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ワークスタイル探訪Vol.7

はじめに

個人研究のテーマとして,弊社でサービスローンチしたCoMADOを使ってリモートでワークスタイルを探訪する調査のVol.7をまとめます.
今回ワークスタイルを紹介いただいたGさんのプロフィールは以下の通り.

Gさんプロフィール

仕事:木造建築や古物品などを現代に活かす活動家
仕事内容:建築設計アトリエの企画,木造建築の保存や活用,地域物産作りなど多岐にわたる
仕事場所:古民家オフィスと各活動拠点
1日にどれくらい机の前で過ごす?:出張や外出が多いので流動的

仕事環境調査

Gさんは建築設計アトリエの企画室長としてお仕事をしながら古い木造建築や地方の文化・伝統の素晴らしさに光をあて再活用することで,昔のものや環境自体が壊され存在自体がなくらならないようにと様々な試みをされています.そんなGさんがご自宅近くに借りられているオフィス 兼 倉庫 兼 ゲストハウスをリモートで見せて頂きながらインタビューさせて頂きました.
まず目についたのはたくさんの陶器.ご近所の陶芸家の方がご自身の作品の中で気に入らないとB級品としたものや欠けてしまったものなど,長らく置きっぱなしにされていた陶器をもったいないからと頂いてきたとのこと.欠けたり割れたりした陶器も金継ぎで蘇らせる計画もお持ちです.

陶芸家の方から譲り受けた様々な陶器


入り口近くに置いてある古い額に装丁された書は応仁の乱(1467-1477年)後に,近くのお寺に納める製茶が必要だからと開かれた製茶屋に飾られていた書で,茶を納めていたお寺の僧侶が書かれたものだそうです.製茶屋が店じまいする時に色々と譲り受けたものの一つとのこと.
陶器や書以外にも古民家のオフィスを見回すと無くなってほしくないとGさん自身が感じたものを引き取られ保管されている古物が散見しています.それぞれの古物は様々な歴史や背景があり,それらの物語や,出会いのエピソードを一つ一つGさんが興味深く語ってくださり,そこにあるすべてのものの背景に物語や存在理由があり,そして何よりGさんの愛情が注がれていることがわかります.

かつで製茶屋に飾られていた額書
卓上火鉢
製茶のためのお茶を蒸す箱

仕事のやり方

建築設計アトリエのサテライトオフィスとしてデスクワークやオンライン・オフラインの打ち合わせ場所として使われているとのことですが,現場での作業も多く,出たり入ったりが多いとのこと.ノートパソコンはオンラインミーティングや資料作りなどの作業で主に使われているそうです.

素敵な漆ぬりのパソコンを置く台座

こだわり

そもそもこのオフィス,古民家を借りて利用しているとのことですが,家屋がある街並みの昔から変わらぬ景観が気に入られ,空き家状態が続き壊されて近代的な建築物が建たないよう大家さんから借り受けたとのこと.2階の窓から臨む景観もすばらしくGさんの古物や環境そのものへの敬いが感じられます.

古民家の天井の明かり取りの窓からの木漏れ日
宿泊可能な2階の畳スペース

リフレッシュルーチン

リフレッシュルーチンは友人とのお茶やランチとのこと.散歩にちょうどよい距離にあるお寺の東屋でお茶やランチをしながら友人とおしゃべりするのがリフレッシュになるそうです.パン屋も近所に多いのでテイクアウトもバラエティがあり楽しめるそうです.

まとめ

Gさんの仕事内容を一言で表現すると何だろうと二人でインタビューの時に話し合いましたが適切な言葉が見つからず,「活動家」としました.
古いものをそのままの形で残し,誰かがその価値を気づいてくれるまでGさんが愛でて捨てずにとっておき,その価値をわかってくれる人に引き継ぎたいという強い思いをもった,リサクルでもなくアップサイクルでもなく,全ての「ありのまま」を大事にした活動をひたむきにされている姿が素晴らしかったです.
作業机のそばに置かれた腕が欠けてしまって捨てられるところだった大黒様も,お顔や佇まいが素敵で捨てるのはもったいないと譲ってもらった置物で,Gさんの愛情を受けながら穏やかに佇んでいらっしゃるようでとても印象的でした.

腕が欠けてしまった大黒様の置物


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