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きついパンツのウエスト出し。手抜き仕様

ゼロウェイスト生活をしていると、欲しいと思っていたものが向こうからやってくる奇跡がたびたび起こります。
今回は冬物の洋服。母の友人が、定年退職して断捨離する中で、着ようと思ってたけど着なかったという洋服を何着かいただきました。おそらく10年以上前のデザイン、新品タグ付き。
その中でどうしても履きたいパンツがあったのですが、いかんせんウエストがきつい。お尻も腿も入るけど、ウエストだけがきつい。
最近のウエストゴムの服に慣れているせいか、締め付けには我慢なりません。
ちゃんとした仕立ての服は決まって、ウエストの一番上の縫い目が腹に刺ささります。座ると特に…

新品の高級服を何の知識もないわたしがリメイクするか、ぴったり体形の方に託すべくリサイクルショップに持ち込むか。究極の選択ですが、久しぶりに履いた裏地付きパンツの暖かいこと。上質なウール素材で何年も履ける、履きたいことを鑑みてリメイクを決行しました。

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自腹では絶対に買わないカルバンクライン。
普段の裁縫は行き当たりばったりですが、今回は絶対に失敗したくないので、まずはパンツをよーくよーく観察しました。

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ウエストベルトを外すのは必須ですが、できれば総取り換えせずに元のベルトを活かしたい。前にはタックが二か所入っているので(ベルト通しの下2箇所)この部分を解いてタックを開き、ウエストを広げてベルトには別布を繋ぐことにしました。

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このタックを解き、ウエストベルトと、ベルト通しをリッパーで解きます。

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解く部分はできるだけ最小限で、と思いましたが、なぜかほどいても向こう側が見えず、まだ裏地が立ちはだかっています。
まさか高級な服は裏地が二重になっている?と混乱しましたが、ポケット内袋がウエストに縫い込まれているだけでした。

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ポケット内袋もリッパーで解いて、

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やっと向こう側が見えました。
タックも解いてあるので、ウエストベルトに対してパンツの生地が余っている状態です。

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覚悟を決めて、ベルトをカットしました。もう後戻りはできません。
あとはこの拡張したベルトの隙間を何で埋めるか。

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はじめ、取り外したウエストベルトを転用しようと考えました。

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縫い目を解いて開くとこれくらいの大きさです。

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当ててみると…長さが足りません。ウエストベルト全周が見えるような着方はしないので、既製品のような仕上がりは望みませんが(技術もないし)
これでは高さはともかく、横幅が足りずまた小さくタックを入れる必要がでてきます。
今後太ることも考えて、できるだけ拡張しておきたい。

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端切れをあさって、似たような冬用の生地を探し当てました。
全体的な柄を見ると、パンツとは似ても似つきませんが、

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紺色のところを選んで一部切り取ると、あまり違和感なさそう。

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こんな感じで、ベルトの切り口をくるむように当ててみることに。

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まずはタックを解消するために解いたベルトを、元に戻すべく、パンツ本体に縫い付けます。適当にやったら、写真右側が思い切りずれてしまい、やり直しました。
裏地はつるつる滑って縫いづらいので、面倒でもしつけするのが近道と実感。

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右側だけ拡張完了。未処理の左側に比べて、ウエストが広がっているのがわかります。拡張部分の当て布は明らかに既製品とは異なりますが、トップスで見えないのでオッケー。

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左側も同様に。
当て布の周囲の切り口を折り返しつつ、ベルトをくるみつつ、左右のベルトともパンツ本体とも合わせなければならないので、さすがに手縫いでしつけをしてからミシンかけしました。

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これは裏側。
もちろんしつけは玉止めせず、ミシン掛けしてから抜いて、使い回します。

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これで左右とも完成!タックを解いてウエストを広げました。
パンツの仕組み観察から、完成まで所要時間1時間くらい。

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裏側。明らかな補修跡ですが、他人から見えない部分なので問題なし。
このお直し、かなりいいです。
昔の高級パンツは表地は毛&裏地付きで物がいいし、タック入りだったり形が古いと、リサイクルショップでも安価に売られています。形の古いブランドパンツより、最近のGUとかユニクロの方が値付けが高い印象。

こんな風に自分でウエストサイズを変更できれば(わたしの場合は主に拡張ですが)安価かつゼロウェイストに質のいいパンツが手に入ります。
わたしは最近、リサイクルショップ通いすらやめて、この冬は貰い物の服だけで過ごしました。ほとんど2~3着を制服化して、おそらく印象は「ほとんど毎日同じ服を着てる人」

自分がやりたくてやっているゼロウェイスト活動だから、さもしい気持ちになりません。服をとっかえひっかえしたいとか、新しい服で気分一新とか、考えなくなりました。
たまに立ち寄ったリサイクルショップで新しい服買おうかな?と思っても、世界中の衣類が山となって打ち捨てられた砂漠の映像が頭をよぎって、買いたい気持ちがしゅーんとしぼんでいきます。
その点リメイクは後ろめたい気持ちがなく楽しい。
布でできているものは、買わずに作るのが最近の目標です。


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