見出し画像

【無料】麻雀との向き合い方【コラム】

ゼロマガ読者からメールが届いた

先日このようなDMをいただいた。

単刀直入に申し上げますと、今月いっぱいでゼロマガ購読を解除させていただくことと、その理由にzeRoさんに一切の非はないことをお伝えしたいと思います。ゼロマガに限らず当分の間、麻雀の情報はシャットアウトしようと考えています。

理由はひとえに天鳳であまりにも負けすぎたことです。
先月が21+17+28+26、今月が20+29+35+34
五段 265/2000となっています。天鳳で打った後は胃の調子が悪くなり、牌姿を見るのすら苦痛になってきました。

麻雀を始めて約20年、今まで不調期は数多く経験してきたつもりでしたが
今回はまったくトンネルの出口が見えず、心身ともにボロボロになってまで続けることはないとの結論に至りました。
ゼロマガは素晴らしい内容です。
1つのテーマについて分かりやすく解説されており、反復練習できるように
なっているので正しい打ち方が身についていったと思っています。zeRoさんにとっては完全にもらい事故みたいなもので本当に申し訳ありません。
牌譜検討していただいたときは感動しました。
もう一度していただきたいと申し上げた気持ちに偽りはなかったのですが
鳳凰卓に上がる直前か直後にしようと考えていたらこのザマです。
不肖の弟子で申し訳ありませんもし数か月後に麻雀熱が復活したらまたしれっと戻ってきますので、暖かく迎え入れていただければ幸いです。

つくづく麻雀は罪深いゲームだと思う。
特に天鳳はその深さが倍増している。

麻雀は他のゲームと比べて1戦あたりの時間が長い。
点棒の授受などの各種動作がショートカットされるオンライン麻雀でも、東南戦で1半荘あたり平均30分かかる。

フリーでもメンツ次第だが30~40分。
Mリーグは2時間を超えることはザラである。

人生の時間は有限だ。
その中で、麻雀はそこそこ長めの時間を使う。

だから不幸な結果が連続すると、時間とポイントを失うことになり(俺は何をやっているんだ…)という気持ちになる。

DM主も麻雀歴が20年と言っているので、今回の200戦程度の成績がただの下振れであることは分かっているだろう。
しかしいくら下振れと分かっていても、抽選に漏れ続ける苛立ち、自分の意思ではどうにもならない虚無感、貯まる一方のストレス、などに精神が持たなくなったのだと思う。
「牌姿を見るのすら苦痛になってきた」
と言っているので、かなりの重症に見える。

時間とポイントを延々と失っていくのを「下振れだから」と割り切って耐えていくことが必須なんて、どんなマゾゲーだろうか。
同じような思いで苦しんでいる人も多いと思う。
では麻雀という不合理極まりない世界とどう向き合っていけばよいのか。

================

麻雀はレジャーか

そもそも、勝ちにこだわりすぎるから、負けた時に抱えるダメージが大きくなってしまう。

平澤さんが「麻雀はレジャー」という名言を残していた。
麻雀は所詮遊びなんだから、そんなに目を血走らせて打たずに楽しもうよ、と。

それはある意味で正しい。
実際に楽しむことを目的として麻雀を打っている人もたくさんいる。
会話や交流だったり、単純にアガリることを楽しんだり、常に大物手を狙ったり…などだ。

健康麻雀のお店が激増している。

旅打ちで有名なトッシイさんのブログのおかげで知ることができたが、世の中に健康麻雀を初めとするノーレートのお店が驚くほどたくさん存在している。
しかも、ほとんどのお店が昼から満卓になるなど、盛況であることが記事内容からうかがえるのだ。
(点5のフリーは昼から2卓立てば優秀なのが現状である。)

全員が全員ではないが、健康麻雀のお客さんは「楽しむ」ことを目的として打っている人がほとんどである。会話・交流を楽しみに来店している高齢者が多い。

そういう世界があることは知っている。

しかし、私を含む多くのゼロマガの読者が踏み入れている世界は、同じ麻雀でも違う世界に足を踏み入れているのではないか。

画像1

誰もが初心者の頃は楽しさを先に感じていたはずである。
牌の絵柄を見ているだけで楽しいし、ツモる度に心が踊ったものだ。

しかし、いつしか気付いてしまう。
勝たないと楽しめない自分に。

そこで勝つために強くなろうとする。
その瞬間「勝ちたい」という執着が生まれ、多くの打ち手はその執着にずっと苦しむことになる。

自分は勝ちたい側の人間だからよくわかる。
勝ちたい側の人間は、スノボでもランニングでもゲームでもカラオケでも、向上心を持ってやるのが当然と思っている。
スノボはまず人並みに滑れるようになりたいと思うし、人並みに滑れるようになったらターンやジャンプなどの技を覚えたいと思う。
ランニングだって同じだ。昨日の自分に勝ちたいと思って走る。

向上心を持てないと思ったらそこでやめる。

勝ちたい側の人間を平たく言うと「ガチ勢」になるだろうか。
ガチ勢に現状のレベルは関係ない。
今より強くなろうと思っていたら、初心者でもガチ勢と言える。

ここで1つわかって欲しいのは、ガチ勢とレジャー勢が互いにそういう楽しみ方もあるということを知ってほしいということだ。

ガチ勢には麻雀を打つだけで楽しめる人がいるということ。
レジャー勢には向上心を持って取り組むことが当然と思っている人がいるということ。

画像2


麻雀はストレスゲーム

麻雀という不合理の塊のようなゲームにおいて「勝ちたい」と思うことは、永遠に続くストレスを受け入れることでもある。

ただでさえ麻雀はストレスゲームだ。
1巡に14枚のうちの1枚ずつしか入れ替えられないし、シャンテン数が進む度に手牌は変化しづらくなる。
そもそも4回に1回しかアガれない。それ以外は失点か現状維持、たまにノーテン罰符がもらえる程度だ。

30分のうちに平均で2回かそこらしかアガれず、それ以外はずっと耐え忍ぶ展開が続くわけだ。
先制リーチや仕掛けを受け、現物をどの順番で切ろうか…そういう局があまりに多い。

ゲーム内容がストレスでできているのに、さらに実力が結果に反映されづらいというストレスのボスが存在する。
DM主さんのように数百戦単位の下振れは日常茶飯事で、投じた時間を考えると、どれだけのストレスを受けたのか計り知れない。

しかしこの下振れはDM主さんだけではない。
麻雀を打っている以上、下振れは全員に等しく降りかかる現象である。

下振れ中で精神がやられていると
「なんで俺だけこんな不幸な目に…」
と思ってしまうのもわかる。

日々の生活の中で、麻雀と向き合うのは難しい。
先述した通り、麻雀は時間がかかるし、心に大きな負荷がかかるからだ。

そして麻雀をやらない人にはそれが理解されづらい。

仕事・家庭と両立させようとするとどうしても打数が減る。
打数が減ると下振れ期間は長くなるし、牌効率などの感覚も忘れていく。

私は麻雀に専念できる環境にあるので(独り身というだけだが)恵まれている方だ。

私はもう負けすぎて病むことはそうないだろう。
少なくとも麻雀・天鳳を辞めることはない。

木原さんも言っていた。
「このゲームマジ許さん」
と。

悟りの境地

なぜ私が悟りの境地、涅槃にたどりついたか。

まずは理解することだ。

麻雀が理不尽なゲームであること。
麻雀がストレスゲームであること。
誰もが勝ったり負けたりすること。

その上で、自分の反応を客観的に見ることが大切。

ちょっと前にこんなことがあった。
プロアマリーグに参加した時に打牌が遅めのアマチュア2人と新人プロ1人と同卓したことがあった。

私は北家スタートだった。
周りが遅く、さらに起家のおじさんがやたら連チャンする。
新人プロの手際もおいおいと突っ込みたくなるほどに悪い。

点棒はジリジリと削られていき、どうやら親が2回できることはなさそうだ。

その瞬間イラッとしてしまった。
人間だから何かしらの反応があるのは仕方ない。

以前の私なら、イライラしたままラスを引き、ストレスを抱えていたであろう。しかしこの時はイラッとした自分に気付き、反応を客観的に見ることができた。そしてトップを獲ることは諦め、1周回ってくる時間がある分、全てのツモで何を切るかあらかじめ考えるようにした。
他にも相手の手牌の推測や鳴く牌はないかなど、考えることは無限にあった。それらに没頭すると心は平穏に戻ったのだ。
ラスはラスだったんだけど、実りのあるラスだった。

人は相手を変えることはできない。
ガチ勢とレジャー勢の話のように、相手がどう考えているかはわからないし、それは相手の課題だからだ。
ただ、自分がどう受け止めるかを変えることはできる。

あとは勝った時にあまり喜びすぎるのも良くない。
絶対訪れる不調の時に反動が大きくなるからだ。
このあたりの感情のコントロールも長く打つにあたり、大事なことではないだろうか。

最後に

しばらく距離を置くと仰っていたDM主さんにはこう返した。

わざわざありがとうございます。
麻雀は無理して打つものではないので、しんどくなったから距離を置くのは正解ですね。
20年も打っていたのであれば、必ずまた打ちたくなります。
そのときにまたどういうふうに向き合えばいいかアドバイスできたらと思っています。

嫌になったら距離を置く、というのは正しい対処法だと思う。

しかし、必ずこのDM主さんは戻ってくるだろう。
私は麻雀ほど面白いゲームを他に知らない。
麻雀にハマった後にすっぱりやめた、という人は他のゲームをやめるケースより圧倒的に少ないハズだ。

4人の思惑が交錯し、136枚の牌のハーモニーが勝手にドラマを演出してくれる。
知識と経験と偶然が奇跡的に融合した神ゲームだと言える。

ストレスゲームと言ったが、その中でもやれることは無限にあるし、麻雀歴30年を迎える私も未だに向上心を持って臨むことができる。


DM主さんが戻ってきたらこの記事を見せて「おかえり」と言ってあげたい。

それはそれで失うものがないから面白くないんですよね。

混ざっても相手への理解があればいいんですけどね。
理解があっても違う勢力と打つのは面白くないか。

それが健全なのかもしれない…。

レイさん守備型だからなおさらストレス溜まるのではないかw

悟りの境地は物のたとえよ。
実際イラッとしている時点で境地にはたどり着けていないしw

神ゲーとクソゲーの要素が強すぎますね。

上を見たらキリが無いですからね。

楽しさと勝つことのバランスが難しいですね。

ガチ思考ですね。

Mリーグww

6400の前に既にその人嫌いになってますよね。

ガチ勢からすると、それが全く楽しそうに見えないんですよね。

ガチ勢レジャー勢どちらも振り切っているわけではなく、グラデーションではあると思います。

得は無いとわかっていても一喜一憂してしまいますよね。

もうちょっと麻雀ちゃんをほめればよかった!

1本!

ネマタ本の「愛すべきクソゲー」という表現がしっくりきます。

うお!
うおうお!

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

最後までお読み頂きありがとうございました! ↓スキすると毎回違うメッセージが表示されます!