南半球で電気自動車の熱いバトル
– フォーミュラE 第6(2019-2020)シーズン 第3戦 -
完全電動のレーシングカーが世界各国を転戦する「フォーミュラE」(FE)。2014年にシリーズが始まった頃には、成功を疑問視する声が多く聞かれました。伝統的にレースの魅力と考えられている、レーシングカー独特の「エンジンサウンド」が無く、魅力に欠けると…。
しかし、そんな声とは裏腹にFEは注目度を上げ、現在6年目を迎えています。第6(2019-2020)シーズンは、これまでのアウディ、BMW、DS(プジョー・シトロエングループ)、ジャガー、ニッサンとインドのマヒンドラに加え、ポルシェとメルセデス・ベンツが参戦を開始。世界的な自動車メーカーの参画でますます勢いを増しています。
日本は現在シーズンオフのモータスポーツですが、昨年秋に中東のサウジアラビアで新しいシーズンが開幕したFEは、第3戦が南米チリの首都サンチアゴで開催されました。
このシリーズ、観客が生で観戦しやすいようにレースは常に大都市で行われます。市街地の一般道を一時閉鎖して造られる「ストリートサーキット」は、コース幅が狭く、路面の状況も場所によって大きく変化するため、追い越しにはドライバーのテクニックと度胸が試されます。F1などではなかなか観られない、接触すれすれのせめぎ合いと、抜きつ抜かれつのバトルはFEの大きな魅力の一つでしょう。
今回のレースも同様に、最終週でトップが入れ替わるという熱戦が繰り広げられました。上位陣がクラッシュやアクシデントによってリタイアする中、10番手スタートのアントニオ-フェリックス・ダコスタ選手(ポルトガル)が戦略的な走りで終盤トップに浮上。そのまま優勝かと思われた最終ラップ、チェッカーフラッグまで数コーナーを残したところで2年目の若手マックス・ギュンター選手(ドイツ)がアウト側からオーバーテイク。FEでの初優勝を飾りました。
3位にはジャガーをドライブするミッチ・エバンス選手(ニュージーランド)が入り、BMW、DS、ジャガーという欧州各国を代表する自動車ブランドが表彰台を分け合いました。
4位入賞と健闘したのは、パスカル・ウェーライン選手(ドイツ)。「モタスポ!Park」がお世話になっている、ドイツの部品メーカー「ZF社」がサスペンションや駆動系システムを開発しているマヒンドラのマシンで、アグレッシブな走りを見せてくれました。
次のレースは約1か月後。2月15日に、メキシコの首都メキシコシティで開催されます。モタスポ!Parkでは、FEに関する情報やレースの様子を引き続き掲載していきます。お楽しみに!
写真 © FIA 2013-2020
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?