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月が来る

月が来る

こどもは
夜が来るのを
怖がって
泣く

こどもが
小さい時は
よく
思ったものでした

こどもを
揺する
まとわりつく
夜の染みを
払い落す
よう

どんどん
染まる
怖さが
しみ込む
こうなると
夜をもって
夜に対処するしかなく
ドアを
そとに
開くのでした

国道は
途切れない
車に
連れてこられた
楽しさが
こどもの
眼を光らせる
楽しさは光
それとも風
それとも音
遠ざかり

引き返そうと
おもったとたんに
引き戻された
こどもが
泣く

お父さんは
夢の中

ずいぶん
おっぱいが
膨れたな
すごいな

妊婦を
抱ける男って
意外と
少ないんだよな
処女を
抱いた男よりも

何を言った

拒むから
他で済ませてる

思わないことは言わない
許しがたいね
私の
女の

お前の父さん

にっこり
微笑む
こどもの顔
半分の月に
照らされて

月が来る
これからも
それでも
また
いつか
産むか

殺意を
隠して
ふたりめまで

そんなことを
思った
ものでした

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