レッスンを受けた理由:トロンボーンの音が出せなくなるまで(1)
1.些細なきっかけ
レッスンを受けたのは、大学生4回生の時です。
それまで使っていたヤマハの楽器から、先輩に売ってもらったバックの
楽器を変えた事が原因で、音がまともに出なくなってしまったからです。
当時使っていたのはアイルリッヒの深めのマウスピース(5GS相当)。
買い換えたバックの楽器は、使っていたヤマハの楽器に比べてとても抵抗の強い楽器でした。
2.間違えた努力
「吹きにくいかも…?」と思いながらも、いずれ慣れるだろうと吹き込み続けた結果、徐々に調子は崩れていきました。
最終的には、ヤマハの楽器では吹けていたメロディアスエチュードやコーポラッシュは吹けなくなり、最後にはチューニングのB♭の音ですら、"ff"並みの息を入れないと音が鳴らなくなってしまいました。
今思うと、ヤマハの時は「抵抗の軽い楽器で、重ためのマウスピース」だったため、息の圧力をかけることで太い音色を作っていたのだと思います。
それを、真逆の抵抗感を持つ楽器で続けたため、口がどんどん開いていってしまい吹き方が完全に変わってしまった…という事が起きてしまったのだと思います。
頑張れば頑張るほど。吹けば吹くほど。少しづつ、少しづつ
音が出なくなってしまっていきました。
3.そして吹けなくなった
そして、そこから十数年にも及ぶ長い長いスランプが始まります。
これを読んでる方は、私のようにならない様に早く専門家に相談してください。私は、①→③の順番で悪くなっていきました。
①調子が悪い時に無理して練習をする(変な癖が定着してしまう)
②変な癖が定着してしまい、音を出すことが怖くなりまともに音が出せず
ロングトーンすらできなくなる。
③楽器を辞めたくなる。吹きたいのに、吹くのが辛くて怖い。
特に②の事象は、心理的なものなので治すのがとても難しいです。
自分の中には「ちゃんと吹けていた」時のイメージが残ってしまっていますので、身体が勝手にミスを防ごうとして意識とは関係なく変な動きをしてしまいます。スポーツで言う「イップス」の様な状態だと思います。そして、私の場合には、克服には十年以上の月日が必要でした。
楽器を変えて、B♭が出なくなるまでたったの10か月程度でした。
毎日必死で練習しても悪化しかしない事に絶望した私は、プロの先生に助けてもらおうと、レッスンを依頼したのでした。
(続く)
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