麻雀警察について
私のTwitterのフォロワーが1万人を超えた。
実は昨年の8月ではまだ7000人だった。もっとフォロワーを増やそうと思い、毎日人数をメモるようになった。
ただ単にフォロワーを増やすだけならプレゼント企画を行ったり、手当たりしだいフォローしていけば良いだろう。
しかし、私が欲しいのは麻雀もしくはZEROに興味を持つフォロワー、つまり中身の伴ったフォロワーである。
その日からプロフィールを工夫したり、1日に1回は意識的に麻雀に関するTweetや、役に立つTweetをするようにした。
ツイートアクティビティを見て、どういうTweetが読まれているのか、どういうTweetがプロフィールをクリックしているかも研究した。
「丸亀製麺なう」みたいなTweetは、たまににするようにしたw
どうやったら皆に有益な情報を届けられるか、どうやったら自発的にフォローしたいと思ってくれるか、そこに注力したのだ。
こうして獲得した1万人のフォロワーは、ある意味、資産に近いものがあると思っている。例えば、このnoteはもうすぐ月額マガジン化する予定だが、タダで「麻雀好きの」1万人に告知できるわけだ。
自分に伝えたい思いがあるなら、自分が活動を広めたいのなら、声は大きいほうがいい。
1万人を超えたら端数が表示されないので、今日からはメモを取らなくてよくなる。長かった…
Twitterを初めて6年の時が過ぎていた。
しかし、私のその6年間を星野源の一発で抜き去っていった男がいた。
今回の主人公、麻雀警察である。
・ひろーとの出会い
彼がここ名古屋にいたのは3、4年前だったろうか。
「秋田から来ました!ZEROさんのファンです!」
雀荘のゲストに呼ばれていた私の対面に座っていたのが彼、のちの麻雀警察・ひろーだった。
「ZEROさんの行くところはどこでも行きまっす!」
彼は、私がゲストで行くほとんどの雀荘に来てくれた。
大阪で行われたリアトラや、東京のゲストにも来てくれた。
駆け出しだった当時の私としては、必ず1人は来てくれるわけだからありがたい。
ひろーは、トヨタの期間工として働いていた。
ゲストが終わった後、何度か期間工の寮まで車で送っていった記憶がある。
かなり遠かったけど、毎回来てくれるのは本当に感謝していたし、車内で「地元で雀荘を開くんだ」と熱く語るひろーのエネルギーを見ていると、俺も頑張らなきゃとモチベーションがあがったものだ。
ひろーは期間工での勤めが終了すると、私の家の近くの雀荘で働き出した。相談を受けたり、たまにその雀荘を覗いてみたりした。
面倒を見る…というほどではないが、気にかけるくらいの間柄にはなっていた。
何度か家にも泊めてあげたことがある。
寮を出た当時の彼は家がなく、車で寝泊まりをしていたからだ。
家賃とったかな?覚えていないけど、多分とってない。
というのも、私は家に男を泊めるのが嫌いだ。なんか嫌なのだw
部屋は無駄に多いので、広さ的には全く問題ないのだが、天鳳も集中して打てないし、朝起きたときに家に男がいるのが、とにかくなんか嫌なのだ。
今思うとそこまで毛嫌いすることもないのかもしれない。
そんな自分が泊めてあげるということは、よほど可愛がっていたのだろう。
・大ブレイク
その後、ひろーは東京の雀荘へ店長として抜擢され、歌舞伎町のお店へ行き、パチプロを経て、YouTuberになった。
ひろーの最初のバズりはこれだったと思う。
雀荘内にてノリで書いたこれがTwitter上でウケた。
するとひろーはすぐに次回作を作り、そのうちに雀荘の壁は
こうなった。
これを見ての通り、彼の行動論理は「ウケることをしたい」「注目を集めたい」この1点に尽きる。2点あるけど。
次にウケたのがアルティメット引きヅモだ。
これもウケた。ウケたから何回かシリーズ化した。
ただ「麻雀道具で遊ぶとは何事だ!」という抗議の声もあり、静かに終了した。
その後、クソ鳴きをアピールしたり、何切るを貼ったりしていたが、イマイチ、ウケず。秋田で働く夢も諦め、彼は燻っていた。
そうした中、Mリーグが始まり、彼は開花した。
麻雀警察と名乗り、打ち手の打牌をディスるキャラクターがウケたのだ。
中でも
こういう顔芸がウケた。「ウケることをしたい」「注目を集めたい」という行動理論に従って、彼はこの活動を広げていった。
本当に警察の衣装を買い、発言もエスカレートしていった。
その彼がYou Tubeを始めたのが数ヶ月前のことだ。
「ウケることをしたい」「注目を集めたい」という行動理論を持つひろーにとって、You Tubeのステージは、パズルのピースが1つになるようだった。
最初に動画を見たときに衝撃が走った。
テンポが良く、テロップも読みやすい。
効果音も凝っていて、何より話し方が上手い。
どこかのプロを雇ったのかと思った。でも撮影も編集も1人でやっているらしい。
まさに水を得た魚。彼はスターダムに上り詰めた。
その影で私は挫折したw
出す動画出す動画、ウケにウケ、見てくれる人が喜んでくれるとますます気合の入った動画を出す…という良い循環に入り、チャンネル登録者数は11000人を超えた(2020/05/26現在)
これからも間違いなく増え続けるだろう。
YouTuberになるために生まれてきた。
それくらい思わせるほど、動画は面白かった。
・そんなひろーがやらかした
昨夜、ひろーは1000点100円で賭け麻雀をする、という宣言をしてライブ配信をした。
住所を晒して、メンツを募集したのだ。
誰かが通報したのだろう。
本当の警察が来て、警告を受けた。
当たり前だろw
精算後だったら逮捕されていたかもしれない。
だって動画という動かぬ証拠があるわけだから、警察もほっておくわけにはいかない。
あと、動画中にピンポンダッシュがあったのが気になる。
住所を晒すことの怖さをわかっていない。
特にこれだけ影響力を持つようになったら、アンチの数も比例して増えているはずだ。今すぐ引っ越したほうがいい。
・ひろーの危うさ
「ウケることをしたい」「注目を集めたい」
この内なる衝動に忠実に従い、行動へ移すことは、ひろーの良さである。
この行動規範があったからこそ、You Tubeでブレイクしたと言っていい。
が、それと同時に危うさも感じる。
やっていいことと悪いことの分別がついていない。
人の痛みがわからない。
そういった部分がある。
例えば、例の顔芸。
沢崎さんは、これを見てブロックしたという。
当然だ。
これを見た相手がどう思うか考えたことがあるのだろうか。
いや、ない。
彼にとっては「正しいことをやっている」わけで
そして「ウケたからいい」のだ。
打牌を批判することは(望ましいとは思わないが)個人の自由だ。
しかしこれは批判でも意見でもなく、挑発だ。
人格攻撃に近い。
こんな挑発的な態度を取って、相手がどう思うか、周りはどう感じるか、そういったことより、ひろーにとっては「ウケる」が優先されるのだ。
いつの間にか、私も呼び捨てにされ、批判対象になっていた。
私が観戦記を書くたびに文句を言っている。
「ZEROさんのファンです!」
秋田から来た純朴な青年は、大きな影響力を持って良かったのか、悪かったのか、私にはわからない。
・もう1つ許せないことを思い出した
彼が泊まりに来た時、ブックオフに売ろうとしていた本を貸してくれと言われたことがあった。
ダンボールにまとめてあった20冊くらいだったかな。
いいよと言ってダンボールごと渡した。
何週間か後に
「車で事故って本が全部燃えてしまった」
という連絡を受けた。
「おいおい大丈夫かよ」
本のことよりもひろーの体を心配した。
「なんとか大丈夫っす!」
今思うと、本が燃えるほどの事故があったのに体がピンピンしてるのは不自然だわな。
数週間後、とある雀荘の本棚に、その中の一冊と同じ本を見つけた。
「新しい文章力の教室」
という本だ。
雀荘においてあるにしては珍しい本だろう。
「あ!俺もこれ持ってたよ!」
店員に言ってみたが、すぐに違和感に気付いた。
隣の本もその隣の本も、ひろーに貸したのと同じ本だったのだ。
おそらく、ひろーがこの雀荘に売ったのか。
嘘までついて、どういうつもりだろう。
よほどお金がなかったのかもしれないな。
嘘をつかれたことは悲しかったし、裏切られたような気がして許せなかった。が、どうせ売るつもりの本だったし、深くは追求しないでいた。
1年後にひろーが店長をやっている東京の店にゲストで呼ばれ、そこの打ち上げの席で本の話になった。
よく覚えていないが、そこの飲み代を奢らせて、もうこの件には二度と言及しない、と言って収めた。2000円くらいだったと思う。
ごめん。俺も俺で約束破ってw
別にこの件自体はもう怒っていない。
ただ、こういう危うさがあるということを紹介したかった。
・ひろーよ
ひろーよ。
お前はすげーよ。ウケることをやる!という一点でここまできた。
常識にとらわれず、自分の道をとことん突き進むことで、今の地位を確立したと言っていい。
You Tubeがブレイクしたのは、偶然ではなく、才能だ。間違いない。
才能の裏にある努力もわかる。動画編集ってマジで大変だよな。
俺も少しだけど動画作ったからさ、あの動画にどれくらいの手間がかかっているか、どれくらいプロ意識を持ってやっているか、とてもわかるんだ。
あと、昔のゲスト先に来てくれたことは、今でも本当に感謝してる。
今後はさ、無理して誰かを貶めたり、攻撃しなくても、お前の面白さはみんなに伝わっているからうまくいくと思うよ。
麻雀業界を盛り上げたい、麻雀業界で目立ちたい!という点については俺も一緒。それを実現するために、誰かを貶めるすることは必要ないと思うんだ。今後は他人のウケだけでなく、他人の痛みをわかる人間になってほしい。
偉そうに説教臭いこと言ったけど、俺もお前くらいの歳の頃は似たようなもんだった。いや、もっと酷かったかもしれない。
多くの人を傷つけてきたし、多くの人を裏切ってきた。
俺は馬鹿だからさ、身を持って体験しないとやっちゃダメなことってわからないんだよな。
ひろーはものすごい才覚を持っているんだから、いいところだけを存分に伸ばしていってほしい。麻雀界で一番、いや麻雀界を超えていく何者かになる予感すらする。
そうしたらさ、またどこかで煽りあいながら麻雀打とうぜ。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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