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洋館の中で見つけた日記 98 【サッカーのお話】

20☓☓年。
研究所にて自分らしさを忘れてしまうP-ウイルスが流出した。
瞬く間にウイルスは蔓延。
世界はポカンハザードに陥る。
ポカンから逃れるため古い洋館に駆け込んだ。
そこである日記を見つけた。

読んでいただき、ありがとうございます。
ポカンハザードの世界で日記を書いております。
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◆サッカーについて

16時頃スパイクシューズとボールを持って近所の公園に向かう。

野球用のグラウンド。バックフェンス、土の内野、雑草の外野がある公園。

少年野球チームは練習は終わった。

つま先に穴の空いた練習用のスパイクシューズは皮が伸び、私の足にフィットする。

ボールに座り、靴紐を締める。

決まった内容のストレッチを5分ほど。

内野を対角線にドリブルで往復する。

頭の中にフィーゴやジダン、アンリの姿が浮かぶ。

足の運びが自然になるよう、足を前に伸ばしたときにボールに触れる。

走ってもドリブルでも速さが変わらなくなるために。

顔を上げボールと周囲の両方を視野に入れる。

ボールタッチの数を増やすドリブル、スピードが乗ったドリブル、指導者に教わったフェイントや緩急をつける技を1往復ごとに復習する。

小石や落ち葉、デコボコの土を印にジグザグ通る。

ボールの擦るように真横に運ぶ。同時に体も横に移し可動を広げる。ボールを横に移した後に直進し体を前へ運ぶ。

ターンやボールを高く上げてトラップなどの終わったものを全種類、両足で5回ずつ。

地面の状態がいい場所に移りシザースやドラック&スルーなど100回ずつ。

丸太のベンチに向かってインサイドとアウトサイドのパス。返ってくるボールのトラップ。

雑草の外野からバックフェンスにロングボールを両足10本ずつ。

フェンスに当たったボールを走って取りにいき、キックフェイント、ダブルタッチ、イン・シザースなどをしながら元の位置に戻る。

ここまで動くと十分に体が温まる。

身につけている技術を自由に出せる状態。

怪我の心配もなくなる。

ディフェンスが上手な選抜チームの選手をイメージ。

彼はフェンス(ゴール)を背にして私の10メール先にいる。

半身で腰を下ろし、ズルズルとついてきて簡単に足を出さない。

間合いが詰まったり、体が向いている方に進めばボールを奪われる。

スピードに乗って相手の間合いが詰まる前に仕掛ける。

イン・アウトかイン・シザースで体を向いていない方に相手を抜く。

相手が偽の方向に釣られるように大きく体を落とす。

同時に踏み込む足に力を込め、踏み出す足とともに体を前に運ぶ。

ボールを押し出す位置と角度は相手の前に出した足の近くを通す。

追いつかれないように背後にカットインし、フェンスの7本目と8本目のポールの間にシュートする。

インサイドで巻くシュートは8本目の外側に強く蹴りゴールに向かうように、インステップのシュートは低く速くサイドネットをねらって。

ふと周囲が暗くなっているのに気づく。

フェンスの奥を走る車のライトが光り、街灯がついている。

暗がりの中で普段の靴を探し履き替る。

スパイクの靴底同士をパチンパチンと打ち付けて泥を落とした。

サッカーをしていたときのお話。



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