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呼び止められるまで

呼び止められるまで

呼び止められるまで
気が
つかなかった

よく
僕の事
わかったね

僕も
よく
きみと分かったものだ

すこし
話をしよう
となって

でも
知っているところは
みんな
なくなってしまっていて

僕たちは
街中を
歩きながら

すこし
汗ばんで
上気しながら

冷たく冷えた
部屋にいて
たっぷりと
お互いの
からだで
あれからのことを
伝え合った

あるべきところの
ほくろが
なかった

きみは誰

きみは頑として
口をきかず
ただ
薄く微笑んでいて

僕だけ
みにくく
贅肉をつけて

罠にはまった
ようなきがして

それでもいいや

すぐ
思えた

僕たちは
もう手を
つないでいて

おたがいに
強く握り合ってる

ホテルを出ると
窓が開いて

掛布団
だらりと
垂らした


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