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TGE前にトークンやポイントを売買できちゃう?注目の分散型プラットフォーム「Whales Market」
暗号資産市場はここ数年で劇的な成長を遂げ、多くの投資家や企業が新たな機会を模索する中、注目のプラットフォームが次々と登場しています。
その中で、最近注目を集めているのが「Whales Market」です。
このプラットフォームは、TGE(※)前にトークンやポイントを売買契約ができる場を提供し、多くの投資家から関心を集めています。
TGE前に、プロジェクトへの期待値がトークン価値で表現されるなどのWhales Marketの特徴などから、投資戦略に役立てるなどの活用が期待されます。
この記事では、「Whales Market」の特徴の紹介と、活用方法の詳細についてさらに掘り下げていきます。
※TGE・・・トークン・ジェネレーション・イベント。
プロジェクトが新しいトークンを発行し上場するプロセス。
OTC DEX「Whales Market」とは
![](https://assets.st-note.com/img/1716223009223-NZ38igyDH6.png?width=800)
Whales Marketは、TGE前にエアドロップされたトークンやポイントを売買契約ができる分散型プラットフォームです。
扱われているトークンはWhales Market側で選定されたトークンのみが対応しており、全てのトークンが対象になっているわけではありません。
買い手側は、トークン上場前にトークンの売買契約ができるため乗り遅れたエアドロップトークンを手に入れられる可能性があります。
一方、売り手はリスクヘッジとして、TGE前にトークンの売却先を確保することができる点が特徴です。
プラットフォームは「Pre Market」と「Point Market」の2つで構成されています。
1.Pre Market
![](https://assets.st-note.com/img/1716223209065-wxMVz6oFG7.png?width=800)
Pre Marketでは、TGE前のトークンの売買契約が可能です。
例えば、すでにシーズン1のエアドロップが実施されたEigen Layer($Eigen)は、まだTGE前(5/17時点)ですが、Whales Marketでは既に価格(※)がついて取引されています。
※5/17現在で1$EIGEN = $7.3
2.Point Market
![](https://assets.st-note.com/img/1716223377463-WMTYPKBREw.png?width=800)
Point Marketでは、各プロジェクトで配布されるポイントの売買契約が可能です。
例えば、オーダーブックDEXに流動性提供を行うElixir(https://twitter.com/elixir)では、ポイントプログラムがスタートしています。
Potionsというポイントの配布が行われている状況ですが、Whales Marketではこのポイントに既に価格(※)がついて取引されています。
※5/28現在で1$Potions = $5.05
売買システム
Whales Marketで行われている売買システムについて、購入方法と売却方法をそれぞれ説明します。
NFTマーケットプレイスでの売買に近いイメージです。
1.購入方法
購入方法は、以下の2種類があります。
Fill others's Offer-to-sell(リストアップされたものを購入する)
Create an Offer-to-buy(自ら購入オファーを出す)
順番に説明します。
Fill others's Offer-to-sell(リストアップされたものを購入する)
![](https://assets.st-note.com/img/1716223592199-smS9wkj9rH.png?width=800)
1.プラットフォーム上にリストアップされた売却オファーから、購入したいトークンを選択します。
下記の2つから購入方法を選択できます。
PARTIAL FILL:複数人で購入する
SINGLE FILL:1人で全て購入する
2.選んだオファーに対して購入代金を支払います。
3.GE24時間以内に売り手側(以下セラー)がトークンをプラットフォームから送金します。
4.購入者が該当のトークンを受け取ります。
Create an Offer-to-buy(自ら購入オファーを出す)
![](https://assets.st-note.com/img/1716223796217-9H2s4da0Oe.png?width=800)
欲しいトークンを選択し、金額と数量を入力します。
出したオファーに対して、売りが申し込まれるのを待ちます。
申し込みがあった場合に、購入代金を払います。
TGE24時間以内にセラーがトークンをプラットフォームから送金します。
購入者が該当のトークンを受け取ります。
2.売却方法
買い手側(以下バイヤー)から見た流れが購入方法になりますが、同じ流れを逆にセラー側から見ると売却方法になります。
売却方法も、以下の2種類があります。
Fill other's Offer-to-buy(他バイヤーの購入オファーに対して売る)
Create an Offer-to-sell(売りのオファーを出す)
順番に説明します。
Fill other's Offer-to-buy(他バイヤーの購入オファーに対して売る)
プラットフォーム上にリストアップされた購入オファーから、売却したいトークンを選択します。
選んだオファーに対して、売却金額と同額の担保金を預けます。
TGE24時間以内にトークンをプラットフォームから、購入者に送金します。
トークン送金が完了したら、担保金と購入者の支払った購入代金を受け取ります。
Create an Offer-to-sell(売りのオファーを出すパターン)
売りたいトークンを選択し、金額と数量を入力します。
出したオファーに対して、購入が申し込まれるのを待ちます。
購入者がオファーに対して申し込みを行い、購入代金を払います。
TGE24時間以内にトークンをプラットフォームから、購入者に送金します。
トークン送金が完了したら、担保金と購入者の支払った購入代金を受け取ります。
上記がトークンの購入・売却方法です。
ポイントの購入方法も、基本的にはトークンの購入方法と同じで、TGE後にポイントに相当するトークンが送金されることになります。
決済ルール
![](https://assets.st-note.com/img/1716223947120-rpeUNTGuYJ.png?width=800)
Whales Marketには独自の決済ルールがあり、主に下記の3点になります。
セラー側に担保金が設定されている
トークンの送金期限が定められている
トークン送金に対応しなかった場合のペナルティがある
順番に説明します。
1.セラー側に担保金が設定されている
セラーはトークンを売る際に、バイヤーから受け取るトークンの同種・同枚数を担保金として預ける必要があります。
例えば、トークンを1,000ドルで売りたい場合、1,000ドルの担保金を入れる必要があります。
これにより、セラーが取引を履行するように促します。
2.トークンの送金期限が定められている
TGEから24時間以内に、セラーは購入者にトークンを送らなければなりません。
この期限を守ることで、取引が迅速に完了します。
3.トークン送金に対応しなかった場合のペナルティがある
セラーが期限内にトークンを送金しなかった場合、担保金は没収されて、購入者がデポジットしていた手付金の返金と補償として担保金が受け取れます。
これらの仕組みにより、TGE前の売買が安全に行えるようになっています。
活用方法の例
![](https://assets.st-note.com/img/1716224214833-kLPmKofgkq.png?width=800)
Whales Marketの活用方法として、以下の3点が考えられます。
TGE前のトークン価格予想
TGE前のヘッジ利確
詐欺プロジェクトなどのリスクを抑えられる
順番に紹介していきます。
1.TGE前のトークン価格予想(数字上の試算だけでなく、マーケットの反応が見れる)
TGE前に、プレマーケットで取引ができることで、上場した際のマーケットでの期待値が把握できます。
トークン価格予想には、アロケーションや発行枚数などから数字上の試算を行うことは可能ですが、実際の取引からマーケットの反応を見ることができる点は活用方法の一つです。
ただし、あくまでプレマーケットでの取引のため、価格の精度に関してはある程度の乖離を想定しておく必要があります。
また、プロジェクト側の目線としては、プレマーケットでの価格を上昇させたい狙いが働く可能性もあり、FOMO(※)の影響にも注意が必要になります。
価格の精度や注意点はありますが、それらを踏まえて上手く活用できれば大きな有益性が生み出せます。
※FOMO・・・Fear of Missing Outの略。
TGEプロダクトに参入できていないユーザーが「価格上昇前にはやく参入しないと取り残される」という不安感。
FOMOによる影響で、価格のボラティリティが大きくなることにも注意が必要になる。
2.TGE前のリスクヘッジと利確の戦略
TGE前にトークンの価格変動リスクを管理し、利益を確定させるための戦略を取ることができます。
納得のいく価格でのオファーがあれば、TGE前にある程度の金額で利益確定をしたほうが良い場合もあるかもしれません。
また仮に、TGE時に売った金額の倍以上の価格がついた場合、ペナルティの担保金を支払ってトークンを渡さないことも現在の仕様では可能です。
例:1,000ドルで売りに出したトークンがTGE時に3,000ドルの価格が付いた場合、1,000ドルのペナルティ担保金を支払ってでも利益が残るので、売るのをやめる、という選択肢がある。
TGE時の価格予想に自信がある場合は、こうした戦略で利益を出すことも可能です。
3.詐欺プロジェクトなどのリスクを抑えられる
Whales Marketは、選定された銘柄のみが掲載されているため、詐欺プロジェクトなどのリスクがある程度抑えられるメリットがあります。
また同時に、TGEが比較的近い銘柄がリストアップされるため、直近の注目銘柄のリストアップにも活用することができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716876805718-x8Ud78Z1Ng.png?width=800)
このように投資目線での銘柄選定に活用できる点も、Whales Marketの魅力の一つになります。
まとめ
Whales Marketは、TGE前にエアドロップされたトークンやポイントを売買できる分散型プラットフォームであり、昨今大きな注目を集めています。
担保金やトークン送金期限など、売買システム・決済方法に独自のルールを設定することで、TGE前の取引が安全に行える仕組みを実現しています。
また、TGE前のトークン価格予想、ヘッジ利確戦略、注目TGE銘柄のリストアップといった様々な活用方法を通して、投資家が最大限の利益を得るための強力なツールとなります。
今後も、最新の事例や特徴のあるシステムの紹介を行っていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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執筆:0x Consulting Group 二井俊也、渡邉
監修:0x Consulting Group Token Economics Director 新谷圭右(Xアカウント:@shinkei_pm)