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中国語学習になぜ発音と教養と努力が必要なのか?

私が北京留学した8年前と比べて最近中国語学習ブームが到来。
HSKという中国語試験もとうとう市民権を得てきた印象を受けます。
当時日本で試験を受けるとなると1年に1,2回しか開催されていなかったので、今はTOEICのように気軽に誰でも試験に申し込めるようになりました。

その一方、「とりあえず受けてみる」というカジュアル化が進んでおり、正直「あーあ、お金もったいないな、この人たち」って思っています(ぶった斬ってすみません)。

そもそもHSKで1級から4級を合格したところでただの自己満足なのでどうせなら5級を目指して受けてみたほうがいいでしょう。

「ポジショントークやん、こいつ!」

とか言う人は読まないで結構です。そういう偏屈者は多分一生勉強しても身に付きませんので。

前置きはこれ程度にしておいて、タイトルの通り今回は中国語学習についてのnoteを執筆していきます。

何より発音!発音を飛ばす人は伸び悩んで勉強しなくなる

留学以降、私に中国語学習の勉強方法を尋ねてくる方は多数いましたが、誰に対しても「発音学習」をオススメしています。
むしろ10日間でマスターする方法を教えます、とか言う人いたらただの詐欺師なので無視しましょう。

では、なぜ発音が大事なのかを説明します。

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①母音と子音の数の違い
日本語の母音はなにかわかりますよね?
「あ」「い」「う「え」「お」
のたった5つです。
一方中国語は、
a,i,u,ü,e,er,o,ai,an,ang,au,ao
ia,iu,ie,io,en,eng,ou,on,ong
uei,üe,iao,iou,uai,in,ian,uan,uang
uen,ueng,üan,üang,in,ing,iang,iong

と、36種類の母音を覚える必要があります(なにか抜けてしまっていそう)

また日本語の子音は
k(か行),s(さ行),t(た行),n(な行),h(は行),m(ま行),y(や行), r(ら行),w(わ行)
9種類ですが、中国語の発音は、
b,p,m,f,d,t,n,l,g,k,j,q,x,zh,chi,shi,r,z,c,s
20種類覚える必要があります。

まとめると、母音だけで31種類、子音だけで11種類を新しく覚える必要がある上に、子音は全く日本語と同じというわけではないので母語につられて変な発音で覚えてしまう必要があります。

②「自分が発音できない音は聴き取れない」
そして、「自分が発音できない音は聴き取れない」という前提が仮に正とするならば、スピーキングが苦手な人は必ずリスニングが苦手な人と言えます。
自分の発音できない音を聴いたとき、前後のコンテキストと今まで蓄積したデータベースをもとに脳内で勝手に似たような音を繋ぎ合わせてそれっぽい音として認識してしまいます。

遠方のものを見る時も同じです。
赤い背景に黄色い文字でマクドナルドと書いている看板があるから、「マクドナルド」と読めると思い込んでいますが、これは文字通り本当の思い込み。
確かに「マクドナルド」と書いてはいますが、これまでに蓄積したデータベースをもとに「マクドナルドと書いている」と判断をしているだけです。

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酔っ払いが記憶ないのに家に帰れているのにも似ています。
というのは、長期記憶用の脳(ストレージ)が
「この信号を右。自動販売機を過ぎたら左に曲がり、マホガニーポート渋谷という看板を見たら中に入り、エレベーターを見たら7Fを押す」
というようにインプットされています。
人間も実際のところプログラミングされた生き物です。

私は脳科学者ではないので理論上ずれた話をしているかもしれませんが、脳みそは予測変換機能とストレージに蓄積する機能があり、それを理解しておくと発音の重要性が理解できます。

自分のできない音は聴き取れないので、徹底的に発音の学習をすることをオススメします。
発音の学習は実に退屈で焦りを感じてしまうので、現地人の友達や先生を捕まえて頻繁に発音表をもとに発声練習してみると良いでしょう。

私が北京にいるときは授業が終わったら先生を捕まえて、
「発音をするから間違ってたら適宜修正してほしい」
とお願いをしていました。
おかげで、苦手な発音がどれかを見つけ出し、それを徹底的に矯正していったら、その後の学習効率が上がりました。

退屈なことだけど学習する上でのベースになってくるので、発音は必ずマスターしましょう。これに関してはHSKみたいに6割で合格みたいな甘いことは言ってられません。
間違うことは失敗でも恥でもなく、成功への手段です。
たくさんアウトプットして正しい発音を身につけるのは鉄則です。

ちなみにリスニングは苦手だけどスピーキングが得意という人は一番危険です。自分は相手に伝えていると思っているけど、それはおそらく相手がその人の変な発音を聞いて
「ああ、これのことを言ってるんだろうね、いつものことやし」
みたいに咀嚼をしているだけです。
上達をしていると思いきや、本当に上達しているのは相手の中国人の「ブロークンユニークチャイニーズ」をマスターしてしまうからという皮肉なことは往々にして有り得ます。
いつもと違う人と話をしてみると
「啊?听不懂!你说啥?!」
と言われるとき、それは発音が正しくないからと考えるのが妥当です。

語学馬鹿になることなかれ!教養無くして学習に意味はない

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例えば、街なかで中国語をペラペラ話している若い人がいるとしましょう。
中国語学習を始めたばかりのあなたはきっと羨望の目でその若者を見ることになりますし、自分もあんなくらいペラペラになりたいなぁと嫉妬心に変わっていくかもしれません。
しかし、中国語が聞き取れるようになると、その若い人が話していたことって実は大したこと話していなかったということが起こりえます。
それは特に教養のないeasy-goingな会話です。
例えば、
「你喜欢什么漫画?(好きなアニメ何?)」
「火影忍者!(NARUTO!)」
「我也是!(私も!)」
のような会話。こんな会話すぐに覚えられます。

アニメもグローバルに通じる教養だぞ!と反論されると、
「はい、仰るとおりです」
と返さざるを得ないのですが、一般教養の概念から外れていると私は考えています。
たとえ話が長くなってしまいましたが、語学をする上で大事な教養とは下記の通りです。
①歴史
②経済
③政治
④地理
⑤文化


これらは相手国の教養もそうですが、母国である日本に関しても同様に必要になってきます。

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特に、歴史と地理を知っていると中国人から面白がられます。
「你对中国的了解好厉害!(あなたの中国に対する理解はすごい!)」
と言われるようになると楽しくないですか?
歴史は特に近現代史(アヘン戦争以降)が比較的現実的な世界になっているので話を知っていると面白いですし、日本と関わりのあるストーリーが良くも悪くも多数出てきます。
中国人が歴史問題で喧嘩をふっかけてきた時に

「我不知道,因为我没学过历史(わからないです、なぜなら勉強したことがないからです)」

なんて流暢に返しても相手からすると拍子抜けで、「バカかこいつ」と思われることもあります。

「日本人は侵略してきた歴史を知らない、おかしい」
と言われることがこれまでありましたが、彼らと対等に話をするために教養は大切ですし、その理解している内容を中国語でロジカルに伝えようとするのはかなりの語学力を要します。
しかし気付けば教養人としていろんな中国人と話すことで語学力は幅広い分野で伸びていきます。

特にオススメは歴史的に有名な地域を旅することです。
私はこれまで中国を40都市ほど留学時代とそれ以降で回ったことがありますが、おかげで地理はかなり詳しく、各地の特徴や食事などをある程度理解しています。
中国人と会話をする中で必ず出身地の話になります。
その時に例えば、

「你是从哪个城市来的?(あなたはどこからきたの)」
「我是四川过来的!(四川からきたよ!)」
「真的吗?我去过四川很多次,陈麻婆豆腐真辣!你的老家在成都吗?还是乐山?(マジ?四川たくさんいったことあるよ、陳麻婆豆腐超辛い!実家は成都?それとも楽山?」


こんな会話できたら相手はテンション上がって何でも話してくれます。
旅をすることで中国大陸の中でどのような位置づけの都市なのか、物価がどのくらいで、どのような大学があるのか、どのような産業が主要なのか、などを把握できるようになるので、個人的にオススメです。中国旅楽しいからなあ...笑

中国語だけできても中身が空っぽの人間では語学力は停滞化してしまうので、少々話せるようになったからと言って甘えるのはやめましょう。
じゃないとFラン大学外国語学部が大量生産する語学バカの一人になってしまうだけです(言い過ぎた)。

なんといっても努力が大事

「頑張る」か、「頑張らない」かの二択ではなく、
「頑張る」か「超頑張る」の二択の世界ですよね。
中国語を勉強してそう簡単に身につくわけがないです。
天才だって努力をしている訳で、天才ではない人は相当の努力をしない限り報われません。

ニーハオシエシエウォーアイニー だけいいたいだけなら、何も言うことはありませんが、話せるようになりたいのであれば「超頑張る」選択肢を選んでください。
つまみ食いしたところで意味がないです。

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私の北京留学時代は狂ったように朝から晩までひたすら勉強をしていました。要するに「超頑張る」選択肢を選んでいました。
日本語を話す時間=中国語学習を阻害する時間 と捉えて、日本語を使う時間を極力減らしていました。

朝起きたら、シャドーウィング、授業の復習予習を超スピードで終わらせ、中国人と一緒にご飯を食べたり散歩したり、中国語のドラマを見ながらQQで5人と同時にチャットをしたりして「超頑張」っていました。
結果的に3ヶ月でHSK5級を余裕合格しました。

もちろん日本にいる限り全く同じ環境ではないですし、同じスパンで合格するとは思っていませんが、それくらいの本気を出さないと身につかないということは理解してもらいたいです。

だから結局は努力も大事なんです。
目標が明確であれば努力を努力と思わなくなるので良いペースで勉強できるかもしれませんね。

最後の方は語学の方法論というより精神論になってしまいましたが、何かしらの参考になればと思っています。
中国語学習でお悩みの方がいらっしゃればDMを送って頂いて構わないです。

ではこんなところで、再见!👋

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