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FC今治vsSC相模原 【2-1】マッチレビュー

岡山近隣のJクラブの試合を見てみよう!ということで、今回はFC今治vsSC相模原の試合をチェックしてみました。今治は4連勝でスタートしたもののなかなかに苦戦しているようで、4連敗の後アウェイで松本に勝ち、琉球に敗れて迎えたこの試合。アウェイが5勝、ホームが2勝ということでなかなかホームで勝てない状況。

一方の相模原も苦戦しており、2連勝した後この試合を含め2連敗と成績が安定せず。とはいえ、2位の沼津とは勝点差3につけるという状況でした。いやそれにしても!ですよ。なんとこの試合を最後に戸田和幸監督が解任。


まだ上位を狙えそうな位置にいながらシーズン途中での解任ということで非常に大きな話題となっていました。相模原の内部事情はよくわかりませんが、「チェックしようチェックしよう」と思いつつ見逃していた戸田さんのチーム。まさか相模原での最後の試合を見ることになるとは・・!

いろんなことを思わせる解任劇だったなぁと思いました。戸田さんの次なるキャリアを楽しみにしたいと思います。


試合の方は決して多くないチャンスをしっかり仕留めた今治の勝利!という印象のゲームだったかなと思います。相模原としては前半悪くないペースで進めていたものの、ワンチャン先制を許し、後半相手の大きなミスをうまくついて同点。相模原のペースに持っていけそうな展開だったかな?と思いましたが、やや後半は失速した感が否めなかったという感じでしたかね。逆に今治はガタガタっと崩れてもおかしくないような失点のあと、見事に盛り返してゲームを制したなと思います。


スタメン



今治は4バックも予想された中、この試合は3421のフォーメーションで戦っていました。相模原はアンカーを置く3142のフォーメーション。両チームの選手で知っている選手というと、今治の阪野選手、相模原の瀬沼選手くらいかなあ。ちなみに、瀬沼選手は昔からかなり好きな選手で一度岡山に来てほしい!とずっと思ってました。俺の瀬沼・・!

両チームの試合を見るのはこれが初めてなので、知らないことだらけではありますが、ゲームを見た所感をまとめていきたいと思います。


セカンドボール争いからのカウンター


前後半の最初の10分くらいは両チームとも相手コートの深い位置まで出るハイプレスを展開し、相手のボール運びを邪魔しようと試みます。それに対しては双方ともにロングボールを蹴って回避する。

そうすると中盤でセカンドボール争いが発生してがちゃがちゃとした展開になりますが、相模原は伊藤、今治には横山・ヴィニシウスといった推進力のある選手がいるため、中盤のこぼれ球争いを制してそのままカウンターで運ぶ。双方ともにそういうシーンが散見された前半だったかなあと。ちょっとこのあたりチャンスのニオイのする場面でした。そんな中、最初に決定機を迎えたのは相模原。


ロングボールをヘッドではね返す応酬の中から、今治のヴィニシウスがボールを拾います。ところが、相模原に阻まれ再びこぼれ球に。

マイボールから相模原ボールに変わった瞬間、今治の守備陣形は崩れているのでそこを抜け目なくドリブルで仕掛けた伊藤にグイグイと運ばれてしまいます。結果的には、クロス→藤沼のヘッドという形を作られ今治としてはひとつピンチを迎えたという場面でした。


戸田監督の相模原をみたよ



そんな中、徐々にペースをつかんだのは相模原。20分過ぎたあたりから後方からショートパスを使ってボールを前に運んでいきます。さて、今治としては相模原のボール運びを邪魔していきたいわけですが、そこで問題になるのが両者の立ち位置の兼ね合い。29:40あたりからのシーンを見てみます。


相模原は3142なので、中央に中盤の選手が3人います。これに対し今治はダブルボランチなので2人。ということは一人人数が足りない格好になります。


今治の前線3人は相模原の3バックにプレッシャーをかけ、問題の中盤についてはボールに近い方の選手(この場合吉武)を今治のボランチが捕まえて制限をかけてやろう!というやり方をしていました。ところが、相模原のCB特に山下、金城は前にパスを送る力が高いため、


もう片方のインサイドハーフ前田へとスパン!とパスを通されてしまいました。このようにいなされて前向きを作られると下がって防がないといけなくなるため、今治としては相手の3人の中盤をかなり丁寧にケアする必要がある、と。


また、32:40あたりからのシーンでは、低い位置からの相模原の組み立てに対し今治がハイプレスに出ます。CBの山下→IH吉武のところはやはり”近い方の中盤はつかむ”の約束事のとおりモスキオンがプレッシャーをかける。


一旦山下に戻すと、今度は左CBの金城が中に入りボールを引き出す。こうすることで、今治の前線のプレッシングを上手にはがして前向きをつくることに成功していました。


前向きを作ることができれば前方にパスを送るスタンバイOK!ということで、金城から大きなサイドチェンジを入れて右WBの橋本を走らせる。このように非常に巧みに今治のハイプレスを回避してボールを進めるシーンを披露していました。この試合では相模原の最もよい「運ぶ」シーンだったかなと思います。


この試合ではあまり披露することはなかったですが、FWの伊藤はたびたび前線から下りてきてボールの受け手となりたそうなそぶりをみせていました。なので、後方で相手のプレスをいなして前向きを作った際にインサイドでは伊藤が引き取り手になるパターンもあるのかな?と。

このシーンなんかは今治の前プレも結構タイトでしたし、それをはがした相模原の展開は見ていて「うまい!」と唸ってしまうくらいでした。もうすこし時間があれば、もっと多彩な組み立てを実装した見ていておもしろいサッカーを作れたのかも?しれないなと思うと、戸田監督の続きも見てみたい気もするシーンでしたね。


ということで、前半の中ほどからは主に相模原がボールを持ちペースを握った前半だったんですが、得点に至らなかったのは痛かった。今治はそこまで有効と言えそうな攻撃を展開出来ていたわけでもなく、決定機と言える決定機もありませんでした。しかし、前半の終わりにセットプレーの流れからきれいなミドルを蹴り込んで今治が先制。今治は多くないチャンスを確実に仕留めて前半を1-0で折り返すこととなります。

ミスから失点するもペースは今治に


ペースを握られながらも先制することができ、非常にいい形で前半を折り返したFC今治。しかし、後半の開始早々意外な形で同点に追いつかれてしまいます。

今治のペナルティエリア内からの組み立てに対して相模原がプレッシャーをかけると、CBからのタテパスがズレてかっさらわれてしまいます。そのまま中央から持ち込まれてシュートを叩きこまれて同点。なんとももったいない失点でした。


非常にマズい形での失点だったので、これで流れは一気に相模原に傾くのかな?と思いきや、ペースは今治に。ちょっとこれは予想外でした。

相模原は後半もっとショートパスを主体としてつないでくるのかな?と思いきや、CBからのロングボールの比率が増えていきます。また、セカンドボール争いにおいては後半は今治の方がはっきりと回収率を上げており、相模原はなかなか思ったようにチャンスメイクに至ることができない流れ。

さらに前線の運動量が落ちた分、今治の前進を制限する力も落ちて、今治にボールを握られる時間が増えていきました。このあたりはちょっと試合の流れ的にもうすこし相模原としては何とかしたかったかなぁと。60分から70分はかなり今治のペースとなり、左CBの持ち上がりからサイドチェンジをはさみ、ボックス内にもちこんでサイドはヴィニシウスが仕留めて逆転。

今治もペースを握っていたとはいえ、ビッグチャンスがたくさんあったわけではなかったんですよね。なので、この追加点が多分後半最初のチャンスだったと思います。ほんとに、効率よくビッグチャンスを2つ仕留めて突き放すことに成功した今治のゲームだったなぁと。

長身選手を投入しするも追撃及ばずの相模原


70分をすぎたあたりからはリードしていることもあってか、今治がやや引いて構えるようになります。そうすると相模原はCBがかなり余裕をもってボールを持てるんですが、やはり中央にタテパスを刺していくというよりは左右に動かしてスペースを狙っていったり、あるいは俺の瀬沼、あるいは水口といった長身選手をターゲットにした攻撃を見せますが・・・追撃は及ばず。

うーん。相模原としてはちょっと前後半の出来にバラつきがあったかなぁと。後半想像以上にロングボールが増え、セカンドボールを今治に拾われまくったのが痛かったかなぁという印象でした。

FC今治の印象ー気になった選手


ということで、はじめてFC今治の試合を見ました!いやあ、おもしろかった。この1試合ではまだまだ服部監督がどういうことをやろうとしているのか?を推察するのは難しいですが、ひとまず守備はハイプレスをしっかりやっていくんだなと。攻撃の方はもうちょいボールを動かして運んでいきたそうに見えましたが、まだまだなのかなという印象でした。

今治で気になった選手は、まずヴィニシウス。いい選手ですね。しっかり得点ランキングにも名を連ねており結果も出ている。もうどうにも手が付けられない!という感じじゃないですが、体の強さ、スピード、ドリブルとかなり相模原の選手を振り回していました。ヴィニシウスのところでボールが収まるので、攻撃の軸として非常に頼もしいなと。

あとは、高卒ルーキー?の横山選手。おもしろい選手ですね!まず、ドリブルを持っていて単独で仕掛けられる点が素晴らしい。そして、スピードがあるので攻守にわたってチームを助ける貢献ができる。特に、彼の背後を相模原が狙うシーンが多く、戻りながらの守備をかなり丹念にやっていたのが好印象でした。そして、味方を使うのもうまいので彼単品でも結構やっかいですが、彼に絡んでいく選手がいるとよりめんどくさい状況を相手に押し付けることができていたように思います。先々が楽しみなタレントかなと思います。

初見ということもあってかなりザックリとした話で恐縮ですが、ようやくFC今治の試合を見れて楽しかったです!また、ちょくちょくチェックしてみたいと思います。里山スタジアムになってからまだ行ってないのでまた行きたいですね!





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