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ハワイで初めてサーフィンした日のこと。その1

今から約五年前、私はオアフ島旅行中に思いつきでサーフィン体験に申し込みました。もともと音楽や芸術が好きで、ヒッピーみたいな生活やサーフカルチャーへの漠然とした憧れを持っていました。しかしそれは夢の世界で自分がサーフィンをやるなんて思ってもみなかったです。ワイキキのホテルの裏をぶらぶら歩いていると一件のサーフショップがあったので入ってみたのです。レジの壁にサーフィンレッスンの価格表が目に留まり、「やったことないけどサーフィンできるかな~」ってつたない英語で聞いてみたら「明日できる」っていうので、ノリで申し込んでみました。

次の日、水着とバスタオルと財布だけ持ってサーフショップに到着。申し込んだのはグループレッスンだったけどその日はラッキーなことに私だけでした。お店で長袖のラッシュガードを借りてあとはボードを目の前に簡単な説明を受けました。「サーフィンは今から教える1、2、3だけ!」と、ローカルサーファーぽい、ゆる~い感じのおじさんが言いました。「1パドル、2四つん這い、3スタンダップ!」これを店の駐車場で10回くらいやったかな。おじさんは「そうそう!Good!」って言ってくれて安心しました。

いよいよ海へ!ワイキキで一番に賑やかな交差点を、大きな二本のサーフボードを押し車で運ぶおじさんと、水着&ビーサンで歩いて行く。もうこれだけで最高な気分でした。おじさんはどうやら超有名人のようで、ビーチですれ違う人ほぼ全員に声を掛けられていた。砂の上でもう一度1、2、3をやったかな。あとはボードを波に対し垂直に向けることと、沖に出る時に大きな波が来たら胸の下くらいの位置でボードをぐっと両手で押して上半身をのけぞる方法を教えてもらった。「あとはひたすらパドルだ!」と言ってた。

おじさんの後を付いて海へ。ワイキキの海が美しすぎてテンション爆上がりでした。ソフトボードだったと思うけど、海もおだやかだったからすぐに腹ばいで安定することができた。おじさんに引っ張ってもらいながら自分もパドルして沖へ出る。くたびれてパドルをさぼると、すぐバレて「おい、お前もパドルするんだ!」ってやり取りを三回くらいした。可笑しかった。

所定の位置に到着したらしく、ボードの上に座って沖を見つめてみる。気が付けば周りにサーファーがたくさん!みんな何もせずボーっと沖を見つめているだけ。まるで海鳥だった。ああ、人間も動物なんだなって思った。美しい海、空、ダイヤモンドヘッド、サーファー達。なんと素敵な光景なんだろう!みんな優しい表情で沖を見つめている。私もきっと笑顔だった。
つづく。

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