治らない

治らない

酒の癖、借金、浪費癖、浮気癖、ギャンブル癖。治らないと思う。何度でも繰り返す。とくに、浮気などは何度でも繰り返す。おそらく、それをしなくなったときその人は生きる意味を見失っている。ギャンブル、浪費、酒。みんなそうだと思う。いわば癖はその人の属性なのだ。それを承知で、それを補ってなお余りある魅力を持つ人がいる。そういう人にはそれを承知で人が寄る。そして、結局、耐えられなくなって去ってゆく。その人をどうにかできると思うのか、それができずに我慢しきれなくなるのか、受け入れて飽きられてしまうのか、いろいろな理由で一度は寄ってもいずれ離れる。もちろん、そのまま一生添い遂げるという場合もあろうかと思うが、それはおそらくどちらかが自らの中の自然を曲げている。それで幸せなのならば本当の酒癖、浮気癖、借金癖では無い。他人に曲げられてしまう程度の属性に過ぎなかったのだ。どんなに監視が強くても一瞬の隙をぬってほかの異性と情を交わす。その手口、その熱意。そして、その結果もとうに見えている。そこまでワンセットになって、その行為を繰り返すのだ。逆に、隙を用意させることに長けているのかもしれない。本物はおそらく自然に他人に自分を通させる術を心得ている。それも才能でおそらく希有なる才能だ。