Lou Reed / before V.U
(以下の記事は以前に他サービスのブログに書いたものです。再放送って訳ですね。当時見つからなかった音源も見つかりましたので少々手直しをしています)
Velvet Underground 結成以前のルー・リードがPickwick Recordsでソングライター兼スタジオミュージシャンとして作った(でっち上げた)レコードをまとめてみました。
まず、ルー・リードことルイス・アラン・リードはThe Jadesというドゥワップ・グループでTimeというレーベルからシングルを一枚出しました。
Leave Her For Me / The Jades (Time 1002, USA, 1958)
So Blue / The Jades
A/B面どちらもLewis Reedの作詞作曲(So BlueはリードシンガーのPhil Harrisとの共作)です。
私はずっとこのシンガーがルーだと思っていて、「若い頃は声が違うもんだな」と思っていましたがなんとYouTubeの「Leave Her For Me」のコメントに「Lou was not the lead vocalist on any of The Shades/The Jades singles. The singer is Phil Harris- who is my dad.」と、実のご子息から書き込みがありました。真偽はともかく、私は信じます。この時期、The Jades(The Shadesを名乗っていた事もあるようです)で、作詞作曲、そしてギターと(おそらく)バックコーラスをルーが担当していたという事になると思います。
そしてThe Jadesのプロデューサーによって62年に録音されたLewis Reed名義の2曲があります。これは当時未発表に終わりましたが、ずーっと後の2000年に突如CDで発売されます。
Rockin' On Broadway - The Time Brent Shad Story (Ace CDCHD 758, UK, 2000).
Your Love
Merry Go 'round
ここまでの4曲は「All Tomorrow's Dance Parties」というシャレた名前で2000年にアナログEPで発売されています。
(Norton EP-097, USA, 2000)
さて翌63年、ルーはニューヨークへと移り住み、Pickwick Recordsで働く事となります。
このPickwick Recordsというレーベル、ちょっと検索していただければおわかりになると思いますが、相当うさん臭いレーベルと言いますか、変なレコードを量産して来た、言ってしまえば超Z級なレーベルです(私は好きです)。ドラッグストア等で安売りされるような、ビーチボーイズですとかビートルズですとかのヒット曲満載の(だけど演奏してるのは誰だかわからない覆面バンド)パーティ向けアルバムやら、契約更新のドサクサにまぎれてほとんど無許可で出した様な怪しいアルバム等を専門に扱う素敵なレーベルです。褒めてます。
ルーはそこで専属のソングライターとして、そして『誰だかわからない覆面バンド』として働いていました。
The Ostrich b/w Sneaky Pete / The Primitives (Pickwick City PC-9001, December 1964)
(Reed - Sims - Vance - Phillips)
作者として、またリードボーカルとしての録音です。だんだんお馴染みの「あのルー」(どの?)になってきましたね。おそらくこの録音時のアウトテイクとおもわれる曲もYouTubeにUPされていました。
注)ノイズがひどいです。音量注意!!
The Human Centipede
Soul City / The Foxes
(Bridgeview BV-7000, USA, 1965)
(Philips - Vance - Sims - Reed)(LouはA面のみ)
Don't Put All Your Eggs In One Basket / The All Night Workers
(Round Sound RS-1, 1965)
b/w Why Don't You Smile Now (Phillips - Vance - Reed - Cale)
65年のこのThe All Night Workersのシングルはそこそこ売れたようです。特記すべきはB面曲、共作者にJohn Caleの名前があります。
またこの曲はイギリスのDownliners Sect (!!) もカバーしています。
I've Got A Tiger In My Tank b/w Smart Too Late / The Intimates
(Epic 5-9743, 1965) これもルーはA面にのみクレジットされています。
I've Got A Tiger In My Tank / The Intimates (Motta - Philips - Sims - Vance - Reed)
Tell Mama Not To Cry b/w Maybe Tomorrow / Roberta Williams
(Uptown 707, early 1965)
Tell Mama Not To Cry (Vance - Sims - Reed - Philips)
Maybe Tomorrow (Vance - Sims - Reed - Philips)
このRoberta Williamsというシンガー、別会社から出たアルバム「Irma Thomas - Maxine Brown - Ronnie Dickerson」(Grand Prix KS-426, 1965。B面曲の「Maybe Tomorrow」を収録)ではRonnie Dickersonという名前になっております。素晴らしい。
以上がVU以前のコマーシャルな音楽家としてのルー・リード、シングル盤参加編でした。
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