Zeta009

“Weekly Politics”と題して1週間に1回政治に関して論評する予定。 考え…

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“Weekly Politics”と題して1週間に1回政治に関して論評する予定。 考えたことを残すための場所です。

最近の記事

#06-二つの保守派の違い

保守派とは何か  「保守」あるいは「右派」とは、何であろうか。それはあまりに広義であるが、ここで私が言及したいのは、「日本という国家を守ることを優先的に考える思想」という意味である。つまり、安全保障上の保守派について言及したい。*1      これは、日本を独立国として維持したいという考えを指す。憲法9条を改正し、国防軍としての自衛隊を保持し、他国と戦争を戦ってでも国家を守るべきと考える思想の根本について考えたいということだ。  というのも、私にはどうもその思想の根幹にあ

    • #05-くすむ霞ヶ関、輝く六本木

      くすむ霞ヶ関  ある平日の夜。生きるための労働を終えた人びとは布団を被る。帰宅してからの時間、家族と団欒を囲む者もいれば、ひとりで部屋の壁を見つめた者もいただろう。今日を生きた実感と疲れが、被った布団に吸収されていく。  霞ヶ関のオフィスは煌々と灯りを漏らす。「第四条、〇〇」、日本語ワープロソフトに新しい文字が刻まれる。今国会で提出される法案らしい。彼らのいるオフィスは明るい。そこに布団はない。フロアに無数にある蛍光灯は確かに輝いている。でも、それらのオフィスが集う霞ヶ関の

      • #04-統一教会問題の本当の「問題」

        統一教会問題の本当の問題点は、利権政治ではない  社会をあれだけ騒がせた統一教会問題とは結局何だったのだろうか。  ある人は言う。あれは「政治の利権化*の問題だ」と。しかし、考えてみれば、「政治が利権化しない」と考えること自体がそもそもナンセンスであり、その指摘はさして重要ではない。  どの党も何らかの利権と結びついている。例えば、自民党の支持母体は日本医師会や経団連などの企業系団体であり、国民民主党の支持母体は労働者の作る連合だ。  そしてこの利権化は、民主主義という票数

        • #03-英語学習のすじの部分

           これ以降で話す「すじ」とは調理された牛すじではないことを断っておきたい。彼らは美味しい。でも稀にバラ肉に含まれる繊維みたいなすじは全く噛みきれないし、味もしない。この記事の主人公はこっちの方。 共通テストとは  共通テストとは、どんなもので、何のためにあるのだろうか。文部科学省の説明はこうだ。 こんなことを言われると、共通テストをスジ肉だと思っている私からすれば、大学の学びはすじ肉を噛み切れることが要求されるのか、と思ってしまう。とりあえずなぜ共通テストがすじ肉なのか

        #06-二つの保守派の違い

          #02-「ポピュリズム」アレルギー

          現代のヨーロッパ民主主義はポピュリズムアレルギー? 英紙「エコノミスト」は都知事選に立候補した石丸氏を と紹介している。たしかに石丸氏は大衆迎合的な側面があるが、政策は左派的な根拠のないバラマキではなく、政策ベースで選挙を戦ったと言えるのではないだろうか。  ポピュリズムという言葉に関してプロである日本経済新聞は、ポピュリズムを以下のように定義している。  この定義に基づいて今の政治批判を顧みたとき、大衆迎合を第一に掲げる政党以外でも、「ポピュリズム」の枠で捉えられてい

          #02-「ポピュリズム」アレルギー

          #01-民主主義と共産主義

          民主主義と共産主義の根本的な違い  民主主義と共産主義のもっとも根本的な違いは、民主主義は作り出した格差と政策の失敗を公開して批判を認める体制であるのに対して、共産主義は格差と失敗を隠蔽して対立する意見を弾圧する体制だという違いである。 民主主義はどのように批判を認めるか  民主主義は資本主義をベースにしている。資本主義とは、財産の継承を認め、社会に貧富の差を作り出す装置である。  しかし、それらが作り出した貧富の格差は「報道・表現・言論の自由」によって表面化される。政

          #01-民主主義と共産主義