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【無料】天鳳でポイントを減らし、泣いちゃった女の子【麻雀】★★

本日は、2人の読者の質問に答えるという形の記事。
同じような悩みを抱えている方も多いと思うので、是非参考にしてもらいたい。長くなりそうな予感がするので、とっとと本題にいこう。

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1人目・各種数字について

これは牌譜検討についてきたコメント

前回は特南11試合で3-5-2-1で平均順位2.09でした。しかし、その後は30試合で4-9-8-8。急に勝てなくなりました。通算して平均順位は2.46。
これくらいの上振れ下振れはよくあることなのでしょうか?

牌譜解析βで木原さん、ゆうせーさん、お知らせさん、メカゼットンさん、AIのnaga、スーパーフェニックスの特上卓のデータと自分のそれを比較してみたのですが、これも意味が無いでしょうか?

質問をまとめると

①平均順位にこれくらいの上振れはあるかどうか
②強者と自分の副露率や放銃率というような数字を比較することは意味がないのか?

こんな感じ。
そして私はキッパリと返事した。
「申し訳ないけど、そんな数字を見ても、実力向上という面では、一切意味がないですよ」
と。
どういうことか。
1つずつ解説していこう。

①平均順位にこれくらいの上振れはあるかどうか

少なくとも数十戦単位で平均順位を見る意味は全く無い。
理由として一番大きいのは、質問者さんも仰っている通り、麻雀というゲームの性質上、この数字はブレまくるからだ。

数十戦程度の試行回数では、1半荘の順位が1つ落ちるだけで0.1近く変わってくる。
どれだけ強い人でも数十戦では大きくマイナスすることがある。
20戦ノートップくらいはザラにある。

だから、そんな本質とかけ離れた数字を追ってもいいことは1つもない。

ちなみに私は一度も気にしたことがない。

なぜなら、天鳳において平均順位は指標として少しズレているからだ。
これが2つ目の理由だ。例をあげよう。

2着目 20000
3着目 15000 ← 私
4着目 10000

オーラスにこんな状態で
・オリたら3着のまま
・押したら70%は2着になるけど30%はラスになってしまう
という選択があったとしよう。

天鳳の段位ポイントからすると、オリて3着を維持したほうがマシだ。
七段配分で計算してみよう。

オリ→+-0pt
押し→0.7×45pt+0.3×-135pt=-9pt

オリたときが+-0ptなのに対し、押したらトータルでマイナスになってしまう。これはラスのマイナスポイントが大きいからに他ならない。
これは7段以下のポイント配分でも同じことが言える。

では、平均順位はどうか?
これは計算しなくても、オリて3着確定、押して70%で2着になるのなら、押したほうが平均順位は良くなることがわかる。
(オリ→平均順位3 押し→平均順位2.6)

わかりやすいように極端にシンプルな例を出した。
このように天鳳という特殊なシステムでは、ポイントや段位が上がる選択と、平均順位が上がる選択では、正解が変わってくることがとても多い。

だから私は「平均順位」を一切見ない。

ただ、初・中級者が、自分の実力向上を実感するために振り返るにはありだとも思う。1年前は2.6だったけど、今は2.5を切った!…というように。

それにしたって、最低でも1000戦は見てほしいところ。
1000戦の中でも、知識が増えたり、逆にそのせいで損してしまったり…と、実力の変動がある。体調が悪かったり、電話がきていたり…などといったケースもあるだろう。だから結局は正確な指標とは言えない。
だからあくまでもざっくりとした指標だと捉えよう。

初・中級者に対して、1000戦単位で考えろ!
と教えるのは、非常に心苦しいがwそれが麻雀の姿だから仕方ない。

これはもう1つの質問にも全く同じことが言える。

②強者と自分の副露率や放銃率というような数字を比較して意味がないのか?

この質問者に限らず、よく
「放銃率が.130になってしまった…もう少しオリなくては」
「副露率.300は低いな…積極的に動いてみよう」
というTweetをしている人を見かける。

申し訳ないが、バッサリと斬り捨ててしまう。
その数字を追うことに全く意味はありません!

当然、私も一度も気にしたことがない。

例えば放銃率。
同じ放銃でも、いろんな性質を持った放銃がある。

① 見合わない手牌から、ついツモ切った脂っこい牌が仕掛けに放銃
② 手詰まってカチカチ音に焦って放銃、あとから振り返ったら安牌あった!
③ 下家が仕掛けているけど、安そうだし自分の手がいいから鳴かれてもいいや!と真っ直ぐ打って放銃
④ オーラストップ目のリーチを役無しと読んで、マンガンまではラス回避できるので一発だけ避けて差し込み、放銃。
⑤ 覚えた牌効率を駆使し、今までの自分には辿り着かなかったテンパイを組んで押したら放銃

このように、放銃と一言で言っても、たくさんあるのだ。
それぞれの放銃に良し悪しがあるし、理由が隠されている。

たしかに①や②のような無駄な放銃は減らすべきだろう。
しかし、③~⑤の放銃は、むしろ放銃すべきケースだとも言える。

③ができていない人は多いし、④は高レベルな読みと言える。
⑤に関しては、上手くなったからこそ放銃してしまったという例だ。

こうやっていろんな性質の放銃が増えたり減ったりしているわけ。
しかし放銃率という数字は、これらを一緒くたにされて計上されてしまう。

極端な話、放銃率を下げたかったら、どんな手牌でもオリれば下がる。

今一度問いたい。

そんな数字を見て、何の意味があるのか?

強くなるために大切なのは放銃率を追うことではない。

どういう手牌から放銃したのか、どういう手牌から副露したのか、その理由を分析することにある。

suphxや天鳳位やゆうせーさんの牌譜を研究するなら、数字は一旦無視しよう。
どんな手牌から何を切ったのか…を考え、自分との違いに落とし込んでいくのが有益だと思う。

天鳳で言うと、1000戦以上打って

放銃率.100~130
副露率.250~450

に収まっていれば、とりあえずは全く気にする必要はない。
少なくともその数字を参考に、打ち方を修正して強くなることはないだろう。これはアガリ率やリーチ率にも同様のことが言える。

2人目・天鳳でポイントを減らし、泣いちゃった女の子

次に2人目。
これまた一通のDMがきた。

友達のA子ちゃんが天鳳で負けすぎて落ち込んでいます!
一言でいいので励ましてあげてください!

なるほど、天鳳は罪なゲームだぜ。。
ところでどれくらい負けたんだろう?

2000ptから3日くらいで800ptまで落ちたそうです

なるほどなるほど。
一通りの文章を読み、を私は思った。



(よくあることやんけ…)

とまぁ、またしてもバッサリ斬り捨てることはできるのだが、女の子とあっては私が動かねばならない。

私も天鳳でのラスが悔しくて泣いたことがある。
参考記事→ソルティうな牛【麻雀】

いや、誰もが同じような思いをしたことがあるのではないだろうか。
泣いたり、怒って壁に穴を開けたり、マウスやモニターを破壊したり。

心理学的に、天鳳におけるラスのダメージはトップの4倍…というデータもある。
参考記事→行動経済学を麻雀に活かす【麻雀】★★~★★★

こう書くと、また男尊女卑と言われてしまうかもしれないが、女性にとって天鳳のラスのダメージは、きつくて耐えられないのではないか?と思ってしまう。
心理学的にも家庭を守るようにできている女性は、失うことに敏感に作られていると考えられる。


A子ちゃんを初めて見たのは2・3年前だ。
なんかの大会で参加した時、プロの後ろにて直立不動で観戦していたキレイな女の子がいた。それがA子ちゃんだった。

観戦マナーとして、「表情を変えない」「余計な動きをしない」というものが挙げられるが「局の最中に動かない」というのもある。
動いたら大したことない手牌なのだな、と読まれるからである。

A子ちゃんは直立不動のまま、1半荘ずっと見ていた。
熱心な子もいるのだな、と感心していたら、2回戦始まる前に私のところに来て「観戦していいですか」と言うではないか。

「まぁ、いいでしょう」
とすかして答え、キレイな女の子に見られて発奮した私は当然のトップ。
1から10までうんちくを披露しようとしたが、A子ちゃんは1つ2つ質問したあとに「ありがとうございました」といって3回戦は別の人のところにいってしまった。
それにしても、観戦だけのために大会に顔を出すなんて凄いな…と思ったのが初感である。

その後、A子ちゃんは勉強会や大会に参加するようになった。
天鳳を始めたり、本を買ったり、ゼロマガも購読したりして、勉強熱心なところはずっと変わらない。

ーー2000ptということは、六段だったんだな。
毎日コツコツ勉強して、少しずつ強くなって、憧れの鳳凰卓が目の前にきたから、ついptに執着してしまったのかもしれない。

人がイライラしたり、怒ったり、泣いたり…つまり感情的になるのは、「心の反応」があるからだ。

よくもまぁ次から次へといろんな本を出してくるなーと私も思うが…この本には、あらゆる悩みは「心の反応」があるから…と説いている。

悩みを解消するためには、悩みを理解したり、無駄な「心の反応」をしないことが大事。

まず悩みの理解から考えてみよう。

次にあげるのは私の段位遍歴だ。

7878909890909098909878989898

サラッと並んでいるように見えるが、この数字の羅列の間には様々な喜怒哀楽があり、魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)していて、紆余曲折していた。
支離滅裂である。

1つの数字に最低でも300戦の戦いがあり、長い時は2500戦かけて結局降段したときもあった。(最初の十段のときだ)
ここ数年は明らかな下落トレンドに入っていて、焦りの感情がないといったら嘘になるが、心は比較的穏やかである。

麻雀そんなものだと、どこかで悟ってしまったのだ。
もちろん、だからといって強くなることを放棄したわけではないし、悔しい気持ちは持っている。全くもって天鳳位を諦めてはいない。

ただ、短期の成績は、人の力ではどうしようもないのだ。

我々にできることは、コツコツと強くなるように努力する一方で、日々の結果に一喜一憂せず、打つことだけ。
本当にそれだけだ。

それが、麻雀を理解する、ということだと私は思う。

これを理解していないと、どうしてもptに執着心が生まれてくる。
執着心があると、南場に入ってラス争いをしているときに
(やばいやばいやばいやばい…!絶対ラスを引きたくないよぉ!)
ってなる。

しかし、皮肉なことに「ラスになりたくないという気持ち」のせいで結果的にラス率が高まっていると理解している人はどれくらいいるだろうか。

普通の人が「ラスりたくないー(>_<)」ってなっている中、これが強者だったらどうなのか、頭の中を覗いてみよう。

強者は現在の順位に関わらず、ひたすら場から情報を拾うことに集中し

上家の仕掛けは高いのか?役は?
見えてない役牌は?
◯をツモったらどうするか
◯は鳴くか
下家はオリ気味に打つはず…

などと、ありとあらゆることを先回りして考えている。
天鳳位のASAPIN氏(朝倉康心プロ)・太くないお氏・お知らせ氏
あたりは、こんなイメージだ。

そこに感情の入り込む隙間は、ない。

だから

R◯◯維持
◯◯日までに昇段
一日90ptずつ稼ごう

などと目標を立てている人がいるが、申し訳ないけど言わせてもらう。
それは、全くもって無意味な上に、その目標は執着しかうまず、何もいいことがない。

麻雀はそんなふうに都合良くできていない。

初・中級者に、最低1000戦単位で考えろとか、目標は持つなとか、ちょっとおかしいんじゃないのかと私も思う。
しかし、残念ながら麻雀はそういうゲームなのだ。

超優良noteであるゼロマガを読んでも、すぐに強くなったりしないし、逆にすぐに弱くなったりしない。
日々の積み重ねだ。

このことを理解しないと、余計な執着を生む。
まずは麻雀のゲーム性を理解しよう。話はそれからだ。


最後に「心の反応」。
「心の反応」はできる限り減らしたほうがいい。
反応が全ての感情の入り口だからだ。

しかし、人間だからどうしても反応してしまう。
仕事がうまくいかずにイライラしたり、人付き合いで失敗したり、三面張がカンチャンに負けたりしたらムキーってなる。全く反応するなという方が無理だと思う。

ではどうすればいいか。
先ほどの本には、自分の中にもう1人の自分を作ると良い、と書いてある。

イラッとした自分に対し、もう1人の自分が
「あ、今自分はイライラしているな」
と客観的な目線を持つのだ。

すると原因を探したり、一呼吸置いたりして、イライラする自分を鎮めることができる。

この客観的なもう1人の自分を作ることは、麻雀に限らず、生きていく上でとても大事だと思う。

A子ちゃんへ

いつもゼロマガを読んでくれてありがとう。
A子ちゃんが勉強熱心なのはみんな知っているし、俺もわかっているよ。

何の慰めにもならないけど、麻雀覚えたばっかりの女の子で天鳳六段って結構凄いと思うわ。
牌譜見たけど、ゼロマガで強く紹介した「早め5ブロック打法」を使っていて、感動すら覚えたよ。

多分…だけど、ポイントをいきなりたくさん失って、これまで積み上げてきたものが崩れていくような感覚になっちゃったんだよね。
悔しくて泣いて、私生活に影響が出るくらいまで落ち込むってことは、それだけ天鳳に真面目に取り組んでいるということで、俺はとても嬉しい。

ただ、どうしても伝えたいことがある。

それは、A子ちゃんがこれまで積み上げてきたことは、崩れたように見えるけど、少しも失っていないということ。
麻雀の性質上、実力は数字としてなかなか反映されないんだけど、A子ちゃんは去年より明らかに強くなっているし、これからもコツコツと勉強していこうぜ。

降段したらまたやり直せばいいじゃん。
天鳳に、いや麻雀にゲームオーバーはないんだよ。

俺はラスって落ち込む自分に気付いたら、なんておこがましいんだ!と思うことにしている。
お前は麻雀の何を知っているのか…と、
落ち込めるほど勉強をしたのか…と。

A子ちゃんにそこまで思えとは言えないけどw
少なくともラスを引いても何も失っていないことだけは覚えておいてね。

観戦している君の熱い眼差しに俺は胸を打たれたよ。
その熱意があれば、いつか必ず鳳凰卓にこれる。

そのときは、泣いた先日のことを笑って話せようになっているよ。
浜崎あゆみの歌詞か。

というわけで今後も適度に頑張り、少しずつでも確実に強くなっていこうぜ!

ZEROより

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