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英文 速く読みたければゆっくり読もう

英語の試験では制限時間内にたくさんの英文を処理して問題を解かなかればいけない。例えばTOEICのリーディングパートのワード数は6000語以上だとと言われているが、これを75分で処理して正解を選ばなければならない。TOEICだけでなく英検でも入試問題でも英文を早く読めないと高得点はとれないのである。

たくさんの英文を早く処理することが重要だという時流に乗ってか、かつての非効率的な英文解釈的な教え方の反動なのか、最近の学校での英語教育では教科書や問題集の英語の文章をきちんと訳す作業を省き、大まかな意味をとって設問の答えの根拠となるところを示して終わり、ということが多いようだ。

また英語学習に個人的に取り組んでいる大人であっても、スキミング・スキャニング・速読といった言葉に踊らされ(?)、とにかく目を左から右へ、上から下へ動かしていれば英文を早く読んでいる気持ちになっている人も少なくない。

しかしそのような読み方しかしていない人は遅かれ早かれ壁にぶつかる。試験の点数は頭打ちになり、英字新聞や原書をスラスラと読むなんていうのは至難の業だと思い知らされる。その結果自分には英語のセンスはないと思い込み英語学習を止めてしまうかもしれない。

ここでちょっと考えてもらいたい。

ある男の子が大谷選手に憧れてお父さんにバットを買ってもらった。バットのスイングスピードは速ければ速い方が良いと、いきなりバットをブンブン振り回す練習を始めたらどうだろうか。そうやっているうちにスイングスピードがだんだん上がって大谷選手のようにホームランを打てるようになるのだろうか。

そんなことは絶対にないと、誰もが答えるだろう。

スクワットや腕立て伏せで基本的な筋力をつけた上で、バランスの良いフォームを身につけるため、足の位置、バットの持ち方、腰の回し方、力の移動の仕方など、ひとつひとつ確認しながらバットを回すことから始めるだろう。最初はスローモーションのようにゆっくりゆっくり回すのだ。

英文を速く読むためにも、実は同様のトレーニングが必要だ。

語彙力と文法力という筋力をつけた上で、それらが文章の中でどのよう使われているかをひとつひとつ確認しながら(=理解しながら)最初はゆっくり読み始める。焦らなくてもよい。分からない単語や表現を調べるために、読み止まる時もあるくらいだ。

これが『精読』。精読することで読んでいる英文の意味を正確に理解する。

さて、バットをゆっくり回していた男の子は、適切な筋力がついて正しいフォームでバットを回せるようになったら、今度はだんだんとスイングのスピードを上げていくだろう。

では、精読で英文の意味が分かったら、読むスピードを上げるため、次は何をしたらよいのだろう。

それは『音読』だ。

意味もなくただ声を出して読む音読では効果がない。大切なのは音読をしながら必ず英文の意味が頭の中で理解できていること。精読で確認した単語や文法を音読している速度でも理解できていなければならない。だからここでも最初はゆ~っくり読んで大丈夫。理解を伴う音読を同じ文で5回10回と繰り返す時に少しずつ音読の速度を上げることを意識してみよう。

試合でホームランを打てたとしたら、それは日々の地道なトレーニングの成果だ。ゆっくりゆっくりバットを回すところから始めたトレーニングの。

もしあなたが英文を少しでも速く読めるようになりたいと思っているなら、まずはゆっくり読むところから始めてみてください。『精読』と『音読』を繰り返すことで、試合で男の子がホームランを打てたように、あなたも初めての英文でも速く読むことができるようになるのです。

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