中国中古ブランド品事業の「胖虎」が5000万ドルの資金調達。VCから大型調達できた背景
今回の資金調達は星納赫資本とATM Capitalが共同でリード出資し、アーリー投資家の渶策資本と彬復資本が追加投資し、凡卓資本が今回の資金調達の独占財務顧問を務める。
中国のトップブランド品プラットフォーム「胖虎ブランド品」は17日、星納赫資本とATM Capitalが共同で投資し、アーリー投資家の渶策資本と彬復資本が追加投資するCラウンドを完了したと発表した。今回の資金調達総額は約5000万米ドル。
凡卓資本が今回の資金調達の独占財務顧問を務め、易后台が今回の資金調達に財政・税務支援を提供する。
今回のCラウンドの投資機関ラインナップは美しく、いずれも消費財や新小売分野で豊富な投資経験を持ち、Bラウンドの資金調達と比べ、胖虎ブランド品の評価額は数倍に上昇した。今回の資金調達はこの領域が今年完了した最大の資金調達となる。
胖虎ブランド品（以下、「胖虎」）は中国をリードする遊休ブランド品流通プラットフォームと全産業チェーンサービス業者である。この領域での多数のプレイヤーの委託販売マッチングやプロフェッショナルなMCNなどの軽資産モデルとは異なり、胖虎は創建当初から鑑定先行、価格発見、買い取りコントロールの重資産モデルを堅持してきた。
テクノロジー主導の機能とサプライチェーンの機能を継続的に強化しており、具体的には、
・強力な回収管理ネットワーク
・流行トレンド判断
・製品価格設定アルゴリズム
・遠隔スマートブランド品鑑定評価システム
・多元的販売ルート
・膨大な高消費顧客層構築
・同社はC側とB側の顧客をカバー
・オンラインとオフラインが融合した「持続可能なファッション流通プラットフォーム」を構築
「我々は中国のFarfetchになりたい」と胖虎の創業者兼董事長である馬成氏は述べた。
胖虎1.0段階は中古取引を通じて最も閉鎖的なハイエンドファッション業界に切り込んでいる。
顧客、データ、サプライチェーンの掌握を実現し、2.0段階ではインターネット販売の遺伝子が不足している買手店、中古店、大型商人にビジネス戦闘力を与えることができる。
現在、われわれは3.0段階に入り始めており、より多くの国潮ブランド、デザイナーブランドに与えることで、中国独自のoff-whiteを作り上げることを望んでいる
と述べた。
同社は今年、「ブランドインキュベーション」サービスの発展に力を入れ、国潮ブランドに0から1までの標準化、専門化のインターネット化支援を提供し、ブランドの市場開拓に協力し、「持続可能なファッションエコシステム」の建設を引き続きリードする。
位置づけをアップグレード：持続可能でスタイリッシュな流通プラットフォーム且つ完全なカーボンニュートラル支援
持続可能な発展と省エネ・排出削減の大きな背景の下で、持続可能なファッションは近年業界の従事者と消費者にますます重視される理念と概念である。ファッション業界の年間世界市場価値は約2兆5000億ドル。
自動車と技術業界に次ぐ世界第3位の製造業である。
また、マッキンゼーが発表したデータによると、2018年の世界のファッション産業の温室効果ガス排出量は約21億トンで、フランス、ドイツ、英国の年間温室効果ガス排出量のほぼ合計で、世界の航空業界と船舶業界の2つの業界の合計よりも多い。
2019年、国連の提唱の下、43大ブランドメーカー、業界団体は「ファッション業界気候行動憲章」に調印し、2030年までにファッション業界の炭素排出総量を30%削減することを約束した。
しかし、ファッション業界の炭素削減は生産段階だけではなく、使用と流通段階にあるべきであり、環境に優しいファッション製品も遊休のため絶対的な浪費になる。
欧州最大の中古取引サイトVestiaire Collectiveの最新のブランド品ライフサイクルアセスメントレポートによると、消費者はプラットフォーム上で中古ハンドバックを購入するごとに、環境への影響を91%削減することができます。
胖虎は国内遊休ブランド品業界のトッププレイヤーとして、
専門的な鑑定を通じて中古の遊休ブランド品の価値を再評価
長期的に蓄積された正確で高消費者の顧客ベースとドッキング
一つ一つの精品を適切な買い手に売却
ファッション要素とファッション製品の価値の再構築
ライフサイクルの継続を実現
持続可能なファッションエコシステムを通じて商品の再使用を促進
遊休が環境に与えるマイナスの影響を削減
炭素の中和を助力
「中古カバンを販売するごとに約9.7Kgの炭素排出量を削減することができ、今年、胖虎プラットフォームは300万Kgの炭素排出量を削減する見込みだ。これはすでに重荷重用列車全体の積載重量に相当する」
胖虎の創始者兼董事長の馬成は記者に教えた。
以上の持続可能なファッションと環境保護理念の支持の下で、胖虎はZ世代の若者の認可と支持を穫得し、その2020年の中古ブランド品とファッション単品の流通量は15万件を超え、GMVは10億元を超えている。
また、2021年の流通量は40万件、取引額は25億元、GMVは35億元を超える見込みだ。明らかに、持続可能なファッションの理念はまた、胖虎の遊休ブランド品事業の持続可能な発展を推進している。
境界を広げるデータ能力がブランドのインキュベーションを支援
ファッショナブルフォロワーからファッショナブルプレーヤーへ
2015年に設立され、わずか6年で、中国の中古ブランド品取引市場のトッププレイヤーとなった。これは、自社の強力なチャネルの優位性だけでなく、ハイエンドのファッション消費財のトレンド、取引データ、ユーザーペルソナに対する正確な把握と分析能力に依存している。
2021年5月現在、胖虎のユーザー数は300万人を超えており、これらのユーザーのほとんどは高度なファッション感覚を備えており、同時に高い消費能力を備えている。
ユーザーの購買動向を分析することで、その季節に最も人気のあるデザイン要素、その月に最も流行した色、人気のあるデザインなど、現在のトレンド情報をタイムリーにまとめることができ、これは市場開拓の大きな助力となっている。
中国の国際的地位、テクノロジー、経済、人文と芸術などの分野の発展と強大、および工芸と設計水準の発展と反復、新世代の若いグループの中国文化に対するアイデンティティーと帰属感の向上に伴い、「国潮」はすでに燎原の勢いになっている。
同社はトレンドに順応し、自社の顧客層とデジタル化能力に依拠してブランドインキュベーションサービスに参入している。
当初は伝統的なブランド品のために取引プラットフォームを提供していたが、現在では同時に国潮のために道を開いており、胖虎は孔氏珐琅、衔尾蛇、杜桑、Color Point、BABIなど一連の国内デザイナーや国潮ブランドと深く提携し、技術、取引プラットフォーム、チャネルマーケティングの位置づけ、資金などの面でのサポートを提供し、ハイエンド国潮消費ブランドの発展を支援している。
「私たちのユーザーはファッションセンスがあり、賢く、自信があるということで一致している。」
胖虎の創業者兼董事長の馬成氏は、
「同時に、我々は我々のユーザーが何を好むかを明確にしている。我々は最も良く、最も適した中国の高級ファッション製品を我々のユーザーに紹介し、これらのブランドがゼロから1へという最も難しい一歩を歩むのを助けたい。現在、我々はすでにジュエリー、腕時計、アクセサリーの分野で非常に良い効果を得ている」
と述べた。
これらの国潮ブランドの中で、最も驚異的なのは孔氏珐琅で、これは長年の研究に没頭してマイクロエナメル技術を先導して、会社の従業員は聴覚障害者を主とするジュエリー企業で、2ヶ月以内に胖虎プラットフォームの売上高はすでに昨年の年間水準を超えている。
コアの強化アルゴリズム、サプライチェーン、サービス能力の全面的な向上
同社の創業者兼董事長の馬成氏によると、今回の資金調達で得た資金は同社の最も核心的なデータ能力とサプライチェーン能力の向上に充てる。
同社は引き続き人工知能技術の鑑定、価格アルゴリズムの訓練、スマート化サプライチェーン能力の向上に力を入れ、最終的にユーザー体験の向上を実現する。
一方、同社はオンラインとオフラインの連動と国潮ブランドのインキュベーションにおいても新たな措置を講じ、将来的には単一の中古ブランド品取引プラットフォームから、持続可能なファッションエコシステムへの高度化を実現する。
今回の投資家から見ると、若い消費者に後押しされ、持続可能なファッション分野は過去数年間で急速に増加している。
若い消費者は持続可能性への関心が高まり、オンラインショッピングやソーシャルショッピングに熱中している。クローゼット内の中古品の数は2021年の21%から2023年には27%に増加すると予測されている。2025年までに、中古ファッション業界全体の価値は600億ドルを超えると予測されている。
星納赫キャピタルの左欣·董事長は、
われわれは過去1年間、国内外の中古ブランド品業界を深く研究し、多くの消費者、大小の業者、ベンチャー企業にインタビューを行い、最終的に「胖虎」を選んで投資ポートフォリオを構築した
と述べた。主に次の3つの理由に基づいている
まず、中国の中古ブランド品業界の発展の見通しを非常によく見ている。日本がオフライン店舗数万店舗、20年で業界教育の成熟を実現してきたのとは異なり、中国のオンラインライブコマース方式はより正確で大規模な顧客獲得とより効率的なナーチャリングとコンバージョンを実現しており、これは中国消費者の教育と業界の成熟を大幅に加速させることになる。
第二に、オンラインライブコマースは中古ブランド品業界の競争構造を変え、トップ企業はトラフィックと資本に依存してより速い成長とより高い天井を実現することができ、中国の業界集中度はオフライン店を中心とする日本よりはるかに高くなると考えている。
さらに重要なのは、同社のコアチームが業界に対する洞察が深く、優れた革新力、学習力、実行力を兼ね備えていることだ。貨物をコントロールしてサプライチェーンを再構築し、ライブコマーストラフィックのボーナス機関を把握し、プライベートドメイン運営を掘り起こすなど、戦略的なアップグレードの節目で、いずれも元の計画を成功裏に実現し、業界をリードする顕著な優位性を形成したことだ。
星納赫資本は五星控股傘下の高度な能力付与型産業投資プラットフォームで、消費小売業界で30年間蓄積した高度な産業資源と複数のユニコーン企業の孵化に成功した方法論とツールセットに基づき、革新成長企業とホールディングス企業に全方位的にサービスを提供する。
ATMキャピタルは、東南アジアに特化した中国初のファンドとして、投資物流、新小売、フィンテック、産業インターネットの4大分野に重点的に注目している。
ATM Capitalの設立パートナーである屈田氏は、胖虎は中国をリードする持続可能なファッション流通プラットフォームであると考えている。
中古ブランド品分野で蓄積されたデータマイニング、価格形成、非標準品サプライチェーン組織とオンライン販売組織において、成熟した複製可能なシステム能力を蓄積した。
能力の海外進出とサービスの海外進出の二重能力を備えている。また、胖虎は中国のハイエンド消費財ラインの消費者層の10%をカバーしており、強いブランドインキュベーション能力を持っている。
ATMは胖虎に投資し、胖虎の海外進出を支援する一方で、より多くの海外消費ブランドを胖虎システムを通じて中国に持ち込むことを望んでいる。
渶策資本の創設パートナーである胡斌氏は、
「昨年の流行の間とその後、胖虎がライブコマースの2Cのモデルを拡大することに成功したことを非常に喜ばしく思う。この分野では、ますますうまくいき、急速に成長している」
と述べた。これは、サプライチェーンの端での会社の長期的な蓄積のおかげである。
つまり、ライブコマースをすることは多くの人ができるように見えるが、十分に多く、十分に良い商品があるかどうか、十分に速い出荷と反復能力があるかどうかは、会社が他の家と区別するためのコアな利点である。
もちろん、胖虎チームの学習、組織力も非常に強い。会社はコロナ中とコロナ後で、非常に良い組織の更新と反復能力を発揮し、更に多くの優秀な人材が加入している。現在から見ると、胖虎の策略は更にはっきりしており、バックエンドのS2B2Cの集荷能力と、フロントエンドの公域流量獲得換金モデルと私域流量運営能力を合わせて、すでに強大な総合能力となっている。将来的に可能なオフライン店舗モデルやブランド力付与などの新たなビジネスにも期待している。
彬復資本の尹琳毅·董事長によると、2020年のコロナ流行がブランド品市場に与える重大な影響は目に見えている。
供給側の視点：
海外旅行の遮断は国民のブランド品消費の還流を高め、ブランド側は中国市場の制品供給を拡大し、ブランド品の在庫を高め、さらに中古供給を高めた。
需要側の視点：
ブランド側の連続的な値上げの策略は中古ブランド品のコストパフォーマンスを更に際立たせた。ライブコマースの浸透率が急速に向上し、プラットフォームのトラフィックがサポートされることで、中古ブランド品の売買市場の教育がより成熟し、製品の買収や鑑定などの取引チェーンもより便利で効率的になった。
複数の要因に後押しされて、中古ブランド品市場は爆発的な成長を見せている。胖虎はこの産業チェーンの中で完全で、高効率で、信頼性の極めて高い取引プロセスを構築して、同時に更に多くの種類を開拓し、例えば孔氏珐琅、中国の伝統とファッションを結合した新しいブランドを発揚した。
2020年には会社の売上高が倍増し、2021年には間違いなく高度成長を続ける。
小食卓共同創業者兼CEOの李晶氏によると、中古ブランド品領域は典型的な売り手市場であり、その成長の主な要因は供給側の改革であり、胖虎はその堅実なサプライチェーン運営能力と商品に対する理解によって、中国中古ブランド品のオンラインとオフラインの一体化商品ネットワークを構築し、それによって激しい競争の中で頭角を現すことができ、長年100%以上の業績成長率を維持することができる。
1人当たり可処分所得の向上と次世代消費理念の高度化に伴い、中古ブランド品領域はさらに急速な成長を迎えており、凡卓資本は胖虎チームが持続可能なファッションのリーダーになることを強く期待している。
終わりに
吉川真人と申します。10年前に北京に留学した際に中国でいつか事業をしてやる！と心に決め、現在は中国のシリコンバレーと呼ばれる深センで中古ブランド品流通のデジタル化事業を中国人のパートナーたちと経営しています。
深センは良くも悪くも仕事以外にやることが特にない大都市なので、時間を見つけては中国のテックニュースや最新の現地の事件を調べてはTwitterやnoteで配信しています。日本にあまり出回らない内容を配信しているので、ぜひnoteのマガジンの登録やTwitterのフォローをお願いします。
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