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丸山奏子はいかに戦ったか【Mリーグ】

観戦記を書き終えた。

昨日の記事で書いた「速攻型」VS「打点型」という対立構図をそのまま流用し、石橋選手と黒沢選手の戦いを中心に描いたのだ。

最近の観戦記良くない?
今季のうちの5/6で面白いと胸が張れる作品になっている。

誰も褒めてくれないからエゴサしてみよう。

…ふう(気持ちよくなった)


ゼロマガでは、ほとんど取り上げられなかった丸山選手視点で見ていきたい。
前回の

↑の記事は好評だった。
この時は、丸山さんが1年という時間をかけてドリブンズイズムを吸収していて、なにより伸び伸びと打っているな…という印象を受けた。

では昨日の1戦はどうだったのか。

Mリーグ記事ではあるもののゼロマガは「強くなる」がモットーなので、雀力が向上するように解説していく。
1局ごとに覚えておいたほうがいい麻雀のセオリーをまとめてあるので、そこを読むだけでも強くなるよ!

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(本編は敬称略で書かせていただきます)

東1局 メンツ手か対子手か

この局はあまり分岐がなかった。
強いて言うならここから切った9p↓

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前巡の8pはチートイを意識してのものだが、このツモ8sでチートイツは見切り、打9pとしてメンツ手へと舵を切った。

私は5sを切る。
リャンメンが多いとはいえ、この巡目で1メンツもないとあらば先制される公算が高く、守備力も兼ねて9pを残しておきたい。
また、端がかりのリャンメンが2つあり(23m78s)こういう手牌はあまりタンヤオを意識しない方がうまくいく。

9pを切るなら6mか8mを1枚外したほうがバランスがよい。

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9p切ると、7mツモった時にちょっとだけ困るんだよな。

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ヘッドが無くなる恐れがある。

・タンヤオ=高打点とはならない

東2局 字牌の扱い

この配牌から打東。↓

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ドリブンズのお家芸である役牌アタック。
最近、役牌アタックが横行しすぎている気がする。
この配牌はドラドラだけどカンチャンが3つあってリーチが厳しいので手役を追った方が良い。打西が自然だけど、村上は1pか1sを切ってメンホンチートイまで見るのかな。さすがにないか。

あ、中は切らないけど東だけは切る、っていうのはいかにも村上っぽい。
実際に中は切らなかった。

丸山はここから打1p↓

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タンヤオ本線で、中を安全牌に…という構えだが、素直に打中でいいと思う。村上に必ず1枚安全牌を持てと教えられているのだろう。
ドラドラだけに、ソウズの下が全体的に安全くらいのラフな気持ちで。堀・岡田の打ち筋だ。

こうして丸山は2軒リーチに挟まれることに。↓

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上家の親リーに、対面がツモ切りリーチを打ってきた場面。
丸山は中筋になった5pで放銃してしまったのだが、これは明確に打2sがよいだろう。

対面の内川は何かしらの理由でダマテンに構えていた。
そこで親のリーチが入り、2sは現物。
2sが待ちなのに追っかけるケースは稀である。

2軒リーチは1人の現物を切るべし。

1sが4枚見えているので2sの危険度はかなり低い。

①のような読みを働かせなくても、②の理由だけでも2sを切るべき。
2人に危険な5pよりも、1人に確実に通っていてもう1人にも比較的安全な2sの方がマシだろう。

以前も通っている牌を見落として放銃していた。
最序盤の安全牌を持つ進行よりも、リーチを受けた時により安全な牌を見抜く能力をつけることが急務ではないか。

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・2軒リーチに手詰まったら1人の現物を切るべし

東3局 またしても2軒リーチに阻まれて

オリ打ちして傷心の丸山に、再び2軒リーチが襲いかかる。↓

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2sはほぼ通る。黒沢が2枚切れのカン2sで先制リーチを打つとは思えないからだ。(三色やイッツーの線も薄い)
それは丸山もわかっている。

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50秒にも及ぶ長考。
まず「手拍子でオリない」姿勢が素晴らしい。

2軒リーチに2シャンテン。
多くの打ち手が「はいはいオリオリ」となるし、大体それが正解だ。
しかし、丸山は「テンパイなら押し!」のように「〇〇なら◯◯!」と教わってきていない。

基準が定まっていない分、判断に時間がかかるものの、本当にオリていいのかを1巡毎に考え続ける。

そして丸山は意を決し

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8mを押した。丸山の思考はこうだ。

(2sでオリても次巡手詰まる可能性が高い。その一方で一旦8mを勝負しておけば5mが中筋になり、プラス1枚勝負で追いつくことができるかもしれない。)

親のドラ3で簡単に背は向けたくない。

とはいえ、やはり押し過ぎではないか。
この巡目から2人に対しての危険牌を最低でも2種類切って、決着が付く前に追いついて、さらにめくり合いに勝たないとリターンは発生しない。
黒沢のリーチ+それに追っかけた石橋…ということを考えなくても厳しすぎる。

最高位戦ルールの影響が残っているのかもしれない。
赤なしだと自分に勝負手が入ったら、かなり遠いところからでも押したり、仕掛けたりなど、強引にアガりに向かった方が得な場面も結構ある。

・2軒リーチは別世界

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