオの世界を救ったのです。ちゃんちゃん。

・・・・・・・・バッドエンドじゃねえか!!!!!!!!!

自己犠牲しか道はなかったのか

今作は、折り紙であるオリー王が自分の野望のためにえげつないことをしでかしまくるという話でした。

なので、オリー王がけじめをつけるという意味で消える(死亡する)のは、まあ物語的にはしょうがないかもな、と思います。悲しいけれどね。

でも、オリビアが消えることは、本当に必要だったのか?

それだけが、私の中で純粋に疑問です。

オリー王によって折られた妹、オリビア。
彼女は折り紙ですが、「折り紙の私も、元はと言えば一枚の紙。紙っぺらの皆さんと同じです」と語ったり、悪さをしまくる折り紙に対して、マリオを手助けしたりと、唯一の良心的な折り紙です。
つまりね、マジで悪いこと一個もしてないんですよ、彼女は。

たったひとつの願いしか叶えられない局面。折り紙として城に組み込まれてしまったピーチ姫。オリビアの決断は相当に重く、苦しかったでしょう。
彼女は願いを言う前に、共に旅をしてきた戦友、マリオを見つめるのです。

おそらく彼女は、自分が消えることをわかっていて、世界を救ったわけですね。なんという自己犠牲の心。なんという優しさ。なんという愛。なんという・・・救いのなさ!!!!!!!!!!!!

シナリオーーー!!!!!おい!!!!!!!!!!!!
オリビアに救いがないだろうが!!!!!!!!!!!!!!!!
そこは「折り紙と紙っぺらが仲良く共存できる世界」とかそういう感じでフワッと終わっても良かったんじゃねえのか!!!!!!!!!!!!

とね、私はね、本気で口ぽっかり開けてね、エンディングが流れるのを見てました。ええ、期待してたんですよ。最後になんか、オリビアの元になってた紙がマリオのところに落ちてくるとか、またオリビアに会えるよ!みたいな感じのやつをね。

そういうの一切ねえんだわ!!!!!!!!!!!

ピーチ姫は、オリガミまつりの中で、オリビアに思いを馳せるマリオに「私を助けてくれたあの子のことを考えているの?私も会ってお礼を言いたかったわ」と話しかけます。そうだよなあ!命の恩人に会いたいよなあ!?
なんでオリビアここにいないんですか!?!?!?!?

なんか・・・あまりにも・・・オリビアがすべてを背負って行ってしまったので・・・私は本気で、このエンディング、もしかしてバッドかな?トゥルーがあるのかな?と考えてしまいました。

でもこれが正規ルートらしいよ。おい・・・救いはないのか・・・

キャラクターの運命と死

別に、「マリオなんだからキャラの死とか重いもんを見せるな」という話をしたいわけじゃないんです。

例えばオリー王は罪のないピーチ姫を城と一体化させたり、妹であるオリビアの命を本気で狙いに来たりと、なかなかやばいことを仕出かしているので、そこは償いが必要だと思います。

また、他にも「死亡」するキャラクターとして、2面のステージに出てくる”ボム平”くんが存在します。彼は色々あって記憶をなくしており、記憶を取り戻すための旅をぶらぶらとしていて、マリオとオリビアに出会います。

3人でなんだかんだと友情を深めていく、ほっこり道中。
しかし、そんなほのぼのな空気も続きません。オリー王が「これ以上自分の邪魔をするならば」とオリビアを岩でぺしゃんこにして動きを封じてしまう、というシーンがあるのです。

そして、ここで”ボム平”ことボム兵が取る行動は「オリビアを助けるために自爆する」こと

ペーパーマリオ、ほのぼのしていると見せかけて実は結構シビアというか、ボム兵の人生ってそういうものらしいです。「爆発して終わるのが決まっているうえで、どうやって生き、どうやって死ぬか」・・・それがボム兵なのだ、と。

ボム平は、もともと何処かで散る運命だったわけで、それが事故でたまたま爆発することなく、記憶喪失状態でマリオたちと出会い、自分が何者か、何を大事にしていたのかを思い出し、自分なりの答えとして、オリビアを助けるという行動をとりました。

オリビアは自分のせいでボム平くんが命を散らしたと知ってものすごく落ち込みます。しかし、めそめそしていてはボム平のやってくれたことが無駄になる、と奮起し、再び立ち上がります。

この、ボム平のくだりに関しては、オリビアと同じく自己犠牲なんですが、自分はそこまでショックは受けませんでした。
なぜかというとボム兵だから。

メタ的な話にはなってしまうんですけど、ボム兵って、爆発してなんぼというか、そういうキャラなので、もしかしたらそういう展開が・・・という予感があったんですよね。だから、悲しいけれど覚悟はできてたんです。

でもオリビアに関しては、まさか消えてしまうとは思わなかったんですよ。

ストーリーへの読み込みが足りないと言われればそれまでなんですが、なんかこう・・・「折り紙自体がこの世にはいてはいけない存在」とか、そういう伏線がはられていたら、ああ、オリビアも、もしかしたらオリーと一緒に消える運命なのかも・・・と覚悟できてたかもしれないんですが、自分が把握していた限りではそういう伏線が一切なかったんです。

それで余計にショックを受けてしまった・・・という。

あと、個人的には「オリビアにとって親しい仲間であるマリオの命が危険」とか、そういう展開じゃなく、物語に一切関わってこなかったピーチ姫を見て自己犠牲に走るのも、ちょっとなんか・・・なんかなあ〜・・・ピーチ姫を助けたくないわけじゃないけど、見ず知らずの姫のためにそこまでしちゃうのか〜・・・自己犠牲が過ぎるよ・・・残されたマリオ(プレイヤー)の気持ちはどこに向かえば良いんだよ・・・と思ってしまいました。

シナリオライターさんはどこまで考えてこの話を作ったんですかね。
この物語を美談として作ったつもりなら、相容れねえな、という気持ちです。暗い話として作ったなら120点満点じゃないですかね。バッドエンド大賞。ジャイアントロボOVA並み。

とはいえゲーム自体は面白い

とまあ、さんざん色々言いましたけど、なんだかんだオチ以外は良かったですし、ギミックといいキャラクターといい面白い部分は盛りだくさん、特に各面のボス戦は本当に心踊るものがあって、楽しかったです。

自分が引っかかるのは「自己犠牲は本当に正解なのか」「もう少し伏線をはれなかったのか」「真に裁かれるべきキャラクターはもっと他にいたんじゃないか(主に折り紙職人)」あたりですね。

書き出したら、スッキリした気がしなくもないです。
オリビアと一緒に世界をまわってワールドコンプリートしてくるか・・・ピーチ姫には悪いけど、ちょっと城と一体化して待っててね・・・

妙なところでダメージを負った。泥水でした。

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