イキとエセ

先日　玄人のタナゴ師に我流の江戸前タナゴ
釣りをこてんぱんにやられて　すっかり釣りに行
気を失ってしまった　と言うことは別になくて　ひ
とそれぞれ考え方はあるよね　と言った感じで
はあるが　なんとなく　ドラム缶を縦横にならべ
てプロのドラムセットだぜ　と言うような滑稽さ
を感じたことはたしかだ　

基本を一通りおさえて
からのずらしではなくて　見た目をコピー
しかもなんちゃってコピーな形で粋がって竿を
出していたものだから　一言言わずにいられな
かったのだろう　確かに釣れないより釣れた方
が楽しい　つまりは　魚のいる層を確実にとら
えて　そこに魚の食べやすい大きさの餌を落とし
てやる　基本はそれに尽きる　そうすれば　タ
ナゴがいれば釣れる　エサが大きいとクチボソ
に先に食われる　当たりの取り方や竿遣いは
実践で覚えていくしかないだろう

しかし　見ていないようで見られているんだなと
思った　玄人衆が多い場所は怖い　しかしだか
ら面白い　また乗り込んでいこう

ジャズドラムについても同様で　きっと聞く人が
きけばなんちゃってなのがバレるだろう　基本
的に右手はずっと同じリズムを刻み　左手の
アクセントが自在に入っていくのが基本的な
ジャズドラムだが　どうしても右手に左手が　左
手に右手がつられる　そこに縦方向の足踏みが
入る　もっと言うならば　ジャズのオルガンなど
は右手と左手の指をばらばらに動かし　足で
ペダル式のベース鍵盤とボリュームペダルを
操作したりする　縦方向だけではなくて左右の
動きも入ってくる　エレクトーンも同様　ひとり
オーケストラ　最近あまり聞かないけれど

基本をきちんと押さえたうえで崩す　崩したと
ころに個性が出てくる　多分そういう事なんだ
ろうけれど　なかなか基本を極めるレベルに
達するのが難しい

それとは別に　合ってればいい　売れればいい
と言う世界もある　効率が最重視され　基本も
中身もどうでもいい　つじつまが合えばOK

どちらかと言えば辻褄合わせ派だったと思う
手っ取り早く形になってりゃええんやないの　と
それで恥をかいても気にしない図太さもある

本物に見透かされて恥ずかしいかどうか　美学
の問題　時と場合と　モノによるかな と

ハリボテみたいなものか　不正確でいいかげん
で安っぽい感じ　そういうかんじのものはど
んどん増えていくだろう　ハリウッド映画での　　　　　　　　　　　　　日本の描かれ方のように　やがてハリボテが世界　　　　　　　　　　　　を満たして　本物を知らない世界になっていくだ
ろう　いわば　ハリボテ民主主義だ　本物が異端
となり　誰も本物についてなぞ興味がなくなる　　　　　　　　　　　　　　　　そんな話になるかならないか

そこまで見越したうえで何をどう極めるか　いずれ　　　　　　　　　　　にせよ暇だから