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順番が来た人、「いつも2人で」

アルバート・フィニーが亡くなった。

オードリー・ヘップバーンの事を思い出す時。そんな事は、あまりないけど、たとえば「ローマの休日」の事が書かれていたり、「ティファニーで朝食を」のポスターを見かけると、思い出すのは「いつも2人で」という映画。

「いつも2人で」の主演はオードリー・ヘップバーンとアルバート・フィニーだ。

見たのは公開十年後ぐらいのリバイバル、今は無き渋谷東急か渋谷パンテオンで見た。

かなり地味な映画だとは思うけど、すごくイイ映画だ。映画に漂う雰囲気が違う。

アルバート・フィニーの事は「オリエント急行殺人事件」で知ってはいたけど、「いつも2人」で、ハッキリ認識した。

それ以降も、主役ではなくても見かける事はあったので、思い出すことも、忘れる事も無い状態の日々・・・

それが、いきなり亡くなるというニュースを聞くと、なんかガックリ来る。

まあ82歳だ、決して若くない。

先日、作家が亡くなると時代が終るというようなnoteを読んだ。あまり読書をしていないので、擬似的な理解しか出来ない。

僕は好きな俳優が亡くなると、時代が終ると感じる、終るというより、段々と自分の番が来るという感覚になる、自分が終る番が近くなる感覚。

アルバート・フィニーを知った「オリエント急行殺人事件」は1974年製作の映画だ、あれから45年ほどたっている。

それだけでも長い。

ひとりの俳優が1本の映画で、その映画が作る雰囲気まで左右するし、人の人生に、共に歩んでいるという、すごく深いところでつながっている意識まで持たせてくれる、会ったところで話も出来ないイギリスの俳優なのに、だ。

アルバート・フィニーが亡くなったのは残念ではあるけれど、今ではどんな俳優が亡くなっても{そうか}と受け止められる。

順番が来たんだね。そう思い、自分の順番を待つだけだ。



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