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音楽をとっかかりに

音楽をとっかかりに

音楽を聴くとき、まずどこを聴くか。歌、歌詞。メロディ。私の場合はドラムのリズムをまず聴いている。そして瞬時に、自分に叩けるものかどうかを頭の中でより分けてしまう。叩けない、と感じるものはどうやって手足が組み合わさり、どのようなリズムになっているか無意識に分析してしまう。ドラムを叩き始めた頃からの癖だ。

次にベースラインを聴く。ベースの聞き分けは割と難しい。ネットの記事で読んだのだが、ひとは無意識に音楽を聴くときはベースを聴いているという。私はおもに軽音楽ばかり聴いているので、なるほど、と感じるものがあった。ベースは腹にずしずし響かなければ。また、地を這うようにもこもことして音の輪郭が溶けてしまったような低音でなければ、と思ってしまう。従って、ウッドベースの、アコースティックで弦をひっかけて弾くような、指板に弦がかちかち当たるような音、それはそれで好きだが、そのような個としてのベースやチョッパー(いまはスラップ?)のようなトレブルかつトリッキーなベースは、私にとってはジャンルとして別物に感じる。もこもこと輪郭のないベースがランニングというか、ドライブというか、いろいろな音を蛇のように不規則に這っていく上に、ドラムのビートや、エレキギターのリフが乗る、というのが個人的には好きなスタイルだ。

歌が入るならば、意味の分からない外国語か、意味を余りなさない物語性もメッセージ性もない歌詞がいい。しかし、ヒッピーとか、フーテンとか、私より一回りほど上の世代の時代の日本の軽音楽には、歌詞をふくめてものすごく「来る」ものが時折ある。音楽をとっかかりにそのあたりの時代を掘り下げてみようかとこの頃漠然と思っている。

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