Tape on Tapeから始めた

わたしはあまりアニメを観ないのです。古い映画やらドラマやらがどうしても優先されてしまい、最近だとNetflixで「Cyberpunk: Edgerunners」を観たくらいです(ゲームで遊んで好きだったからね)。でも最近、周りで「ぼっち・ざ・ろっく!」の話をよく聞くようになり、ちょっとだけ観ました。思春期に夢を見て、楽器の演奏を始める辺りはちょっと自分と重なる部分もあり、懐かしく思いました。ただ、わたしの時代にはネットで「弾いてみた動画」なんてまだまだ存在せず、中学の頃は両親が昔から集めていたレコードに合わせて練習していたのですが、誰かのラジオかインタビューで「Tape on Tape」という原始的なマルチレコーディングの手法を知り、お年玉で安いドラムマシンを買い、家にあったちゃちなカシオトーンも使って、ステレオカセットデッキとモノラルのラジカセを使って実験的に録音を始めました。もちろんミキサーなんか無いので、手順としては

  1. まず、モノラルのラジカセのライン入力とマイクのミキシング機能を使って、リズムトラック(ドラムマシンとサイドギター)をテープAに録音。

  2. 次にラジカセをステレオカセットデッキのLチャンネルにダイレクトに接続、それを聴きながらRチャンネルにキーボードか、ベースのパートをギターで(ベース無いんだもの)テープBに録音。

  3. テープBをラジカセ側に入れ替えて、再度の録音、ここで大体リードギターを入れる。

  4. …以下気が済むまで繰り返す。

という原始人の様な一人演奏をして遊んでいました。ギターはバッタものの怪しいストラトキャスターモデルと、おまけで貰ったちっちゃなアンプ、手元にあるエフェクターはオーヴァードライブだけ、なぜか家にあったマイクやらおもちゃのピアノやら何でも使って遊んでいたのです。何度もダビングを重ねていくとだんだん2台のデッキのテープの微妙な回転速度の差のせいでキーが下がったり、物凄いノイズの塊になったり、思いがけない音響効果が生まれたり、楽しかったなあ。
もちろん、そうやって作った自作曲等はどこにも公開する場所など無く、度重なる引っ越しの時にどこかへ行ってしまいましたが、ただただ面白かったからやっていたし、その後で友人とバンドを組んだり、安くなった4chのMTRデッキを買ったりしているうちに、とうとうMacで夢に見た「本当っぽい」マルチレコーディング環境が出来ました。

ただ、これはわたしのひねくれた性格のせいなのでしょうが、バンドをやっていてもあまり楽しくは無く、なんというか「裏方」の方が落ち着いて楽しめるのです。「脚光を浴びたい」という、きっとプレイヤーにとっては大事な欲がすっぽりと抜け落ちている感じです。

以前の記事で「セカンドライフ」で遊んでいたことを書きましたが、その時に歌が上手で、音楽の好みも似通っている人と出会えて、一緒に何曲か作りました。この時はきっと完全な匿名だったからだと思いますが、とても楽しかったです。
その時に作った曲を次にアップしたいと思います(これです)

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