見出し画像

車で医療センターへ Sugar-P#3

糖尿病しかも重症数値を告げる衝撃の電話か
ら一週間経過した あれから 食事制限と運動
はひとまず挫折せず続けられている 空腹感に
も慣れて 運動も楽になってきた 盆明け 医院
は木曜につながり再会は金曜 今日がその金
だった

メンタルクリニックに朝一 紹介状を取りに行く
9時30秒ほど前 受付でその旨を告げると 受付
の女性は ああ 夕方に先生が電話した方 と
当方を覚えていた 市立医療センターへの書状
代金750円なり これは一律で決まった額だ
3割負担で そこから妻の運転してくれる車で
医療センターへむかう 裏道を知っていてすぐに
センターに着いた おそらく 9時40分までは
行かない 受付が電車の停まった改札のように
混雑している 休み明けという事情もあるのだろう
紹介状持参受診と予約のみとがあるが何時間
かかろうと見てもらおうと思っていた 前もって
口コミを調べたところ 予約があってもニ三時間
待ちはざらだとのこと 受付の人に 五時間ぐらい
かかりますかね と聞いたら さあ 診療科に
よって違いますから何とも と言われた まあ
そうとしか答えられないと理解し諸手続きを終え
待合で待つ 妻には受付が終わった段階で帰って
もらった

本当に失礼で私もひとのことを言えないが待合
の椅子には見事にふくよかなバディの男女が
並ぶ 背中が丸くふっくらしていて いや これ
以上言うまい 人は人 自分は自分 ここ一週間
でかなり体調の改善もされてきて 体のだるさ
も取れ 勝負を勝ちに行っている 気分は微か
に前寄りになっている 還暦前に きちんと体の
メンテナンスと今後の習慣をつけておかなければ
文芸を含めて人生を楽しむことができない こ
れから 自費だが五冊程度本を出したいと思って
いる アイディアがあっても形にできなければ
意味がない ありていに言って 今の私の生き方
というのは何か書くことでちょっと違うとうぬぼれた
自堕落な屑の生き方だ それはそれで自ら選ん
だとして特に引け目もないものの 何かしら残す
物が欲しい その形が明確なのが私にとっての
本 書物 という事になる 読まれるかどうかは
個人的な目論見につき二の次 まずは形で

角川春樹事務所から出た古本とジャズ 植草
甚一著 を読みながらひたすら待つ 後ろで
よく通る声でしゃべるどういう関係なのかわから
ない中年の女と老人の話が耳について内容が
八割程度になってしまう 植草の御仁は勝手に
古本の価格を書き換えてしまうという迷惑な逸話
で記憶している 高校の頃 友達が晶文社か
ら出ていた植草甚一のビニールカバーのぺー
パーバックのような選集を図書室で借りて確か
全巻読んでいた LSDとかマリファナの話の巻
なんか確かあったはずだが特に図書室では
お構いなしだったのか 確か奴も糖尿になった
と言っていた 後ろでは電動車いすとかシニア
カーとかそんな話になっている 俺500万円あ
るから などと大声が聞こえ 今度FX始めよう
などと聞こえてくる やめとけ

電光掲示で呼ばれる四つ前までわかる 番号
が出たのは三時間ほど経過してからだろうか
待ちは覚悟で臨んでいたからむしろ早いような
感覚を覚えた 担当医師についてはネットで
予習してあった 大体 この町の医療センター
はC大医学部出身の医師で占められ 先生も
西日暮里の超進学校から昔千葉いのはなを出て
三年ほど前に赴任してきたようだ 糖尿診療の
重要人物のようであるのがFBの内容からうか
がえた というよりそう思いたい 緊張して診察
を受けたものの この間の経緯やかかる前に自己
流で両方を開始したのを聞いて あ あなた
真面目そうだからあまり心配なさそうだね と
あっさり言われて 右肩がかくっ と落ちるような
気がした 紹介状に書かれた検査数値と問診
表から長年の診療経験を持って言われたのだ
ろう こうなれば素人が気をもむことではない
プロの指示に従うばかり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?