スパイスの呪文

「インドカレー食べに行こう。」

友人からの誘い。
久しぶりの連絡がそんな文言だったので、少しだけ笑ってしまった。
原因には心当たりがある。

大学生時代に、大学近くのインドカレー屋で食べたナン。
パリパリもちもちの生地にバターの風味、自転車のサドルをはるかに超える大きさ。それと、おかわり自由!(学生街ならではのサービスか?)
結果、めちゃくちゃハマったし、一度に3枚は食べるし、3キロは太った。
そんなこんなで、「ナン好き」というイメージが友人の間で定着してい
る。

そういえば、ナン屋での思い出が1つ。
その前に、ナン屋でお酒を飲んだことはありますか?
ガーリックナン、チキンティッカなど味の濃いものがあるので、お酒も飲めます、ナン屋では。

話は戻って、友人とナン屋でお酒を飲んでいた時のこと。
正確な国籍は不明だが本場出身っぽい店長が、私をいたく気に入ってくれた。自己紹介しあって仲良くなった。
何かの拍子で意気投合し、握手を交わした。(ほんとになんでだ。)
その時、心底嬉しそうに彼は言った。

「オー、アナタ、カワイクテ、チカラ モ ツヨイ!!!!」

なんでそんなに嬉しそうなんだ。
あと、友人がめちゃくちゃ笑っていた。

複雑ではあったがそれ以来、なにか落ち込むことや悲しいことがあった時、あの明るいカタコトな言葉が頭の中で鳴り、目の前が明るくなる。
そして大体のことは、どうでもよくなってひとりごちる。

…そう、私は可愛くて力も強いのだ。



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