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ウランガラス

ウランガラス

東北の方には光る石というのがあるらしい。何人かのそちらの出身の人から聞いた。ウランらしい。ウランはそれ単体ではとくに身体に影響はないらしいが詳しくは知らない。しかし、その光る石で遊んだという人はすこぶる元気な初老の人だった。

で、ウランはガラスに混ぜられる。すると、ブラックライトでぼおっと光る。それがウランガラスだ。

マスカットゼリーのように黄緑に透き通ったウランガラスが手元にある。古物のオークションで手に入れた。ウランガラスの時計なのだが、残念ながら時計は動かない。だから安かったのだが。少し目を外に向けると見える位置に置いてある。薄黄緑の色付きだが透明度は高い。ブラックライトを当てたことははじめの頃一二度ある。たしかにぼおっと光ったと記憶している。記憶だけかもしれない。正しいとは限らない。

だが、その位置は朝にはまぶしいくらいに光が射す。その朝の陽光に照らされたウランガラスは自ら発光しているかのように反射光を放射する。と同時にいつでもいつまでもごくごく微量の放射線を放射し続けていることだろう。

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