声を出しづらい? それ、痙攣性発声障害かも
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声を出しづらい? それ、痙攣性発声障害かも

Hirayama Kazuo

 風邪でもないのに、声の途切れ・震え・かすれ等を感じたことがないだろうか?もし、頻繁に生じるなら、それは発声障害かもしれない。


 痙攣性発声障害(Spasmodic Dysphonia)と診断されてから、かれこれ10年が過ぎた。手術から7年だ。手術によって症状は緩和されたものの、完治していないので、未だにストレスを感じることは多い。

同じような悩みを抱えている人などのために、これまでの経緯や現在の考えをまとめることにした。なんらかの参考になればと思う。

そもそも痙攣性発声障害とは?

 発声障害といっても、機能性・心因性発声障害、心因性失声症、心因性仮声帯発声、本態性音声振戦症、吃音など多数の種類がある。

 痙攣性発声障害は、その一つで、発声時に無意識に声帯を動かす筋肉が痙攣してしまい、声の詰まりや途切れ・震えをきたす原因不明の疾患で、痙攣する方向により外転型、内転型、混合型の3つの病型がある。

正確な原因は不明だが、大脳基底核の機能異常による局所性ジストニア(持続性の不随意な筋収縮)と考えられているようだ。症状・検査方法・治療について詳しく知りたい人は、下記を参照して頂きたい。

※東北大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 科長、東北大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室 教授 香取 幸夫 先生のメディカルノート

※痙攣性発声障害とはABOUT

※難病情報センター

何が大変なのか?
何がストレスの原因になるのか?

・頻繁に「喉、調子悪いの?」「風邪ひいてるの?」などと訊かれる。
・声を張れないことで、元気がない、やる気がない人と思われる。
・会話がスムーズに出てこないことで、頭が悪い人に思われる。
・電話や会話時の第一声が上手く出るか常に心配になる。
・負のスパイラルに陥る。
(発声に自信がない→会話を避ける→話す機会が減る→より自信がなくなる)
・歌えなくなる。カラオケは苦痛になる。
・声量のコントロールがうまくいかず、急に大きな声を出るときがある。
などだ。

特にストレスを感じること?

 言葉がでなくなることだ。やはり、人には「話す」というアウトプットが重要なのだろう。その機会が極端に減り、不安を抱えたまましゃべることで、会話時の頭の回転が凄く鈍ることを実感している。

話の中身よりも、自分が話せているかどうかに意識が向いてしまうのだ。発声できている時ですら、会話中に、これが原因で言葉に詰まる時がある。これは未だ克服できていない。苦痛だ。


目の前に、話すスピードは遅め、声量は小さめ、言葉にも詰まるという人がいたらどう見えるだろうか?
 自信なさげで、頭の回転が鈍そうな人に見えるのではないだろうか?会話に説得力を持たすのも難しく、頼りがいがないのではないだろうか?

普段の生活において

 コンビニで店員さんに「温めますか?」や「袋入りますか?」と尋ねられた時の、「はい、お願いします」「いいえ、結構です」といった当たり前の返しすら発声できないときがある。勿論、その時は変な目で見られる。

一例を挙げたが、様々な状況で同様のことが起こり、その度に精神的なダメージを負い、生活に支障が出るのだ。そして、負のスパイラルに陥っていくことになる。

どうやって痙攣性発声障害と分かったのか?

 診断されるまで2、3年はかかったと記憶している。当時は痙攣性発声障害という名を耳にすることは殆どなく、ネット上でも情報は少なかった。

いくつもの耳鼻咽喉科、内科などに相談に行った。脳からの伝達が上手くいっていない可能性があると言われ、脳神経外科でCTもとってもらった。評判の良い病院を調べては、遠方でも行ってみた。

殆どのところで言われたのは「ストレスが原因かもしれない」だ。精神科も勧められた。

 当時、さほどストレスを抱えていなかったので、途方に暮れていた。そんな時、付き合っていた彼女(現在の妻)が、偶々、テレビで痙攣性発声障害について放送している医療系のバラエティー番組を見て、電話をかけてきたのだ。

「今、テレビでやってるビートたけしさんの医療系の番組で、痙攣性発声障害っていうの扱っているんだけど、これじゃない?症状一緒だよ」といった感じだ。

すぐに調べて、新宿の専門のクリニックに行き、色々、検査をしてもらった結果、痙攣性発声障害と診断された。

疾患を診断されて、嬉しく思ったのは生まれて初めての経験だった。たまらなく嬉しくて、希望をもらったような感覚があったが、同時に原因がわからないこと、完治する治療方法がないことを知った。

当時は、少しでも症状を緩和できるなら、どんな治療でもやりたい気持ちだったので、すぐに手術を決めた。そのくらい苦痛に感じていたのだ。

手術・入院・発声禁止生活

 新宿のクリニックの医師が、恵比寿の総合病院でも執刀していた関係で、そこで手術・入院することになった。

手術名: 甲状軟骨形成術Ⅱ
前日入院→術前検査→手術→発声禁止の入院生活
計10日間。

喉仏付近を切開し、甲状軟骨を開き、チタン製の器具で固定することで、声帯を広げ、緊張を緩める目的の手術だ。同手術について詳しくはこちらを参照。※画像付きでわかりやすく書かれていたサイトです。

目は塞がれていたので見ることはできなかったが、局所麻酔なので、手術を体感できた。医師たちの会話も聞こえた。

医師「軟骨べったりだねー。なにかミノみたいな削る物ない?あと、トンカチも。」

そして、ガンガンと喉の中(軟骨!?)を削られた。なかなかの衝撃だった。彫刻用の木や石の気分だ。その後、医療用の電動ドリルとドライバーのようなもので、チタンが固定された。

発声禁止の入院生活

 術後、麻酔が切れるにつれて、唾を飲み込むときに痛みを感じた。しばらくは薬で鎮痛しながらの生活だった。

手術当日の夜から食事ができたが、喉に負担をかけないために離乳食のようなものだった。徐々に固形物が出るようになった。

4〜6名部屋で、隣にはハワイで働いていて一時帰国中という男性がいた。看護士によく話しかける人で、会話が丸聞こえだった。期待を裏切らず、ナンパしていた。

手術と入院の費用

 ハッキリと覚えていないが、加入していた医療保険の給付25万で、お釣りがきたくらいと記憶している。

手術給付金がある医療保険への加入はオススメしておきたい。これについては、いつか別途まとめることにしよう。

手術から7年。現在の症状

 術前に比べたら緩和されている。体調なのかはわからないが、日によって発声の状態は異なる。良い日もあれば悪い日もあるが、悪くても術前ほどではない。

風邪など体調を崩したときは、発声の状態も悪くなる。発症する前の状態に戻るということは、今のところなさそうである。

チタン製器具が喉内にあっても、特に生活に支障を感じることはない。広げた分、飲料を飲み込むときに気管に入りやすくはなった。
 空港の金属探知機に引っかかることはないし、MRIもうけられる。ガリガリ君やかき氷を食べたときの「キーン」が頭より先に喉にくるくらいだ。

現在、考えていること

 正確な原因が不明で完治はないと言われている疾患だが、やはり治したいが為に、色々考えてしまう。最近は、原因が体のバランスの悪さ、特に頸椎のゆがみやズレが関係しているのではないかと推測している。

実は、私の兄も似たような症状があるのだが、二人に共通している原因になりそうなものとして思いついたのが「長年の猫背」だ。
それにより、頸椎の配列やカーブが正常ではない状態になり、声帯にも悪影響が及んでいるところに、強いストレスか何かがトリガーとなって、症状が出てきたのではないかと考えている。

早速、その点を直してくれそうな整体院を予約した。大変楽しみだ。何かしら変化があれば、また書こう。


 

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Hirayama Kazuo
会社経営 (飲食・不動産・物販) 16年目 青森出身・都内在住、痙攣性発声障害、宅建士・FP | 仙台で起業して大震災、東京に移ってコロナを経験しているが、継続できているので多少は経営能力あるのかも(疑) | 整体の動画にはまり中。