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夢の庭

夢の庭

初めて働いた
職場に
パートとして入ってきた

作家の
黒井千次と
一緒に働いていた
とのこと
全然違う
本名とのギャップ
やくざみたい
とか笑っていた

黒井千次
掌編がいい
時空がゆがむような
眩暈感

都築道夫の
掌編にも感じた
親父と
同い年だった
生きてれば92

めまいの
感覚だけ残っている
俺といえば
こんなことばっかり

ボーイッシュな
感じの人だった
多分
当時四十前後か

職場でも
書き物すること
言っていた
今考えると恥ずかしい
何でだ

経理のパート
狭い
バックヤードの
幅一メートルほどの
突き当りで
いつも電卓を
打っていた

菱山修三
って知ってる?

訊かれた

そのとき
知っていたような
いないような

夢の庭
って詩が好きなのよね

大岡信が
菱山に触れた文を
書いていた気がする

ゆめのにわ

いいのかな
すぐぐぐる

夢の女
という詩集出していた
油面女
とミスタイプした

もう一度
読みたい
あの詩

稀覯本というわけではなかった
池袋の
ぽえむぱろうる
あたりに
菱山修三詩集
あった

高かった
プレゼントでもすれば
喜ばれたろう
けど

みんな年上の人妻ばかりだ

ありがとう
この本に載ってた
読めて
嬉しかった

達筆で
手紙をもらった
離職するとき

あの時の
たたずまい
覚えている

今はひょっとして
曾孫もいるかも
あのときいた
誰にも会っていない

教養って
身に着けるのは
本当に難しいけれど
教養のあるようにするには
自分の詳しいところに
なんでも話を
持って行ってしまう
それで
有る
ように見せかけられるんだよな
じっくり話せば
ばれるけど

でも
いまどき
教養なんて
恥ずかしいんだって
アン
ユースフル?

菱山のその詩は
夢の中でみた
庭のブランコが
ゆれていた
というような内容だったか
もう
何でも
うる覚え

悪魔はあくまで悪魔である
という本
都築の著作に
確かあったはず

一人だと
教養がなくても
困らんなあ

自分一人で
気がせく
だけ

わかりやすさを突き詰めて
絵本のように
すべての
本が
なっちゃえ

作家は
書いた動機
読みどころ
難しい場面の解説
なんを言いたいか
すべて
本文に織り交ぜて書けばいい
ヌーボー
ヌーボーロマンだ

黒井千次氏
ご存命です
じき九十歳

わが母八十六歳

ワクチン
二回打ちました

ほとんど
自動筆記です
または
連想記述
ブルトンとフロイト

ピンクフロイド

ピンククラウド




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