英語の「精読」？
前のブログ「早く読みたければゆっくり読もう」で大切だと紹介した『精読』。
『精読』と言われても
？？？？
という人もいるだろう。
今日は『精読』についてもう少し詳しくお話しよう。
精読とはどんな読み方？
英語の文章を『精読』するというのは、英文をその中の単語の意味や文法をきちんと理解しながら読むということだ。つまり細部まで丁寧に読む＝精密に読む＝精読なのだ。
・意味が分からない単語や意味があいまいな単語はそのままにせず、必ず調べてから読み進める。
・文構造を読み取りながら、主語はどこまで、述語動詞はどれ、文中の修飾関係も明確に、ある意味分析しながら読み進める。
※こんな読み方高校の時にさんざんやらされたよ～という方、そうです。あの英文解釈です。批判の多い日本の英語教育ですが、こと『精読』のみに関していうと実は英語教育界のカリスマ達からの評価も高いのです。
精読って本当に効果があるの？
あんなに英文解釈やったけど、、、英語は苦手なままだった、、、と言いたい方もおられるだろうが、『精読』には実はこんな効果があるのだ。
１．語彙と文法が定着する
文の主語、述語動詞、単語のかたまりの修飾関係等をきちんと確認しながら読むことで文構造に対する意識が高まり、そこに英文法の知識を適用するため文法が定着する。また、知らない単語の意味を調べて、それを文構造が明白で意味が分かっている文章の中で繰り返し読むことで、新しい単語を文脈の中で覚えることができる。より効率的に定着させたい時には精読した後に音読してみよう。繰り返し読むたびに単語や文法が自分の中で生きたものになっていくのを感じられるだろう。
２．細かい意味の違い、ニュアンスの違いに気づけるようになる
細部まで注意して読むことで、前置詞の使い方、時制の違い、代名詞が何/誰を指しているのか等まで正しく読み取ることができる。私自身の指導経験からも、学生達が英文中の形容詞や副詞の比較級に気づかず、英文理解が微妙に違ってしまって指摘せざるを得ないことがよくあったことを思い出す。精読によって、大雑把に読んだだけでは気付きづらい意味の違いに意識を向けられるので、より正確な英文理解が可能になるのだ。
３．英文の速読ができるようになる
英文を速く読むために必要なのは目を左から右に速く動かすことではない。一番必要なのは「英文の構造」をきっちり正確につかむことだ。この英文の構造をきっちりつかむというのは、まさに精読！精読で英文の構造をつかむトレーニングを積むことで、読みながら先々の英文構造を予想する力がついたり、無意識的に英文構造を取れるようになるため、英文を読むスピードも上がるのだ。やはり精読の後に音読をすることでより効率的に速読ができるようになることを付け加えておきたい。
精読ってどうやるの？
では、どのような手順で読めば効果的な精読ができるのか？
まずは英文全体を読み進めよう。この時は黙読でも音読でもどちらでも大丈夫。ちなみに私は音読派。その方が単語の読み方や文の切り方(いわゆるスラッシュ)があいまいなところが明白になるから。
読んでいて知らない単語やフレーズ、文構造が複雑で分かりづらい文、単語も文構造も分かるけど意味が取れない箇所などにマークをつける。
マークを付けた部分の単語やフレーズの意味を調べたり、文構造の分析をする。必要な時にはS, V, Oや同格並列、挿入箇所などに印をつける。前後の文脈を読み込んで曖昧だった意味も明確にする。
日本語訳がついている英文であれば、ここで自分の理解が正しいかどうかをチェックしてみると安心だ。
その後、意味のかたまり(チャンク)の切れ目を意識しながら、再度全文を読み直す。この時は文章全体の意味や論点の流れなどをしっかり理解できているか確認しながら読むことが大事になってくる。読みながら意味がすぐに頭に浮かぶまで何回でも繰り返し読んでみよう。この時も黙読でも良いのだが、チャンクの切れ目や単語の読み方でごまかしがきかないよう音読をすることをお勧めする。
この最後の過程がとても大事！
この過程を飛ばすのはザルに水を注ぐようなもの。学校英語ではこの1番大切な過程に取り組む余裕がなかったため、個人的に取り組んでいた英語に対して意識高い系生徒以外は、なかなか効果が感じられなかったと言える。
正しいやり方で精読に挑戦してみよう
精読について知らなかった人も、学生時代英文解釈で効果を感じられなかった人も、是非正しいやり方で精読に挑戦して欲しい。大切なのは、自分の英語のレベルにあった文章から始めることだ。短い文章からでも構わない。英語力、読解力、速読力が上がること間違いなし。
「精読」してみたいけど、最初は一人ではちょっと不安という方は、英語コーチに相談してみて。きっと助けになってくれるはず！
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