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無尽
無尽
甲信地方には無尽という仕組みがある。もしかしたらほかの地方でも似たような仕組みはありそうだが、何人かで会を作る。そして毎月いくらかを積み立てる。昔はその積立金でお伊勢参りをしたそうだ。一生に一度お参りできるかどうか、そのためにみんなで積み立てて順繰りにお参りの資金とする。それが無尽という仕組みだと聞いた。
保険に似ている。掛け金を広く募って何かあった人のために使う。同じような仕組みは日本のみならず外国にもありそうだ。そして、現在の無尽はといえば、集めたお金で月に一度メンバーで宴会を開く。土曜か日曜が多い。
無尽の会はいろいろな場所で募られる。たとえは職場、たとえば町内、たとえば学校の保護者の間で。だいたい二つ程度の無尽に加入しているのがそのあたりの人のスタンダード。
一つの無尽の会費はだいたい三千円。二つで六千円。三つだと一万円弱。毎月きちきちと支払う。それで宴会に出る。
三つの無尽なら月三回。一万円払って三日の夜を費やす無尽。どんな話題で夜を過ごすのだろうか。たくさん飲む人が得をするのだろうか。まあ、楽しんだもの勝ちではあるだろう。
私は余所者だったので無尽には誘われなかった。誘わせない雰囲気をまとった。無尽についてぼやくのを聞いたことがある。もし、そういうシチュエーションに置かれたとしたら、あなたは無尽に入りますか?
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