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洋館の中で見つけた日記 39 【米国の雇用統計を考える】

20☓☓年。
研究所にて自分らしさを忘れてしまうP-ウイルスが流出した。
瞬く間にウイルスは蔓延。
世界はポカンハザードに陥る。
ポカンから逃れるため古い洋館に駆け込んだ。
そこである日記を見つけた。

読んでいただき、ありがとうございます。
ポカンハザードの世界で日記を書いております。
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◆米国の雇用統計を考える

アメリカの失業率は世界の経済の温度を計る指標の一つと言われています。

7月の失業率は3.5%、半世紀ぶりの低水準でした。

これだけ見ると景気は悪くないんだ。と思ったのではないでしょうか?

今回は新聞記事をもとにアメリカの失業率について少し深掘して考えました。

ご紹介するのは8月7日の日経新聞記事
『米失業率。喜べぬ低下、7月3.5%、半世紀ぶり水準、職探さぬ非労働力増加』

気になったのは喜べぬ低下という部分です。

この記事を読むまでは失業率が前期比で下がったため雇用環境は良好という認識でいましたが、そうとも言ってられないみたいです。

記事の内容は下記のとおりです。

雇用統計で一般に市場が重視する就業者数は企業の調査に基づく。(中略)米労働省が家計に調査した就業者数に注目した。22年3月にコロナ前比40万人元まで回復した後、7月まで伸びが止まった状態だ。(中略)2種類の調査の差が大きくなっている背景としては複数の仕事を掛け持つパートタイマーの急増を指摘する声がある。企業からの集計では一部ダブルカウントになっている可能性がある。(中略)職探しをしない人は失業者として扱わず、非労働力人口に数える。7月は非労働力人口は23万9000人増えており、そもそも労働市場から退出者が増えている様子がうかがえる。計算上は失業率が下がっても、必ずしも雇用情勢が改善しているわけではない。

つまり

「企業からの集計では複数の仕事を掛け持つパートタイマーの一部ダブルカウントになっている可能性」
→ダブルカウントによって実態の労働者数は少ない。

「職探しをしない人は失業者として扱わず、非労働力人口に数える。7月は非労働力人口は23万9000人増えており、そもそも労働市場から退出者が増えている」
→非労働力人口が増えているため、失業率の分母が減った。

ということを指摘しています。

したがって失業率が下がったが、必ずしも雇用情勢が改善しているわけではないということです。

雇用統計の結果は中身を確認しないと実態を正しく認識できないということですね。

FRBの政策は統計結果の中身によってが決まり、株価や仮想通貨などの値動きに影響します。

投資をする際は統計結果の中身も確認して、トレンドを見誤らないように気をつけていきましょう。

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